タイのFBLとFBCは、同じ許可を二つの方法で申請する制度ではありません。FBLは、外国人事業法の制限事業について、別の営業権がない外国人が個別の「許可」を求める手続きです。FBCは、条約・国際協定またはタイ政府の一時許可に基づいて附表事業を行う場合、もしくはBOI・IEAT・他法令の書面許可対象事業がリスト2・3に当たる場合に、DBDが適格性や認定証・許可書の有効性を確認して発行する「証明書」です。
FBLとFBCは自由に選べません。予定事業が外国人事業法の規制対象外や例外に当たれば、どちらも不要な場合があります。反対に、BOI認定やFBCがあっても、認定範囲外の保守、コンサルティング、賃貸、販売などは別の判定が必要です。
この記事では、会社の株主比率を決める前に、契約、請求、売上、実際の作業を事業単位へ分け、FBL、FBC、不要、または別法令による制限のどこへ進むかを判定します。
タイのFBL・FBCの違い
- FBL:外国人事業法に基づき、制限事業を行う許可を個別審査する。
- FBC:BOI、IEAT、条約、他法令などで得た権利・許可を前提に発行される証明書。
- 自由選択ではない:先に予定事業、外国人該当性、例外、別制度の権利を確認する。
- どちらも不要の場合がある:規制対象外、施行済みの例外、個別法の扱いにより変わる。
- 会社全体を一括承認しない:許可・認定された事業と、契約・請求・売上を照合する。
更新日: 2026年7月31日。タイ語の法令・官報、個別の許可条件が最終的に優先されます。本記事は一般的な制度解説であり、個別案件の法律意見ではありません。
タイのFBLとFBCの違い

一言でいうとFBLは「許可」、FBCは「証明」
外国人事業法の公的英訳では、FBLは主に17条、FBCは11条・12条に手続きが定められています。
- FBL:リスト2またはリスト3の制限事業を行うため、商務大臣またはDBD局長へ許可を申請する。
- 第11条FBC:条約・国際協定、タイ政府の一時許可などに基づき、附表の対象事業を行う権利について、DBDが適格性と手続きへの適合を確認する。
- 第12条FBC:BOI認定、IEATまたは他法令の書面許可を受けた事業がリスト2・3に当たる場合に、DBDが認定証・許可書の有効性と対象事業を確認する。
| 比較項目 | FBL | FBC |
|---|---|---|
| 日本語 | 外国人事業許可証 | 外国人事業証明書 |
| 役割 | 制限事業を行う許可を個別審査する | 別制度で得た権利・許可を前提に証明する |
| 主な根拠 | 外国人事業法17条 | 同法11条・12条 |
| 先に必要な権利 | 原則として別制度の営業権はない | BOI、IEAT、条約、政府許可、他法令等 |
| 確認の性格 | 安全保障、経済・社会への影響、消費者保護、事業規模、雇用、技術移転、研究開発等を審査 | 基礎となる権利、認定証、許可書、対象事業の整合を確認 |
| 法定期間の基本 | 申請提出から60日以内。リスト2は一定の場合に延長あり | 適法な通知受領から30日以内 |
| 対象範囲 | 許可証に記載された事業と条件 | 基礎となる権利とFBCに記載された事業と条件 |
| 自由に選べるか | 選択制ではない。事業分類と権利根拠から決まる | |
FBCはFBLの簡易版でも上位版でもありません。FBCには先行する権利・許可が必要です。また、FBL・FBCの法定期間は、事業分類、申請前相談、資料準備、補正、会社登記、銀行、税務、業種別許可を含む総開業期間ではありません。
FBL・FBC・どちらも不要を分ける判断フロー

- FBA上の外国人か:個人・法人の国籍、株式、資本、法人の連鎖、組合の管理者を確認する。
- 売上・活動を分解する:製造、販売、保守、仲介、ライセンス、賃貸、コンサルティングなど、契約と請求の単位に分ける。
- リスト・例外・個別法を確認する:附表だけでなく、施行済みの除外省令、資本要件付き例外、業種別法令を重ねる。
- 別制度の権利を確認する:BOI、IEAT、条約、政府許可、他法令による書面許可の有無と対象範囲を確認する。
| 確認結果 | 基本的な次の手続き | 注意点 |
