ホームタイタイ産キャッサバ、重慶市場で躍進!中国向け輸出拡大と付加価値向上へ

タイ産キャッサバ、重慶市場で躍進!中国向け輸出拡大と付加価値向上へ

出典:元記事

タイのキャッサバ産業が中国市場で新たなビジネスチャンスを掴み、輸出の多角化と付加価値向上を目指しています。タイ商務省外国貿易局は、重慶市でタイ企業12社と中国企業34社の商談会を成功させ、特に動物飼料や加工澱粉分野での需要拡大を見込みます。Prachachat.netが報じたところによると、世界市場の変動にもかかわらず、タイ政府はキャッサバ製品の品質と競争力維持に注力しています。

キャッサバ輸出、数量減も価格は上昇

2026年1月から2月にかけて、タイのキャッサバ製品輸出は数量ベースで鈍化傾向を示しました。しかし、主要市場である中国の動物飼料産業からの需要や、新たな市場として台頭するサウジアラビアへの政策的後押しにより、輸出は支えられています。特に、ペレット、キャッサバチップ、生澱粉といった主要製品の平均輸出価格はそれぞれ2.98%、17.91%、13.31%と大幅に上昇しました。これは、市場が数量競争から付加価値競争へと移行していることを示唆しています。

中国・重慶で大型商談会を開催

外国貿易局のノッパドン・カンタマート副局長は、タイのキャッサバ関連企業12社を率い、中国・重慶市で34社の中国企業とのビジネス・マッチングを実施しました。この取り組みは、タイの高付加価値キャッサバ製品の中国市場へのさらなる参入機会を拡大することを目的としています。中国は年間約1,000万トンのキャッサバを必要としており、そのうち約600万トンをタイが供給しています。残りはカンボジアやベトナムからの輸入です。中国の主要な需要分野はエタノール、動物飼料、加工食品であり、特にエタノール産業は大規模な市場を形成しています。

今回の交渉は全体的に好意的な反応を得ましたが、輸送コストの上昇などにより価格交渉は難航しています。しかし、中国側はタイ製品への継続的な需要を表明しています。また、タイ政府は年後半に国内の4つの関連団体と協力し、中国一辺倒の市場依存を避けるため、日本市場開拓に続き、欧州や米国への加工澱粉市場拡大を加速させる予定です。

キャッサバ、中国の食料・エネルギー安全保障に貢献

中国では、エタノール産業でのキャッサバ利用が増加しており、今年は使用量が約15%増加すると報告されています。これは、タイの農産物がこの産業でさらに活用される機会を広げます。キャッサバはトウモロコシや小麦の代替品としてエネルギー源となるため、これらの穀物の価格が高騰した場合、中国はキャッサバの利用を増やす傾向にあります。これは、中国の食料安全保障戦略において、タイが重要な選択肢となる可能性を秘めていることを示します。タイのキャッサバは、中国の「国民経済・社会発展第15次5カ年計画」で重視されるエネルギー戦略と食料安全保障に貢献する重要な農産物です。

タイ産キャッサバの強みと課題

タイ産キャッサバの強みは、研究開発、生産技術、そして競合他社よりも多様な用途に対応できる能力にあります。特に澱粉とその加工製品においては、タイが依然として優れた潜在力を持っているとされています。同時に、タイはバイオケミカルやバイオプラスチックといったバイオ製品への転換も進めており、これはグリーン経済の流れに沿ったもので、新たな付加価値を生み出しています。しかし、課題としては、新鮮なキャッサバの根だけでなく、植物全体をより効率的に活用するための技術導入が急務です。イノベーション、機械化、産業としての発展を政府が支援する必要があります。

市場価格と2026年の輸出目標

現在、新鮮なキャッサバの根の価格は、前年の約1.80バーツ(約9円)/kgから約2.80バーツ(約14円)/kgに上昇しています。澱粉は約218ドル/トン、キャッサバチップは約220ドル/トンで取引されており、市場は高需要と供給不足の状態にあります。タイの生産量は約2,400万トンですが、総需要は約4,000万トンに達するため、不足分は近隣諸国からの輸入に頼っています。2026年の輸出目標は、2025年の820万トンという実績に対し、国境地域の不安定性や生産量の不確実性といったリスク要因を考慮し、600万〜700万トンと慎重に設定されています。

市場の多角化と品質維持の重要性

タイの農家と事業者は、市場での競争力を維持し、さらなる市場拡大を実現するために、製品の品質と基準を常に維持することが不可欠です。地域内の競合他国も同様の課題を抱えているため、タイが品質管理を徹底することで、優位性を保つことができます。今回のビジネス・マッチング活動は、タイ企業が中国の多様な産業におけるキャッサバの需要動向を把握し、ビジネスネットワークを構築し、市場ニーズに合った製品開発を進める上で重要な機会となりました。

タイがキャッサバを戦略的輸出品として位置づけ、中国市場への依存度を下げつつ、高付加価値化を進めていることは、タイ経済全体の構造転換を示唆しています。この動きは、日本の食品加工企業や化学メーカーがタイでのサプライチェーンを検討する際に、新たな調達先や協業の機会として捉えることができるでしょう。特にバイオプラスチックやバイオケミカル分野への進出は、環境規制が強化される中で日本企業にとっても魅力的な要素となります。

背景には、中国が「国民経済・社会発展第15次5ヵ年計画」で食料・エネルギー安全保障を重視し、キャッサバのような代替資源への需要を高めていることがあります。タイはこれに応えつつも、一国への集中リスクを避けるため、日本、欧米への市場分散を図っています。これはタイが、グローバルサプライチェーンにおける地政学的リスクを考慮し、経済安全保障の強化を意識していることの表れと言えます。

AsiaPicks 編集部
AsiaPicks 編集部
タイ・ベトナム・インドネシアの最新ビジネスニュースを日本語で毎日配信。現地メディアの一次情報をもとに、日系企業・駐在員の意思決定に役立つニュースを厳選してお届けします。
RELATED ARTICLES
- Advertisment -
Google search engine

Most Popular

Recent Comments