更新日:2026年8月2日。タイで工場を新設するときは、最初に「候補地がIEAT法上の工業団地内か」「製造工程が工場法のどの区分か」「EIA・EHIAの対象か」を確定します。会社登記やBOI認可を先に済ませても、建物、機械、排水、排気、廃棄物、危険物の条件が揃わなければ操業は始められません。
工場の許認可は一枚の「工場ライセンス」ではありません。IEAT内ではIEATが土地利用・建築・工場法などの窓口を担いますが、元の法令基準が免除されるわけではありません。IEAT外ではDIWまたは県工業事務所、地方自治体などへ手続が分かれます。本記事は、日本企業が土地契約前から操業後の増設まで、判断を誤らない順番を現行の公的資料に基づいて整理します。
タイ工場の操業許可で最初に決めること
- 場所:候補地がIEAT法上の工業団地内か、民間の工業団地・工業用地かを公的資料で確認する。
- 工程:製品名ではなく、原料投入から包装・保管までの製造工程、機械動力、人数、燃料、排出物を確定する。
- 工場区分:50馬力・50人という工場法の入口と、DIWの工程別第1・2・3種表を分けて判定する。
- 環境審査:EIA・EHIA対象を土地契約と基本設計の前に調べ、必要ならONEPの適格な作成者を選ぶ。
- 操業ゲート:土地利用、建築、機械据付、試運転、操業開始、製品・危険物、環境・廃棄物の各手続を一つの工程表で管理する。
重要:古い日本語記事にある「5馬力または7人」は2019年改正前の情報です。現行制度でも50という数字だけで第3種とは決められず、製造工程別の最新分類表が必要です。
タイ工場の操業許可は土地契約前に三つの判定を終える

許可調査を行政書類の収集から始めると、後で製造条件が変わり、すべての資料を作り直します。先に一枚のプロジェクト定義書を作り、候補地ごとに次の三点を判定してください。
- 法的な場所:IEAT法上の工業団地内、IEAT外の民間工業団地、単独の工業用地のどれか。
- 工場の実体:原料、製造工程、機械、馬力、労働者、燃料、薬品、保管量、生産能力、排出物。
- 環境審査:現行告示上のEIA・EHIA対象か、既存承認を承継・変更できるか、新規審査が必要か。
この三つが確定するまで、賃貸借契約や土地売買契約を無条件で締結しない方が安全です。契約する場合は、必要許可、EIA/EHIA、電力・給排水容量、建築可能性が成立しないときの解除・返金条件を明記します。
IEAT・DIW・ONEP・地方自治体は同じ許可を出す機関ではない
各機関の役割を混ぜると、「一つ承認されたから工場全体も承認済み」という誤解が生まれます。実務では、同じ図面と生産能力を各制度で一致させながら、別々の判断を通します。
| 機関・関係者 | 主な役割 | 確認する資料 | 誤解しやすい点 |
|---|---|---|---|
| IEAT | IEAT工業団地内の事業、土地利用、建築、工場法等の許可・届出窓口 | IEAT法、団地条件、Business Operator’s Handbook、現行e-PP案内 | 窓口集約は法令基準の免除ではない |
| DIW・県工業事務所 | 工場分類、工場法の許可・届出、機械、事故、廃棄物、環境実務 | 工場法、工程別分類表、市民向け手続、e-License | 製品名や総面積だけでは区分できない |
| ONEP・許認可機関 | EIA/EHIAの対象確認、審査・承認プロセス、モニタリング情報 | 現行対象告示、Smart EIA Plus、事業別の審査経路 | IEAT内やBOI案件でも自動免除ではない |
| 地方自治体等 | IEAT外の建築、公衆衛生、土地利用、消防等 | 立地自治体の条例、都市計画、建築用途、現地条件 | 工場法対象外でも他法令は残る |
| 団地運営会社 | 区画、造成、電力、水、排水、道路、共用設備、団地規則 | 供給保証、受入基準、契約、as-built図面 | 営業担当者の説明は行政許可ではない |
| BOI | 投資奨励、税・非税恩典、奨励条件の管理 | 奨励証書、事業範囲、能力、機械、実施期限 | BOI認可は工場操業許可の代替ではない |
工場法の入口は50馬力以上または労働者50人以上