|---|---|---|
| FBA上の外国人ではない | FBL・FBCが不要となる可能性 | 名義貸し、個別法、就労資格は別に確認 |
| 外国人だが規制対象外・例外 | FBL・FBCが不要となる可能性 | 例外条件と実際の契約を一致させる |
| リスト2・3、別の権利なし | FBLを検討 | 申請すれば自動承認される制度ではない |
| BOI・IEAT・他法令の許可あり | 権利対象事業がリスト2・3なら第12条FBCを確認 | 認定・許可の有効性と事業範囲を照合 |
| 条約・国際協定等の権利あり | 附表対象事業なら第11条FBCを確認 | 国籍・所有・管理・対象外事業の条件を確認 |
| リスト1または個別法の禁止・制限 | 通常のFBL以外を含め再判定 | 会社登記だけで営業を開始しない |
会社の定款に広い目的を記載できても、その全項目を外国人会社が営業できるとは限りません。認定証、FBL・FBC、顧客契約、請求書、売上勘定、実際の作業が同じ事業範囲を示す状態にします。
FBLは事業内容と申請主体を個別審査する
FBLは、申請書を出せば自動的に発行される制度ではありません。外国人事業法5条の考慮要素には、安全保障、経済・社会への影響、消費者保護、事業規模、雇用、技術移転、研究開発などが含まれます。法人申請では、外国人取締役、管理者、事業運営責任者にも16条の資格・欠格条件が及びます。
許可される場合も、18条に基づき、資本対借入金比率、タイ国内に住所・居所を持つ外国人取締役数、最低資本と維持期間、技術・財産などの条件が付されることがあります。審査要素と許可後の条件を混同せず、申請会社、責任者、事業計画、資金計画を一体で準備します。
外国人事業法上の「外国人」と外資49%・50%・100%

外国人事業法4条では、タイ国籍を持たない自然人、国外設立法人に加え、タイで設立された法人でも、外国人側が資本株式または投資額の半数以上を持つ法人などを「外国人」とします。したがって、外資がちょうど50%の会社もFBA上の外国人に当たります。
| 出資構造 | FBA上の基本判定 | 別に確認すること |
|---|---|---|
| 外資49%以下 | 比率だけでは外国人に当たらない形を取り得る | タイ株主の実出資・権利行使、個別法、議決権設計 |
| 外資50% | 「半数以上」に入り外国人 | 制限事業ならFBL・FBC・例外等の根拠 |
| 外資100% | 外国人 | 規制対象外、FBL、BOI等+FBC、条約等+FBCのいずれか |
| 法人を重ねた出資 | 各法人の株式・資本を確認 | 直接株主だけでなく法定の連鎖判定 |
49%以下なら何をしてもよいという意味ではありません。タイ側株主が名義だけで、資金、配当、議決権、損益、経営参加の実態がない場合は、別途名義貸しの問題になります。判断証拠、罰則、土地との違いは「タイの名義貸し規制と51%・49%の判断基準」で確認してください。
外国人事業法リスト1・2・3の違い

外国人事業法8条は制限事業を三つのリストへ分けます。次は要約であり、個別案件は附表原文、施行済みの勅令・省令、個別業法と照合します。
| 区分 | 基本ルール | 主な承認 | 主な例 |
|---|---|---|---|
| リスト1 | 特別な理由により外国人に認められない | 通常のFBL経路はない | 新聞・放送、稲作等、土地取引など |
| リスト2 | 安全保障、文化・工芸、天然資源等に影響 | 商務大臣の許可+閣議承認 | 国内運輸、鉱業、一部伝統工芸など |
| リスト3 | タイ人が競争準備を整えていない事業 | DBD局長の許可+外国人事業委員会承認 | 専門サービス、建設、仲介、小売・卸売、広告、ホテル、飲食、その他サービスなど |
リスト2の事業をFBA上の外国人に該当する法人が行う場合、15条は原則としてタイ側40%以上、取締役の5分の2以上をタイ国籍者とする条件を置きます。合理的な理由がある場合、商務大臣と閣議承認によりタイ側比率を引き下げられますが、25%未満にはできません。条約やBOI等の権利、個別法との適用関係は別に確認します。
