2024年6月初旬、ベトナムの銀行預金金利は一部で調整が見られ、高金利を提供する銀行が減少傾向にあります。しかし、SHBがオンライン預金で年利8%近くを提示するなど、依然として競争は激しく、VnExpressの調査では6.5%以上の金利が一般的であることが示されています。
ベトナムの銀行預金金利:高水準を維持する銀行と競争環境
ベトナムの銀行預金金利は、月初に一部の金融機関で変動が見られましたが、依然として高水準を維持しています。特にオンライン預金では、エスエイチビー(SHB)が年利8%近い金利を提供しており、注目を集めています。ユーオービー(UOB)、サコムバンク(Sacombank)、ピージーバンク(PGBank)、エルピーバンク(LPBank)、オーシービー(OCB)、ヴィーブ(VIB)、エムビーブイ(MBV)といった銀行も、7%前後の競争力のある金利を提示しています。
VnExpressの調査によると、現在、市場の半数以上の銀行が6ヶ月以上の預金に対して年利6.5%以上の金利を適用しており、これが一般的な水準となっています。また、国営銀行であるビッドビー(BIDV)、アグリバンク(Agribank)、ヴィエッティンバンク(VietinBank)も、6ヶ月以上の預金で年利6.6%から6.8%の金利を提供しており、民間銀行との金利差はほとんど見られません。
特定の顧客層をターゲットにした特別金利
通常の公表金利に加えて、一部の銀行では特定の条件を満たす顧客向けにさらに高い金利優遇プログラムを実施しています。例えば、ヴィッキーバンク(Vikki Bank)、エイチディーバンク(HDBank)、ナムアーバンク(Nam A Bank)などは、支店担当者の紹介コードを利用し、1億ドン(約60万円)から数億ドン(数百万円)規模の預金を行う個人顧客に対して、年利8.2%から8.5%という破格の金利を適用しています。これは、大口預金者や特定の優良顧客を囲い込む戦略の一環と考えられます。
ベトナム経済と金融市場への圧力
信用格付け機関ヴィスレーティング(VIS Rating)は、今年のベトナムの銀行は不利な運営環境と変動の中で事業を行うと分析しています。システム全体の流動性圧力に加え、外部要因が資産の質と収益性を低下させており、これが金利が高止まりする一因となっています。追加背景データが示すように、新興国経済は高インフレや資源価格の変動、さらにはコロナ禍といった外部からの影響を受けやすく、金利の上昇は企業の利払い負担を増大させる傾向にあります。
ベトナム国家銀行による金利引き下げ要請と経済支援
このような状況下で、ベトナム国家銀行は、銀行に対して預金金利の引き下げを継続的に要請しています。わずか1ヶ月の間に、国家銀行は各銀行に対し、金利競争を抑制し、貸出金利を低く保つことで経済を支援するよう求めました。これは、健全なマクロ経済政策を維持し、金融システム全体の安定性を確保するための重要な取り組みです。新興国における中央銀行の役割として、金融政策を通じて経済成長の「健全性」を確保することが不可欠であり、ベトナム国家銀行もこの原則に基づき、金融市場の安定化と実体経済への支援を目指しています。
ベトナムの預金金利の変動は、在住日本人や日系企業にとって、資金運用戦略に直接影響を与えます。特に、高い金利を提供する一部の銀行は、大口預金や特定の条件を設けており、これは現地での資金調動や余剰資金の運用において、より有利な選択肢となり得ます。一方で、ベトナム国家銀行による金利引き下げ圧力は、将来的に預金金利が全体的に低下する可能性を示唆しており、短期的な高金利を狙うか、長期的な経済安定を見据えるか、慎重な判断が求められます。
この金利動向の背景には、ベトナム経済が新興国として直面する構造的な課題があります。追加背景データが示すように、新興国は世界経済の変動や先進国の金融政策、国内の流動性圧力といった外部要因に影響を受けやすく、これが銀行の貸出・預金金利に波及します。中央銀行が金利引き下げを促すのは、経済全体の安定と成長を支えるためのマクロ経済政策の一環であり、単なる銀行間の競争抑制に留まらず、健全な金融システムと実体経済の活性化を目指すベトナム政府の強い意思が反映されています。