2019年改正後の工場法上の「工場」は、原則として機械動力の合計が50馬力以上または労働者を50人以上使用する事業所が入口です。DIWも2026年の公表資料で、50馬力未満かつ50人未満の小規模事業所は工場法の「工場」に該当しないと説明しています。
ただし、工場法の対象外だから自由に操業できるわけではありません。公衆衛生、建築、都市計画、環境、消防、労働安全、危険物、製品規制、騒音・臭気・排水などは別に確認します。DIWが2025年の苦情として挙げた主な問題も、臭気、安全、粉じん・煤煙、排水でした。
馬力は購入予定設備のカタログ値だけでなく、モーター、ポンプ、コンプレッサー、搬送、空調・集じんなど、法令上集計対象となる設備をタイ側技術者と確認します。人数も正社員だけでなく、工程で働く者の扱いを現地専門家へ確認し、都合のよい分割で対象外に見せないことが重要です。
第1・2・3種は製品名ではなく製造工程別の現行表で決める

50馬力・50人は工場法上の入口です。その後の第1・2・3種は、DIWが公開する2020年省令ベースの工場種類・規模一覧で判定します。例えば、同じ食品や金属でも、加熱、粉砕、表面処理、燃料、保管方法、生産能力により区分が変わります。
| 区分 | 工場法上の基本的な扱い | プロジェクト側の確認 |
|---|---|---|
| 第1種 | 工場法上の事前届出・許可を要しない区分。ただし一般規制と他法令に従う | 工程表の該当行、立地、建築、公衆衛生、環境条件 |
| 第2種 | 操業開始前の届出が必要な区分 | 届出受理前に操業しない。設備・工程・所在地を一致させる |
| 第3種 | 設置・操業に事前許可が必要な区分 | 建設・据付・試運転・操業の各ゲートを担当窓口と確認する |
現行表には、75馬力等の個別閾値で第2・3種に分かれる工程、規模に関係なく第3種となる工程、全規模が第1種または第2種となる工程があります。「50馬力を超えたから第3種」「小規模だから第1種」という一行判定はできません。複数工程がある場合は、最も厳しい工程だけでなく、すべての該当行を記録します。
候補地がIEAT法上の工業団地かを名称ではなく公的資料で確認する

英語名にIndustrial Estate、Industrial Park、Industrial Zoneと書かれていても、同じ法的地位とは限りません。IEAT法40条は、IEAT法上の工業団地でない者がIndustrial Estate等に相当する名称を使うことを制限していますが、実務では似た日本語訳や民間ブランドが混在します。
候補地ごとに、次の証拠を取得してください。
- IEATが公表する工業団地名、所在地、担当事務所、運営主体。
- 対象区画が公的な工業団地区域に含まれることを示す区域図・区画図。
- General Industrial Zone、Free Zoneなど対象ゾーンと予定事業の適合。
- 土地権利、賃貸権、既存建物の用途、過去の許可・EIA・違反・閉鎖履歴。
- 団地の排水受入基準、給水・電力容量、搬入路、高さ・建蔽・後退等の建築条件。
区画が境界外、既存建物だけが別制度、増設部分が区域外というケースもあります。住所が同じでも、対象筆・対象建物単位で確認します。
IEAT内は事業許可・建築・工場・操業開始を同じ設計で進める