2026年5月に政府が説明したサービス業の除外は省令案です。タイ政府発表でも「案」とされており、官報掲載と施行を確認できない段階で「規制対象から除外済み」として営業判断に使いません。
小売・卸売・ホテルは資本条件と附表の例外を確認する
リスト3の小売は、全店舗合計の最低資本が1億バーツ以上で、かつ各店舗の最低資本が2,000万バーツ以上なら、リスト3第14号の対象外となります。卸売は各店舗の最低資本が1億バーツ以上なら同第15号の対象外です。ホテル事業のリスト項目はホテル管理サービスを除外しています。
ただし、資本基準を満たせば会社法、土地・建物、消費者保護、税務、業種別許可まで不要になるわけではありません。「その他サービス」を含む施行済みの除外省令も更新されるため、附表の文言だけでなく、官報とDBDの現行運用を事業ごとに確認します。
第11条FBCと第12条FBCの違い

| 比較 | 第11条FBC | 第12条FBC |
|---|---|---|
| 主な根拠 | 条約・国際協定、タイ政府の一時許可等 | BOI認定、IEAT、他法令による書面許可 |
| DBDの確認 | 条約等の適格性と通知手続への適合 | 認定証・許可書の有効性、対象事業、プロジェクト条件 |
| 発行期間 | 適法な通知受領から30日以内 | 適法な通知受領から30日以内 |
| 第14条最低資本 | 第10条は一律に適用除外していない | 認定・許可の有効期間中、対象事業には第12条により適用除外 |
| 対象範囲 | 条約等が認める事業・条件 | 認定・許可された事業・条件 |
米タイ友好通商条約も自動適用ではない
米国商務省のタイ市場ガイドによると、条約を利用する企業は米国側の所有・管理等の適格性証明を得たうえで、DBDへ第11条の通知を行います。土地所有、国内運輸、通信、預金銀行、タイ産農産物の国内取引、土地・天然資源の利用などには条約上の除外・制限があり、個別業法も別に適用されます。
米国株主が一部いる、米国に会社があるというだけで利用できる制度ではありません。国籍、所有、管理、対象事業、対象外分野を公式手続きで確認します。
日タイEPA(JTEPA)も日本企業への全面免除ではない
外務省が公開する日タイEPAの協定本文・附属書には、投資・サービス分野の約束と留保が定められています。しかし、日本法人または日本人株主がいるという理由だけで、外国人事業法の全事業が自由になるわけではありません。
DBDのJTEPA向けFBC案内では、JTEPA上の15事業のうち、外国人事業法の附表に当たりFBCを要するものを8事業と整理しています。会社形態、日本側持株比率、負債資本比率、店舗数などの条件は事業ごとに異なります。
予定事業が協定上の対象に入るか、国籍・所有・管理などの条件を満たすか、附属書とDBD案内にどの留保があるか、第11条FBCを要するかを事業単位で確認します。JTEPAを使う前提で会社を設計する場合も、FBCに記載されない販売、保守、再販、賃貸、助言などは別判定です。
BOI認可とFBCの範囲を契約・売上と合わせる

BOI Investment Promotion Guide 2026は、FBAリスト1の奨励プロジェクトでは原則としてタイ人が登録資本の51%以上を持つこと、リスト2・3では他法令に別段の定めがない限り外資比率制限を置かないこと、BOIが個別の持分条件を設定できることを示しています。
そのため、リスト2・3のBOI奨励事業では外資100%が可能な場合があります。ただし、BOI認定証に記載された製品、サービス、工程、能力、投資、操業条件と、実際の契約・請求・売上を一致させる必要があります。
| 活動・売上 | BOI・FBC範囲の確認 | 範囲外なら確認すること |
|---|---|---|
| 認定された製造工程 | 製品、工程、能力、工場、条件を照合 | 個別法・工場・環境・輸入等 |
| 顧客向け保守 | 認定事業の付随業務か、別料金の役務か | リスト3のサービス、FBL・別の権利 |
| コンサルティング | 認定サービスに明記されているか | その他サービス等の分類 |
| 商品再販・卸売 | 認定製品の販売範囲と一致するか | 小売・卸売の例外、FBL、通関 |
