タイ西部カンチャナブリ県と東部チャンタブリー県で野生象2頭が死亡し、人間と野生生物の衝突が激化している状況が浮き彫りになりました。カンチャナブリ県では1頭が送電線に触れて感電死し、チャンタブリー県では別の1頭が銃創とみられる複数の傷を負って発見されました。Bangkok Postの報道によると、食料源の減少が象を農耕地へと追いやっていることが背景にあるとされています。
カンチャナブリ県での感電死事件
タイ西部カンチャナブリ県のサラックプラ野生生物保護区近く、ムアン地区バン・タマナオで、25〜30歳とみられるオスの野生象が感電死しているのが発見されました。保護区当局が火曜日に確認したところによると、死骸は日曜日の夜遅くに森の端で発見されました。
獣医と保護官が月曜日に検視を行い、死因を特定するために組織サンプルが採取されました。体長約1メートルの牙は安全のために回収されています。捜査当局は、この象が群れから離れ、食料を求めて保護区外の地域をさまよっていたとみています。現場からは、象が電柱を倒し、通電中の電線を口に入れた形跡が発見されており、これが致命的な感電死につながったと推測されています。
チャンタブリー県での銃殺とみられる事件
一方、タイ東部のチャンタブリー県カオ・キッチャクート国立公園クロン・プルー地区の果樹園裏にある池の近くで、地元で「プライ・コー・ケーオ」として知られる別のオスの野生象が死んでいるのが見つかりました。公園長のチャウィン・ピンケーウ氏が火曜日に発表したもので、村人からの通報を受け、公園職員、警察捜査官、獣医チームが月曜日に死骸を検査しました。
検査の結果、象の耳、胸、腹部、前脚に少なくとも6箇所の銃創とみられる傷が見つかりました。この象も約30歳で、単独行動で知られ、以前から村人たちに恐れられていたといいます。
人間と野生生物の深刻な衝突
野生生物当局は、これら2件の象の死が、人間と野生生物の間の衝突が深刻化している現状を浮き彫りにしていると警鐘を鳴らしています。食料源の減少により、象が農耕地や居住地へ侵入せざるを得なくなり、人間との遭遇がより暴力的になっていると指摘されています。
タイでは、森林伐採や開発による生息地の減少、気候変動の影響などが野生動物の行動に影響を与え、人間との共存が大きな課題となっています。政府は気候変動適応計画を進めていますが、野生生物保護と地域住民の安全確保の両立が急務です。


