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バンコク不動産業界、政府に支援策延長を要請

※画像はイメージです(AI生成)

タイの不動産業界は、アヌティン政権に対し、住宅ローン規制(LTV)の緩和延長や譲渡・抵当権設定費用の軽減といった市場刺激策の継続を強く求めています。2026年上半期の市場が依然として低迷する中、業界団体は、来る6月末に期限を迎える現行の優遇措置の1年延長を期待しており、プラチャチャート・ビジネス・ニュースが報じました。

バンコク都市圏の不動産市場、依然として低迷

2026年最初の2ヶ月間、タイの不動産市場は中東情勢の影響を直接受けていないものの、依然として活気に欠ける状況が続いています。不動産情報センター(REIC)の調査によると、バンコクおよびその周辺地域での新規プロジェクトの発表は17%増加しましたが、不動産譲渡の総額は前年比8%減の539億3,000万バーツ(約2,696億5,000万円)となり、全ての価格帯で減少が見られました。これは、タイ経済全体が直面する課題、特に高い家計債務残高と消費者の購買力低下が背景にあると指摘されています。

LTV規制緩和の延長が市場回復の鍵に

住宅ビジネス協会名誉会長のイサラ・ブンヤン氏は、タイ中央銀行(BOT)によるLTV(Loan-to-Value)規制緩和の延長が不可欠であると強調しています。LTV規制は、住宅購入時に借り入れできる上限を定めるもので、緩和されれば経済全体のセンチメントを改善し、金融機関が事業者や消費者への融資承認を柔軟にすると期待されています。これにより、住宅を担保とする家計債務の負担軽減、不良資産(NPA)の管理・売却促進、中古物件市場の活性化、さらには買い替え需要の喚起にも繋がるとの見方です。

ブンヤン氏は、過去20年間で不動産供給が最低水準にある現状から、中央銀行がオーバーサプライを懸念する必要はないと主張。LTV緩和は、厳しい経済状況や生活費の上昇に直面する消費者と、慎重な事業展開を余儀なくされる事業者双方を支え、不動産および関連産業の継続的な発展を可能にするとしています。

中央銀行と財務省への具体的な要請

タイコンドミニアム協会会長のプラサート・テー・ドゥンヤサート氏によると、3つの主要な不動産協会は、2026年4月28日にタイ中央銀行総裁と会談し、LTV規制緩和の2027年6月30日までの1年間延長を要請しました。また、不動産権の賃貸期間を60年に延長する法律の改正、譲渡・抵当権設定費用の削減、土地税の減税については、財務省との協議が必要とされています。さらに、新政権に対し、外国人市場への対応を強化するための不動産構造改革に関する情報も提出されました。

グリーンエコノミー政策による不動産支援

住宅ビジネス協会会長のスントーン・スタポン氏は、副首相兼財務大臣に対し、不動産セクター向けのグリーンエコノミー施策を提案しました。これには、省エネ型プロジェクトの開発や住宅購入を支援するための財政措置が含まれています。具体的には、特定事業税を1.65%に引き下げ、土地税を50%減税、プロジェクト建設のための融資枠を70~80%に拡大、そして環境配慮型住宅購入のための特別金利設定などが挙げられています。これらの措置は、持続可能な発展を促しつつ、不動産市場を活性化させる狙いがあります。

タイ中央銀行がLTV規制を導入した背景には、過熱する不動産市場と家計債務の増大という構造的な課題がありました。しかし、市場が低迷する中で、規制緩和が一時的な救済策として求められている現状は、タイ経済が抱える構造的な課題、すなわち金融システムの安定性と消費者の購買力維持のバランスの難しさを示唆しています。特に、家計債務問題はタイ経済の成長を阻害する長期的なリスクとして認識されており、政府と中央銀行は慎重な舵取りを求められています。

在住日本人や日系企業にとって、これらの措置はバンコクなど都市部の不動産購入や投資の機会に直接影響を与える可能性があります。特に、LTV規制の緩和は住宅ローンを組みやすくし、不動産取得のハードルを下げるでしょう。また、譲渡・抵当権設定費用の軽減は、購入時の初期費用を抑えることにつながり、今後の不動産市場の動向はタイでの生活やビジネス計画に直結する重要な要素となるため、在住者はこの経済ニュースを注視する必要があるでしょう。

AsiaPicks 編集部
AsiaPicks 編集部
タイ・ベトナム・インドネシアの最新ビジネスニュースを日本語で毎日配信。現地メディアの一次情報をもとに、日系企業・駐在員の意思決定に役立つニュースを厳選してお届けします。
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