| 設備・不動産の賃貸 | 認定収益に含まれるか | 賃貸サービス、土地・建物の規制 |
BOI認定だけで会社法、土地法、税法、移民・就労法、業種別許可がすべて免除されるわけではありません。投資政策や投資後の保護は「タイの投資規制と投資家保護」、会社の営業権と外国人本人の就労資格の違いは「タイの就労許可とNon-Bビザ」で確認できます。
最低資本・法定期間・e-Foreign Business

第14条が適用される許可対象事業は「予定支出の25%以上、かつ300万バーツ以上」
外国人事業法14条と2019年の最低資本省令では、第14条が適用される許可対象事業の最低資本は、各事業について3年間の年間平均予定支出額の25%以上、かつ300万バーツ以上とされます。事業期間が3年未満なら、その期間を年換算した平均予定支出を使います。予定支出には、タイ国内で事業のために取得する固定資産と、各年の事業運営費用が含まれます。
一般事業の第14条下限は200万バーツです。ただし、FBL、第11条FBC、第12条FBCへ同じ最低資本ルールを一律に当てません。第10条は第11条FBCの対象へ第14条を一律に適用除外していないため、条約・協定の条件と第14条の適用を別に確認します。一方、第12条FBCの対象事業は、認定・許可の有効期間中、第12条により第14条の適用を受けません。これは会社法上の資本、BOI・IEAT条件、他法令の資本条件まで消える意味ではありません。
また、タイで既に営む事業の収益を使って別事業を始める場合や、他の事業・法人へ出資する場合には、第14条の例外に当たる可能性があります。既存会社なら常に免除されるわけではなく、資金の出所、用途、会社形態、対象事業をDBDの現行運用と照合します。
FBLは60日、FBCは30日が基本だが、開業までの総期間ではない
| 手続き | 法定枠 | 含まれない主な期間 |
|---|---|---|
| リスト2 FBL | 申請提出から60日以内。やむを得ない場合は最大60日延長。承認後15日以内に発行 | 事業分類、資料作成、補正、閣議日程、他省庁手続き |
| リスト3 FBL | 申請提出から60日以内。許可後15日以内に発行 | 事前相談、資料作成、補正、会社・銀行・業種別許可 |
| 第11条FBC | 適法な通知受領から30日以内 | 条約適格性証明、会社書類、対象外事業の確認 |
| 第12条FBC | 適法な通知受領から30日以内 | BOI・IEAT等の認定取得、会社登記、補正、他法令手続き |
FBL・FBCの有効期間と手数料は別に確認する
FBLは外国人事業法21条により、許可事業を終了するまで原則無期限です。ただし、許可条件、停止・取消し、事業終了・所在地変更の届出を確認します。FBCは基礎となる条約上の権利、BOI認定、IEAT・他法令の許可の有効性と範囲に従うため、認定期限や条件変更を放置できません。
| 費用項目 | 公表額の目安 | 注意点 |
|---|---|---|
| 申請手数料 | 原則2,000バーツ | 事業数、手続区分、最新の省令・DBD案内を確認 |
| リスト2 FBL許可証料 | 4万~50万バーツ | 登録資本に応じて計算 |
| リスト3 FBL許可証料 | 2万~25万バーツ | 登録資本に応じて計算 |
| 第11条・第12条FBC証明書料 | 2万バーツ | DBDの現行申請案内に基づく |
上記は政府公表額の目安で、翻訳、公証、専門家、会社登記、BOI・IEAT、業種別許可、銀行、税務の費用を含みません。タイ政府のFBL手続案内とDBDの最新料金表で申請前に再確認します。
2025年は1,078件、申請は100%オンライン提出
DBD Annual Report 2025では、同年の外国人事業の許可・証明は合計1,078件でした。内訳はFBL 291件、第12条FBC 663件(BOI 527件、IEAT 136件)、第11条FBC 124件です。件数が多い制度ほど取得しやすい、または自社に適するという意味ではありません。