IEAT法41条は、工業団地内で事業を行う者にIEAT Governorまたは権限を委任された者の許可を求めています。42条では、土地掘削・盛土、建築、公衆衛生、工場に関する承認・許可・届出をIEAT側で扱える仕組みを定めています。これはワンストップ窓口に近い利点ですが、42条は元の法令の基準・手続・条件に従うことも明記しています。
IEATの公開Business Operator’s Handbookは、概ね次の流れを示します。
- 土地利用と事業内容を整理し、事業許可を申請する。公開版ではIEAT 01/1と許可書01/2が案内されている。
- 承認された事業・区画を前提に、造成、建築、設備、環境関係の申請を行う。
- 建設と機械据付を承認図面・条件に合わせ、必要な検査と試運転手続を行う。
- 操業開始を申請し、公開版ではIEAT 03/1と許可書03/2が案内されている。
- 操業後も排水、廃棄物、安全、報告、変更・拡張を管理する。
公開ハンドブックは2021年版です。書式、添付、手数料、電子申請の画面は変更され得るため、提出時はIEATの現行e-PP案内と対象団地事務所のチェックリストを優先してください。旧書式名をそのまま使うのではなく、プロジェクト工程の理解に使います。
IEAT外は工場法と土地・建築の申請先を分けて責任者を置く

IEAT外では、工場分類と許可・届出はDIWまたは県工業事務所等、建築・土地利用・公衆衛生は地方自治体等が関係します。権限移譲や事業種類により実際の窓口が変わるため、候補地の所在地と工場分類を示して、書面または受付記録が残る形で事前相談します。
申請先が分かれても、提出する事実は同じでなければなりません。建築図では倉庫、工場申請では混合作業場、EIAでは危険物保管庫という不一致があると、審査、検査、保険、操業後の変更管理で問題になります。次の三つを一つの版管理にしてください。
- 土地・建物マスター:筆、境界、用途、面積、床荷重、排水経路、消防、避難、増設余地。
- 工程・設備マスター:工程名、機械名、台数、動力、生産能力、原料・製品・副産物、稼働時間。
- 環境・安全マスター:排水、排気、騒音、振動、廃棄物、危険物、事故シナリオ、処理設備。
EIA・EHIAは土地と基本設計を固定する前に対象確認する

EIAまたはEHIAの対象は、業種、規模、生産能力、燃料、所在地などを現行告示へ照合して判断します。IEAT内に入る、BOI認可を取る、第3種工場になるという一条件だけでは、対象・対象外を決められません。
- 製造工程と最大生産能力を、販売計画ではなく設備能力で定義する。
- 候補地の行政区、工業団地区域、周辺水系、集落、保護区域等を確認する。
- ONEPの現行対象プロジェクト情報と告示を照合する。
- 類似案件と対象地の既存承認をSmart EIA Plusで確認する。
- 対象または境界に近い場合は、ONEPのライセンス情報で適格な報告書作成者を選ぶ。
- 審査条件を土地契約、建物、排水、煙突、緑地、モニタリング、操業条件へ反映する。
既存工場を買収・賃借する場合も、過去のEIA承認が新しい名義、能力、工程、設備、増設後の状態へそのまま使えるとは限りません。承認書、条件、モニタリング報告、変更履歴と現物を照合し、承継・変更・新規審査のどれかを確認します。
構想から操業までを九つのゲートで管理する

