ホームタイバンコク株式市場、原油高とインフレ懸念で軟調か?グローブレックスが優良5銘柄を推奨

バンコク株式市場、原油高とインフレ懸念で軟調か?グローブレックスが優良5銘柄を推奨

※画像はイメージです(AI生成)

タイのバンコク株式市場は、紅海での石油タンカー攻撃による原油価格高騰とインフレ再燃の懸念から、軟調に推移する見込みです。グローブレックス証券は、今週のタイ株指数の動きを1,600-1,650ポイントの範囲と予測し、投資アナリスト協会(IAA)が推奨するADVANC、AOT、BH、GULF、KBANKの5つの優良銘柄への積み立てを推奨しています。この見通しは、カオソッド紙が報じたものです。

紅海情勢とインフレ懸念がタイ株に影

グローブレックス証券(GBS)は、タイ株式市場が今週、世界市場に追随して軟調に推移する可能性が高いと分析しています。主な下押し圧力は、イエメンのフーシ派によるサウジアラビアの石油タンカー攻撃に端を発した紅海での地政学的緊張です。これにより原油価格が急騰し、インフレ再燃と金利上昇への懸念が市場に広がっています。

この状況は、世界のエネルギー供給に対する信頼感を損ね、投資家のリスク回避姿勢を強めています。特に、エネルギー価格の高騰は、タイの物価や企業コストにも直接的な影響を及ぼすため、今後の経済指標の動向に注目が集まっています。タイではガソリン価格が生活費に直結するため、在住日本人にとっても重要な指標です。

国内経済の堅調さが市場を下支え

一方で、市場にはいくつかのポジティブな要因も存在します。特に、タイ国内経済の堅調さは、市場の下支えとなるでしょう。タイ投資委員会(BOI)が発表した2026年上半期の投資申請額は、前年同期比37%増の1.47兆バーツ(約7.35兆円)を超え、好調な伸びを示しています。これにより、8万2,000人以上の新規雇用と年間1.2兆バーツ(約6兆円)以上の輸出額が創出される見込みです。

さらに、米国では新規失業保険申請件数が18万7,000件に減少し、アナリスト予想を大きく下回るなど、経済指標に明るい兆しが見られます。また、米国とサウジアラビアが原子力技術協力で合意したことも、地政学的リスクの緩和に寄与する可能性があります。

トランプ政権の通商政策と世界金利動向に警戒

しかし、投資家は引き続き、いくつかの外部要因に警戒する必要があります。特に、米国の通商政策は大きな不確実性をもたらしています。トランプ政権は、60カ国からの輸入品に対して関税を課す方針を示しており、タイも最高12.5%の関税の対象とされています。これはタイの輸出産業に深刻な影響を与える可能性があります。

また、世界的な金利動向も注目されます。CMEのFedWatchツールによると、投資家は7月の米連邦準備制度理事会(FRB)による金利据え置きを64%と見ていますが、9月の利上げ確率は83%と高く、欧州中央銀行(ECB)も秋に再度利上げを行う可能性が指摘されています。ニューヨーク株式市場の変動性を示すVIX指数も12.38%上昇し18.70で引けており、市場の脆弱性を反映しています。

タイ国内の注目経済指標と推奨銘柄

タイ国内では、商務省による貿易状況の発表、タイ工業連盟(FTI)による自動車生産・輸出データ、産業生産指数、地域財政報告、タイ中央銀行(BOT)の経済報告、そして金融政策委員会(MPC)の会合など、重要な経済指標やイベントが控えています。

グローブレックス証券のワッチャレーン・チョンヤンヨン調査部長は、外部要因による市場圧力がかかる状況では、ファンダメンタルズが強固で経済変動に耐性のある銘柄に投資を集中させるべきだと提言しています。同社は、投資アナリスト協会(IAA)の調査と推奨に基づき、下半期に積み立てるべき優良5銘柄として、以下の企業を挙げています。

  • ADVANC(アドバンス・インフォ・サービス):通信大手
  • AOT(タイ空港公社):空港運営
  • BH(バンコク・ドゥシット・メディカル・サービス):病院グループ
  • GULF(ガルフ・エナジー・デベロップメント):エネルギー大手
  • KBANK(カシコン銀行):大手商業銀行

今回のバンコク株式市場の見通しは、在住日本人や日系企業の資産運用戦略、さらにはタイでの事業計画に影響を与える可能性があります。特に、原油価格の高騰とそれによるインフレ圧力は、タイの生活費上昇や企業の原材料費・輸送費増加に直結するため、予算編成やコスト管理の見直しが求められるでしょう。また、FRBの利上げ動向はバーツ/円為替レートにも影響し、送金や投資のタイミングにも影響を及ぼします。

タイ経済はBOIによる国内投資促進策で一定の強さを見せていますが、紅海情勢のような地政学的リスクや、米国の保護主義的通商政策の再燃は、タイの主要産業である輸出に構造的な課題を突きつけます。このような外部要因によるサプライチェーンの混乱や関税の影響は、タイに進出する日系企業の事業戦略において、リスク分散や国内市場への注力といった新たな視点をもたらす可能性があります。

AsiaPicks 編集部
AsiaPicks 編集部
タイ・ベトナム・インドネシアの最新ビジネスニュースを日本語で毎日配信。現地メディアの一次情報をもとに、日系企業・駐在員の意思決定に役立つニュースを厳選してお届けします。
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