DBDはe-Foreign Businessを2024年8月に本格稼働し、2025年は申請の100%がオンライン提出だったと報告しています。2026年4月更新の第12条FBC手順も、申請、e-Payment、e-FBCの取得を案内しています。これは運用実績であり、法律上あらゆる紙手続きが例外なく禁止されたとまでは断定しません。
2026年第1四半期は347社、規制緩和9業種はまだ提案段階
JETROがDBD発表を整理した2026年第1四半期統計では、外国人への事業許可・証明は347社で、内訳はFBL 78社、FBC 269社、前年同期比27.6%増でした。これは認可社数であり、FBL、BOI等に基づくFBC、条約によるFBCを同じ審査難易度として比較する数字ではありません。
同年5月には、政府が9つのサービス分野をリスト3の「その他サービス」から除外する省令案を承認したと報じられました。JETROの報道では、ソフトウェア開発は懸念を受けて案から外されています。本記事では、官報掲載、施行日、最終対象、条件を確認できるまで、営業判断に使える施行済み制度として扱いません。施行された場合も外国人事業法上の重複手続きが外れる範囲に限られ、各業法の所管官庁による許可・監督は残ります。
事業・売上ごとにFBL・FBCの範囲を確認する

| 事業例 | 最初に分けるもの | 関連する実務解説 |
|---|---|---|
| 製造・輸入・卸売 | 製造、委託加工、輸入者、在庫所有、卸売、保守 | 通関・HSコード・関税・FTA |
| ソフトウェア・SaaS | 開発、利用許諾、再販、実装、保守、コンサル | BOI認定文言と顧客契約を照合 |
| EC・小売 | 販売者、プラットフォーム、決済、物流、仲介手数料 | EC販売の登記・OCPB・VAT・ETDA |
| 飲食店 | 店舗営業、デリバリー、酒類、施設、外国人の就労 | 飲食店営業許可と開業手続き |
| 不動産 | 土地、コンドミニアム、仲介、賃貸、管理、ホテル運営 | 外国人のコンドミニアム購入 |
| コンサルティング | 助言、受託実行、仲介、成果報酬、海外提供 | 契約上の役務と請求項目から分類 |
「海外顧客だけ」「オンラインだけ」「製造に付随するだけ」という理由で、直ちに規制対象外とは決まりません。誰が、誰に、何を、どこで提供し、どの契約で何の対価を受け取るかを一行ずつ説明できる資料を作ります。
申請前にそろえる事業分類と証拠
申請書式を埋める前に、会社の収益活動と権利根拠を一つの一覧へまとめます。
- 株主・資本:直接・間接株主、国籍、株式、資本、出資証拠、取締役構成。
- 事業:製品、サービス、工程、場所、顧客、契約、請求、売上勘定。
- リスト・例外:附表の該当号、施行済み除外、省令、資本要件、個別法。
- 権利根拠:BOI認定証、IEAT許可、条約適格性、政府許可、他法令の許可書。
- 範囲照合:認定証・FBL・FBCの文言と、契約・請求・実作業の一致。
- 資本・資金:第14条・省令、会社法、BOI条件、運転資金を分けた計画。
- 他手続き:会社登記、税務、社会保険、就労、土地、建物、業種別許可。
外資規制の判定後に、商号予約、発起人、基本定款、設立総会、会社登記、VAT、社会保険などの「タイで会社を設立する手順」へ進みます。法人登記が終わっても、制限事業の営業権を得たことにはなりません。
営業開始後も、VAT・源泉税・法人税は「タイ法人の税務申告」、雇用条件と社会保険は「タイの最低賃金・採用・社会保険」で別に管理します。
名義貸しと無許可営業は合法ルートにならない
タイ人51%、外国人49%という比率だけを作り、タイ側株主が実際に出資・権利行使・損益負担・経営参加をしない構造は、合法的な参入方法ではありません。FBL・FBC・BOIの要否を避けるために名義だけを借りると、外国人事業法36条・37条の問題になります。
また、FBA上の外国人会社が制限事業を無許可で行えば、名義貸しを使っていなくても問題になります。フワイクワンで外国資本60%の小売業が調査対象となった無許可営業の事例も、会社登記と営業権が別であることを示します。
名義貸しの証拠、罰則、既存構造の見直しは専用記事へ渡し、本記事ではFBL・FBC・不要の合法的な判定へ集中します。
タイのFBL・FBCに関するよくある質問
FBLとFBCはどちらを選べばよいですか?