| ゲート | 確定すること | 次へ進む条件 | 進めてはいけない作業 |
|---|---|---|---|
| 1 構想 | 製品、工程、最大能力、原料、機械、人員 | 申請用の工程・設備マスター承認 | 曖昧なまま土地を決める |
| 2 立地 | IEAT内外、土地用途、区画、インフラ | 許認可と供給条件の成立 | 無条件の土地契約 |
| 3 環境 | EIA/EHIA、排出量、周辺条件 | 対象判定と審査方針の承認 | 配置・煙突・排水を固定 |
| 4 基本設計 | 建物、設備配置、物流、消防、環境設備 | 全制度で図面・能力が一致 | 先行発注で変更不能にする |
| 5 申請 | 事業、土地、建築、工場、追加許可 | 受付と条件を記録 | 承認を見込んだ無許可工事 |
| 6 建設 | 承認図と現場の一致、変更管理 | 検査可能なas-built資料 | 現場判断だけの仕様変更 |
| 7 据付・試運転 | 機械、安全、環境設備、試験条件 | 試運転に必要な許可・届出 | 商業生産を試運転扱いにする |
| 8 操業開始 | 検査、開始届・許可、製品出荷条件 | 全ゲートの証拠が揃う | 許可前の販売・出荷 |
| 9 継続管理 | 報告、廃棄物、環境、安全、変更・更新 | 期限・条件・実機の定期照合 | 増設後に後追い申請 |
申請資料は製造フロー・機械表・物質収支を一つの原本から作る
行政ごとに別の資料を作ると、能力・設備台数・排出量が食い違います。次の原本を版管理し、IEAT、DIW、EIA、建築、消防、BOI、保険、団地運営会社へ必要な範囲を切り出します。
- 製造フロー:原料受入、前処理、加工、洗浄、検査、包装、倉庫、出荷、リワーク、廃棄まで。
- 機械表:メーカー、型式、用途、台数、動力、能力、燃料、設置位置、導入・撤去予定。
- 物質収支:原料投入、製品、副産物、排水、排気、汚泥、廃棄物、回収・再利用量。
- レイアウト:建物用途、機械、薬品、危険物、排水系統、集じん、煙突、廃棄物保管、搬入出。
- 操業条件:稼働日、シフト、最大人数、最大能力、保守停止、非常時、委託工程。
日本の設備名を直訳するだけでなく、タイの分類表が判断できる動詞に分解します。例えば「部品製造」ではなく、切削、研磨、脱脂、表面処理、塗装、乾燥、組立、試験、包装まで書きます。申請後に設備を変更する場合は、購買発注前に原本を更新し、許可変更の要否を判定します。
土地・建築は用途、権利、造成、搬入、将来増設まで現地確認する

安い土地でも、造成高、洪水、排水先、道路幅、重量車両の旋回、送電距離、近隣住宅、既存建物の合法性で総投資が変わります。バンコク周辺の土地では、都市計画と道路条件も工場・倉庫の可否へ影響するため、バンコク都市計画と土地利用の確認方法も参照してください。
既存工場を借りる場合は、外観だけで判断しません。建築許可、用途、竣工・検査資料、増改築履歴、消防設備、床荷重、電気単線結線図、排水・雨水図、過去の工場許可、EIA条件と現物を照合します。違法増築や用途不一致を借主が引き継がないよう、是正主体と引渡条件を契約に入れます。
電力・水・排水・廃棄物は容量と受入条件を数値で契約する

工場の操業許可が取れても、必要電力が接続されない、排水を団地が受け入れない、廃棄物委託先が決まらないと量産できません。候補地ごとに次を数値で比較します。
- 電力:契約容量、受電電圧、短絡容量、停電・瞬低履歴、接続工事、非常電源、増設余地。料金構造はタイの電気料金とFt・自家発電の解説も確認してください。
- 工業用水:日量・時間最大、圧力、水質、断水時、貯水、製品用水の追加処理。
- 排水:日量・時間最大、pH、COD/BOD、油、金属等の受入基準、前処理、測定点、違反時。
- 排気・騒音:発生源、処理設備、煙突、測定、近隣境界、夜間運転。
- 廃棄物:分類、保管、マニフェスト、許可業者、搬出頻度、非常時の保管余力。
「団地の共用処理設備がある」だけでは不十分です。自社排水の濃度・温度・流量を団地受入条件へ照合し、前処理設備と測定責任を設計へ入れます。
建設・機械据付・試運転は承認図と実機の一致を検査する

