タイ・プーケット県で、地方政府高官らが不当な異動を受けたとされ、行政局長による政治介入の疑惑が浮上しています。弁護士が下院委員会に提訴し、局長がLINEチャットで特定の政党を支援するよう指示した証拠を公開しました。この問題は、Khaosodが報じたところによると、タイの選挙の公正性にも疑問を投げかけています。
「青色のネットワーク」疑惑と不当な異動
弁護士アンことパッタラポン・スパアクソーン氏は5月28日、プーケット県副知事ルンルアン・ティマブット氏を含む5名の地方行政官が受けた不当な異動命令について、下院政治発展・マスメディア・国民参加委員会に調査を求める提訴を行いました。この異動命令は、ナルチャ・コーサシウィライ行政局長によって署名されましたが、異動理由には「公務の利益のため」とだけ記載されており、汚職や賄賂に関する具体的な言及はありません。
弁護士アンは、この異動が汚職によるものではなく、政治的な動機、特に「青色のネットワーク」と呼ばれる特定の政治勢力による影響ではないかと強く疑っています。タイの地方行政における人事異動は、しばしば政治的な背景を持つと指摘されており、今回のケースもその一例である可能性が指摘されています。
明らかになったLINEチャットの内容
提訴の中で、弁護士アンはナルチャ行政局長と部下とのLINEチャットのスクリーンショットを公開しました。このチャットは、選挙の1ヶ月ほど前に交わされたもので、プーケット県副知事ルンルアン氏が県内の世論調査結果を報告した後、行政局長が「青色の政党を助けろ」と指示する内容が含まれていました。ルンルアン副知事は「100%助ける」と返答しましたが、最終的にプーケット県ではオレンジ色と緑色の政党が勝利しました。
弁護士アンは、このチャットが公務員による政治介入の明確な証拠であると主張しています。このような指示が事実であれば、公務員が特定の政党を支援するよう命令されたことになり、タイの選挙の公正性への重大な疑問を投げかけます。
選挙の公正性への疑問
弁護士アンは、選挙前に40以上の県副知事と200以上の郡長が異動させられ、彼らが選挙管理の役割を担ったことに注目しています。選挙用紙の印刷も行政局が所管する施設で行われており、ナルチャ行政局長が選挙プロセス全体に大きな影響力を持っていた可能性を指摘しています。
弁護士アンは、今回の異動が選挙結果に対する報復であると見なし、この問題を選挙無効を求めて憲法裁判所にも提訴する意向を表明しました。これは、タイの選挙制度における透明性と独立性を確保するための重要な動きとなります。
プーケットの公共ビーチ問題との関連
人民党のチャルームポン・セーンディー下院議員(プーケット選出)も、ルンルアン副知事らが異動させられた背景には、プーケットの公共ビーチ(フリーダムビーチ、バンタオビーチ、ヌイビーチ)の不法占拠問題があると指摘しました。これらのビーチには、政治家と繋がりを持つ影響力のあるグループが存在し、ルンルアン副知事らがそのグループに立ち向かったことが異動の原因であると述べています。
チャルームポン議員は、行政局長が「青色の政党を助けろ」と指示したにもかかわらず、プーケットの有権者がオレンジ色と緑色の政党を選んだことで、特定の政治勢力に協力しない公務員が政治的な嫌がらせや異動の対象になっている可能性を示唆しています。
政治腐敗への透明性要求
チャルームポン議員は、アヌティン・チャーンウィーラクーン首相兼内務大臣に対し、プーケット県における影響力のある人物や汚職の透明性と誠実さを確保するよう強く求めました。公共の利益を守るべき公務員が、政治的な理由で不当な扱いを受けることは、タイの治安や行政の信頼を損なうことにつながります。


