タイの首都バンコク、フワイクワン地区で、外国人によるノミニー(名義貸し)資本の疑いがある多数の違反行為が発覚しました。商業開発局(DBD)は入国管理局や雇用局と合同で取り締まりを行い、中国系店舗、無許可のスーパーマーケット、そして不審な事業実態を持つ複数の会社を摘発したとKhaosodが報じています。
バンコク・フワイクワン地区で不審な事業を摘発
タイ商業省商業開発局(DBD)は2026年6月5日、バンコクのフワイクワン地区(プラチャラートバムペン通り周辺)で、外国人によるノミニー(名義貸し)資本の疑いがある事業所の合同調査を実施しました。この「ノミニー取り締まりチーム」は、入国管理局(Immigration Bureau)と雇用局(Department of Employment)と連携し、飲食店、スーパーマーケット、不動産仲介業者といったリスクの高い事業を対象に、外国人事業法、労働法、入国管理法への違反がないかを確認しました。
同一住所を使用する複数企業と不明瞭な事業実態
調査の結果、複数の企業で不審な事業実態が明らかになりました。まず、4社が同一の住所を使用していることが判明。このうち1社はタイ人と外国人が共同出資するビジネス・法律コンサルティング会社で、ノミニーのリスクが高いと判断されました。また、別の2社はタイ人役員・株主が全て同一人物で、資本金は3,000万バーツに上ります。さらに、タイ人株主のみで外国人1名が役員を務める建設請負業では、現場のタイ人管理者が事業内容を把握しておらず、役員や株主も不在でした。
これらの企業に関する詳細な調査では、2022年に設立され、これまでに5回も社名を変更し、2023年から2025年までの3年間で決算報告書を提出していないにもかかわらず、登記内容の変更を続けている会社があることも判明しました。入国管理局は、これらの企業が実際に事業を行っているのかについて強い疑念を抱いており、今後も徹底した調査を継続する方針です。
無許可営業の外国人スーパーとタイバーツ拒否の中国系レストラン
今回の調査では、外国人資本が60%を占める小売業(スーパーマーケット)も発見されましたが、現場は閉鎖されており、事業許可を取得していないことが判明しました。これは外国人が無許可で事業を行っていた疑いがあるため、警察への送致が決定されています。
さらに、タイバーツでの支払いを拒否していたとされる中国系レストランも調査対象となりました。現場では中国人役員と外国人従業員が確認され、中国人役員は自身がオーナーであり、タイ人を共同株主として招いたが、投資は全て自身が行ったと説明しています。過去5日間の売上データからは、1日あたり約30,000バーツ(約15万円)の収入があり、その全てが中国人役員の個人口座に送金されていたことが判明。DBDは、この事業に対し詳細な説明書類の提出を求めています。
労働法および入管法違反も発覚
この取り締まりでは、他にも複数の違反行為が確認されました。外国人が雇用主を登録局に通知しなかったり、許可されていない業務に従事したりしたケースでは、雇用局の職員が対象者を逮捕し、フワイクワン警察署に送致しました。また、1名の不法入国者と、外国人宿泊先の不申告が1件確認され、入国管理局が逮捕・送致しています。これらの違反は、タイの労働市場と国家安全保障に関わる重大な問題と見なされています。
タイ経済保護へ取り締まり強化
プンポン・ナイナパコーンDBD長官は、今回の合同作戦は、タイの事業者と消費者を不法行為から保護するための積極的な取り組みであると述べました。DBDと関連機関は今後も連携を強化し、徹底した取り締まりを継続していく方針です。一方で、タイ国内で合法的に事業を行う正規の外国人投資家は歓迎しており、国民からの不法行為に関する情報提供も広く呼びかけています。