DIWの手続一覧では、第3種工場の操業許可、操業開始届、操業前の機械試運転が別の手続として示されています。IEAT内でも、対象団地と事業に必要な建築・工場・試運転・操業開始のゲートを事前に確認します。「試運転」という名称で顧客向けの連続生産や販売を始めないでください。
竣工・コミッショニングでは、少なくとも次を確認します。
- 承認図とas-built図、機械名・台数・動力・能力・位置が一致する。
- ガード、インターロック、非常停止、避難、消防、接地、圧力設備等が機能する。
- 集じん、排気、排水処理、騒音対策を生産設備と同時に負荷試験する。
- 原料・薬品・廃棄物の保管場所と最大量が承認条件内にある。
- 運転手順、点検、校正、教育、緊急対応、測定記録を現場で使える状態にする。
- 許可・届出・検査・承認条件を操業開始判定書へ添付する。
製品・危険物・輸入・消防の追加許可を工場許可から分ける
工場法の許可は、製品を市場で販売できることや、原料を輸入・保有できることまで一括して認めるものではありません。予定事業に応じ、次を別に確認します。
- 製品:食品、化粧品、医療機器等のThai FDA、強制規格製品のTISI、無線機能等の所管。詳しくはタイFDA・TISI製品登録ガイドを参照してください。
- 原料・薬品:DIW所管の危険物の種類・区分、輸入、製造、保有、保管、報告、廃棄。
- 輸入設備・原料:輸入者、品目分類、評価、原産地、許可、通関書類。タイ通関の必要書類ガイドへ接続します。
- 労働・安全:外国人就労、労働安全、専門資格者、ボイラー・圧力設備、環境担当者、消防訓練。
- 倉庫・物流:危険品保管、保税、Free Zone、重量車両、道路・搬入制限。
製品登録の名義人、原料輸入者、工場許可名義、請求主体が別会社の場合は、契約と実際の責任分担を合わせます。許可だけ借りる、名義だけ置く設計は避けます。
BOI認可・会社登記・工場操業許可は目的が違う
タイの会社設立は法人を成立させる手続です。FBA・FBC・BOIの解説で扱うBOIは投資奨励と恩典・条件の制度です。どちらも、IEATまたは工場法上の操業許可、EIA/EHIA、建築、製品、危険物を自動的に完了させません。
一方で資料は連動します。BOI申請の生産能力・工程・機械と、IEAT/DIW/EIAの能力・設備が大きく違えば、奨励条件、輸入機械、許認可の変更が必要になります。会社登記後に工場条件を考えるのではなく、売上項目、外資規制、工場、BOI、税務、雇用を同じ事業定義から設計してください。
期間・費用は行政日数ではなく前提条件と手戻りで管理する
許可取得に何カ月かかるかは、業種と立地だけでは決まりません。EIA/EHIAの有無、土地・建物の適合、設計完成度、資料の言語・署名、設備変更、インフラ工事、当局照会への回答で変わります。旧ハンドブックにある処理日数を工場の稼働保証日として使わないでください。
| 費用・期間の要因 | 見積へ入れるもの | 遅延を防ぐ管理 |
|---|---|---|
| 調査・設計 | 測量、土質、基本・詳細設計、環境調査、翻訳、専門家 | 候補地比較前に調査範囲を定義 |
| 行政・団地 | 申請、検査、証明、団地サービス、保証金 | 現行チェックリストと支払条件を取得 |
| インフラ | 造成、受電、給排水、道路、通信、非常設備 | 容量・接続日・責任分界を契約 |
| 環境・安全 | EIA/EHIA、処理設備、測定、モニタリング、消防 | 生産設備と同時に設計・発注 |
| 手戻り予備 | 図面変更、機械差替え、追加試験、工程遅延 | 変更承認ゲートと予備費を設定 |
工程表には「申請提出日」だけでなく、前提資料の確定日、当局事前相談、受付、照会回答、承認条件の設計反映、現場検査、操業開始判定を入れます。土地・建設・設備の支払マイルストーンも許認可ゲートへ連動させます。
操業後の増設・工程変更・名義変更は発注前に再判定する
DIWの市民向け手続には、第3種工場の拡張許可、拡張に至らない機械変更、条件変更、名義・所在地変更、機械移設、長期停止、再開、事故報告などが別に掲載されています。許可取得時の状態を保存していなければ、増設が「拡張」か、単なる変更か、EIA変更が必要かを判定できません。
- 設備購入要求の時点で、工程、台数、動力、能力、原料、排出物の差分を作る。