自由に選ぶ二つの申請コースではありません。別制度の営業権がなく、制限事業の許可を求める場合はFBL、BOI・IEAT・条約・他法令等の権利がある場合は、その根拠に応じたFBCを確認します。規制対象外や例外なら、どちらも不要な場合があります。
外資49%ならFBLもFBCも不要ですか?
株式・資本の比率だけではFBA上の外国人に当たらない形を取り得ますが、タイ株主が実体ある株主であることが前提です。名義貸し、個別業法、議決権設計、外国人本人の就労資格は別に確認します。
外資50%は49%と同じですか?
同じではありません。外国人事業法4条は「半数以上」を外国人法人の判定に使うため、50%ちょうどもFBA上の外国人に当たります。
BOI認可があればFBCは不要ですか?
認定事業がリスト2・3に当たる場合は、第12条に基づくDBDへの通知とFBC取得を確認します。BOI認定証に含まれない売上や役務まで自動的に対象になるわけではありません。
第11条FBCと第12条FBCは何が違いますか?
第11条は条約・国際協定や政府の一時許可等を根拠にし、第12条はBOI、IEAT、他法令による書面許可を根拠にします。最低資本の適用関係も同じではありません。
FBLの最低資本は300万バーツですか?
300万バーツは固定額ではなく下限です。許可が必要な附表事業は、原則として各事業の3年間の年間平均予定支出額の25%以上で、かつ300万バーツ以上です。第12条FBCの対象事業には、第12条によりFBA第14条が適用されません。
FBLとFBCはいつまで有効ですか?
FBLは外国人事業法21条により、許可事業を終了するまで原則無期限です。ただし、許可条件、停止・取消し、事業終了・所在地変更の届出を確認します。FBCは条約上の権利、BOI認定、IEAT・他法令の許可など、基礎となる権利の有効性と範囲に従います。
FBLは60日、FBCは30日で営業開始できますか?
いいえ。法定期間は適法な申請・通知の提出後の処理枠です。事業分類、BOIや条約の権利取得、資料作成、補正、会社登記、銀行、税務、業種別許可は別に必要です。
e-Foreign Businessだけで手続きは完結しますか?
DBDは申請、支払い、e-FBC等をオンライン化していますが、事業分類、タイ語資料、権利根拠、会社登記、他省庁の許可、銀行・税務手続きまで一つの申請で完了するわけではありません。
米タイ友好通商条約は日本企業も使えますか?
日本企業が日本国籍を根拠に使う制度ではありません。米国側の所有・管理等の適格性、米国大使館の証明、条約の対象外事業、DBDの第11条手続きを満たす必要があります。日本企業は自社の出資構造と利用可能な協定を個別に確認します。
2026年のサービス業規制緩和案はもう使えますか?
政府発表や審査中の省令案だけでは、施行済みとは判断しません。官報掲載、施行日、最終文言、対象事業、条件を確認してから営業判断へ使います。
参考・一次情報
- タイ外国人事業法の公的英訳
- DBD:最低資本と送金期間に関する2019年省令
- BOI Investment Promotion Guide 2026
- BOI Quick Guide to Starting a Business in Thailand 2026
- DBD:第12条FBC申請マニュアル(2026年4月更新)
- DBD:Foreign Business Annual Report 2025
- タイ政府:2026年のサービス業除外省令案に関する説明
- JETRO:2026年第1四半期の外国人事業許可・証明347社
- JETRO:リスト3の9サービス除外省令案
- 外務省:日タイEPA協定本文・附属書
- DBD:JTEPAに基づくFBC対象8事業と条件
- タイ政府:FBLの手続・手数料
- 米国商務省:米タイ友好通商条約の利用条件
- DBD Online Service:e-Foreign Business


