タイ東北部のブリーラム県で、政府の省エネ政策による道路照明の消灯措置に対し、住民から安全性への強い懸念の声が上がっています。5月1日から始まったこの措置は、一部の区間で事故リスクを高めると指摘されており、地元当局は対応に追われています。タイの有力メディアKhaosodが報じたところによると、政府には再検討を求める声が上がっています。
省エネ政策と住民の安全
ブリーラム県高速道路局は、政府のエネルギー節約政策に基づき、5月1日より副次道路の一部で照明の消灯を開始しました。この措置は、交通量が少なく、コミュニティや危険なカーブがない「低リスク」と判断された4つの区間を対象に、一部は交互に、一部は完全に消灯する形で行われました。
しかし、消灯開始後すぐに、ある区間で住民から「事故の危険性が非常に高い」との声が寄せられました。これを受け、高速道路局は直ちに当該区間の照明を再点灯し、安全確保に努めています。他の区間では現時点での問題は報告されていませんが、今回の件は省エネと公共安全のバランスの難しさを浮き彫りにしています。
住民からの具体的な懸念と再検討の要求
ラムプライマート地区の住民ニッタヤー・コートウォンさんは、幹線道路での照明消灯に個人的に反対の意を示しています。彼女は、もともと照明が少ない場所では事故が頻繁に発生しており、消灯によってさらに事故のリスクが高まると指摘しています。
ニッタヤーさんは、政府や関係機関に対し、この措置の再検討を求めています。省エネ政策自体には賛成するものの、それが国民を危険にさらす形で行われるべきではないと強調しました。タイでは、都市インフラの整備が急速に進む一方で、地方部の交通インフラにはまだ課題が残されており、住民の安全確保は常に重要な課題となっています。
高速道路局の対応と今後の見通し
ブリーラム県高速道路局の主任電気技師であるスウィット・サローンラム氏は、同局が6つの副次道路で照明消灯を実施していることを説明しました。これらは、コミュニティや危険な交差点、交通量の多い場所を避け、反射材などの代替設備がある「低リスク」な区間に限定されています。
スウィット氏によると、消灯後に住民から危険性が指摘された一部の区間については、すでに照明が再点灯されています。その他の区間については、引き続き消灯を継続し、省エネ政策を推進していく方針です。今回の事例は、タイにおける地方の交通インフラ整備やエネルギー政策において、住民の意見をいかに反映させるかが重要であることを示唆しています。
今回のブリーラム県での道路照明消灯措置は、タイ政府が推進する省エネ政策の一環ですが、その実施には地域住民の生活や安全との間でデリケートなバランスが求められることを示しています。在タイ日本人にとって、地方都市を車で移動する際には、このようなインフラの状況に注意を払う必要があります。特に夜間の幹線道路では、予期せぬ照明の消灯により視界が悪くなる可能性があり、安全運転を心がけるとともに、最新の道路状況を確認することが重要です。
この問題は、タイ全体で進む都市開発やインフラ整備の文脈で捉えることができます。政府は持続可能性を追求しエネルギー効率を高める政策を打ち出していますが、地方においては交通インフラの質や住民の利用状況にばらつきがあるのが現状です。省エネと同時に、地方部の交通安全をいかに確保するかは、今後の都市計画やインフラ投資において、より一層の考慮が求められる構造的な課題と言えるでしょう。
- パノムルン歴史公園(ブリーラム県):クメール様式の壮大な寺院遺跡群。夜間ライトアップ時には美しい景観を楽しめます。
- チャン・アリーナ(ブリーラム県):タイ・リーグの強豪サッカークラブ「ブリーラム・ユナイテッドFC」のホームスタジアム。試合開催日は周辺が賑わいます。
- ブリーラム・ナイトマーケット(ブリーラム県):地元のグルメやお土産が楽しめる人気のナイトマーケット。夕方から多くの人で賑わいます。