- 工場分類、IEAT/DIW手続、EIA/EHIA条件、建築、危険物、BOI、電力・排水容量を再判定する。
- 必要な承認・届出と審査期間を発注・工事工程へ入れる。
- 承認後に据付し、as-built図、機械台帳、教育、点検、許可台帳を更新する。
- 廃止設備も撤去、廃棄、許可・資産・BOI上の処理を記録する。
レイヨンの鉄鋼工場が約18カ月の停止後に再開した事例のように、工場の停止・改善・再開は許認可と安全管理に直結します。背景はレイヨン鉄鋼工場の再開ニュースで確認できます。
土地契約・工場取得前に止めるべき危険信号を確認する
- 「ここは工業団地だから何でも作れる」と言うが、IEATの区域図・事業条件を示さない。
- 工場分類を製品名だけで断定し、機械動力、工程、燃料、排出物を質問しない。
- 2019年改正前の5馬力・7人を現行基準として使っている。
- EIA/EHIAは建設後に取得できる、またはBOIがあれば不要と説明する。
- 既存建物の建築許可、用途、増改築、工場許可、EIA条件、違反・事故履歴が揃わない。
- 団地の電力・排水が「十分」とだけ書かれ、容量、品質、接続日、受入条件がない。
- 申請図と設備発注仕様が別管理で、変更承認者がいない。
- 試運転許可・操業開始前に販売用生産を始める計画になっている。
- 廃棄物、薬品、環境測定、事故報告、操業後の変更を誰も担当していない。
候補地を早く決めることより、成立しない候補地を早く落とすことが、最終的な操業開始を早めます。行政・団地・専門家への相談記録は、日付、参加者、前提工程、回答、未決事項を残し、口頭回答だけで投資判断をしません。
FAQ・関連記事・一次情報
タイの工場は50馬力未満なら許可不要ですか?
工場法上の「工場」に該当しない場合はありますが、自由に操業できるという意味ではありません。労働者数も確認し、建築、公衆衛生、都市計画、環境、消防、危険物、製品規制などを別に確認します。
50馬力を超えたら必ず第3種工場ですか?
必ずではありません。50馬力・50人は工場法の入口で、その後はDIWの現行分類表で製造工程、設備、燃料、能力、人数を照合します。工程によって75馬力等の個別閾値や全規模指定があります。
IEATの工業団地内ならDIWの工場許可は不要ですか?
IEAT内ではIEATが工場法を含む許可・届出権限を扱える仕組みですが、工場法の基準が免除されるわけではありません。IEATの事業許可、建築、工場、操業開始等を現行手続で進めます。
IEAT内ならEIA・EHIAは不要ですか?
自動的に不要にはなりません。事業種類、規模、生産能力、所在地などを現行告示へ照合し、必要ならONEPのライセンス情報で適格な作成者を選びます。
BOI認可があれば工場を操業できますか?
BOI認可だけでは操業できません。BOIは投資奨励制度であり、会社登記、IEAT/DIW、EIA/EHIA、建築、製品、危険物、消防等の許可・届出を別に満たします。
既存工場を借りれば新しい許可は不要ですか?
不要とは限りません。許可名義、事業種類、工程、機械、能力、建物用途、EIA条件と現物を照合し、移転・承継・変更・拡張・新規申請のどれが必要か確認します。
機械は許可申請前に発注してよいですか?
長納期設備の先行発注が必要な場合でも、工場分類、EIA/EHIA、建築、インフラ、危険物、承認図との整合を先に確認します。許可条件で変更しにくい設備は、解除・仕様変更条件を発注契約へ入れます。
一次情報・公式窓口
- DIW:工場法と改正法
- DIW:50馬力・50人未満の事業所と他法令の管理
- DIW:2020年省令に基づく工場種類・規模一覧
- DIW:工場種類・規模に関する法令
- DIW:工場法の市民向け手続一覧
- DIW:工場関係の電子サービス
- DIW:危険物法の市民向け手続一覧
- DIW:2026年の電子許認可・様式改善
- IEAT Act:41条・42条を含む公式英訳
- IEAT:Business Operator’s Handbook
- ONEP:民間事業のEIA審査手順
- Smart EIA Plus:EIA対象事業の資料
- Smart EIA Plus:EIA報告書作成者のライセンス情報
- Smart EIA Plus:承認案件情報の表示例
- BOI OSOS:製造許可の案内
- BOI:A Business Guide to Thailand


