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ハノイ、建設廃棄物リサイクル法案で循環経済へ

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ベトナム政府は、建設現場から排出されるコンクリート、レンガ、石などの廃棄物のリサイクルを義務付ける法案を提案しています。この動きは、廃棄物を再利用可能な資源と見なし、循環経済への移行を加速させることを目的としており、VnExpressの報道によると、年内の国会審議が予定されています。

ベトナム、建設廃棄物リサイクル法案で循環経済を推進

ベトナム農業環境省は現在、環境保護法の一部を改正・補完する法案の意見募集を行っています。この法案は、廃棄物を再利用可能な資源と捉え、生産・消費サイクルに再投入する「循環経済」の方向で廃棄物管理規定をさらに充実させることを目指しています。

草案の第64条第5項によると、利用価値のある固形廃棄物は適切な目的にリサイクルまたは再利用されなければなりません。特に、建設活動から発生する土砂、石、コンクリート、レンガ、砂などの不活性廃棄物は、建設資材として、または特定の目的を持つプロジェクトや活動のための地盤埋め立て材として再利用が義務付けられます。

現行法が「建設活動からの土砂、石、固形廃棄物」と一般的に述べているのに対し、今回の新法案では、リサイクル・再利用が必要な建設廃棄物の種類がより具体的に明記されています。また、処理・リサイクル・再利用された廃棄物から製造される資材や製品の管理に関する規定も追加されており、政府は今後、製品における再生材の使用比率の適用ロードマップを規定する予定です。これは、再生材市場の形成と発展を法的に支援し、持続可能な生産と消費、そして循環経済の発展を促進するものと期待されています。

ハノイの解体現場から排出される建設廃棄物(写真:ファム・チエウ)

増大する廃棄物問題への対応

ベトナムでは、急速な経済成長と都市部への人口集中に伴い、廃棄物問題が深刻化しています。ハノイ市では、2025年には1日あたり約4,000トンの建設固形廃棄物と約5,000トンの生活廃棄物が発生すると予測されており、その処理は喫緊の課題となっています。このような背景から、今回の法案は、増大する廃棄物量を効率的に管理し、環境負荷を低減するための重要な一歩となります。

また、この法案は、廃棄物の発生、収集、運搬、リサイクル、処理を行う組織や個人に対し、廃棄物に関する電子データを環境情報システムおよびデータベースに提供・更新する責任を課しています。廃棄物管理活動は、電子伝票や電子受領書を含め、段階的にデジタル環境で実施されることになります。これにより、行政管理の近代化、透明性の向上、紙媒体の使用削減、そして発生から処理までの廃棄物の追跡可能性と監視能力の向上が期待されます。

地方自治体に柔軟な分別規定を導入

さらに、草案では生活固形廃棄物の分別に関する規定も柔軟に見直されています。全国一律のモデルを適用するのではなく、省級人民委員会が各地方の実際の状況に応じた分別方法を決定できるようになります。このアプローチにより、地方自治体はインフラ、処理技術、および地域内の廃棄物発生特性に合わせた最適な計画を主体的に選択することが可能になります。

また、生活固形廃棄物の収集、運搬、処理プロジェクトや施設の選定に関する規定も、入札法および国家予算法と整合性を持たせるよう修正が提案されており、実施プロセスにおける重複を避ける狙いがあります。これらの改正は、ベトナムが持続可能な開発目標(SDGs)達成に向けた国際的な取り組みに足並みをそろえるものと言えるでしょう。

今回のベトナムの法案は、急速な経済成長に伴う廃棄物問題の構造的な解決を目指すものです。特に、都市化の進展と建設ラッシュが続く中で、建設廃棄物の適切な処理と再利用は喫緊の課題となっています。この法案は、廃棄物を単なるゴミではなく「資源」として捉え直す循環経済へのパラダイムシフトを法制度として確立しようとするもので、JICAが東南アジア諸国で推進する廃棄物管理インフラ整備や循環経済への移行支援とも軌を一にする動きと言えるでしょう。これは、限られた資源の有効活用と環境負荷の低減を両立させるための、国家戦略としての長期的な視点に基づく重要な取り組みです。

この法案は、ベトナムに進出する日系建設企業や製造業にとって、新たなビジネスチャンスと同時に、対応すべき規制をもたらします。再生材の利用義務化や廃棄物データの電子管理は、サプライチェーン全体における環境配慮を強化するものであり、既存のビジネスモデルの見直しや新たな技術導入が求められる可能性があります。しかし、これは同時に、日本の高度なリサイクル技術や廃棄物管理ノウハウを持つ企業にとって、ベトナム市場での競争優位性を確立する機会ともなり得ます。環境規制への早期かつ積極的な対応は、現地での企業イメージ向上にも繋がり、持続的な事業展開の鍵となるでしょう。

AsiaPicks 編集部
AsiaPicks 編集部
タイ・ベトナム・インドネシアの最新ビジネスニュースを日本語で毎日配信。現地メディアの一次情報をもとに、日系企業・駐在員の意思決定に役立つニュースを厳選してお届けします。
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