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タイがアジアのウェルネスハブへ!2028年に43兆円市場拡大の見込み

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タイのウェルネスツーリズム市場が急成長し、2028年には世界で43兆円規模に達する見込みです。コロナ禍以降、健康意識の高まりを背景に、タイはアジアのウェルネスハブとしての地位を確立しつつあります。この動向は、タイの主要経済メディアであるThe Thaigerの報道により明らかになりました。

急成長するウェルネスツーリズム市場

新型コロナウイルス感染症のパンデミック以降、人々の健康に対する意識は飛躍的に高まり、ウェルネスツーリズムが世界的に注目を集めています。Global Wellness Institute(GWI)の予測によると、世界のウェルネスツーリズム市場は2023年から2028年の間に年平均10.2%で成長し、2028年には1兆3,510億ドル(約43.3兆円)という巨大な市場規模に達すると見込まれています。

タイ国政府観光庁(TAT)の市場調査部門による「ウェルネスツーリズムとタイの機会」と題された詳細な調査では、特に北米とアジア太平洋地域がこの市場を牽引していることが示されています。現代社会において、身体的・精神的健康への関心が高まる中、ウェルネスツーリズムは急速な拡大を続けています。

「ウェルネス」「メディカル」「ヘルス」の違い

ウェルネスツーリズムは、スパ、タイ古式マッサージ、温泉、ヨガ、瞑想、デジタルデトックス、リトリート、健康的な食事プログラムなど、予防、回復、強化を目的とした身体、精神、魂の健康維持・促進を重視する旅です。これは、特定の病気の治療や専門的な医療サービス(慢性疾患治療、体外受精、臓器移植など)を目的としたメディカルツーリズムとは異なります。

また、ヘルスツーリズムは、ウェルネスとメディカルの両方を包含する概念で、健康診断、理学療法、減量プログラム、術後のリハビリ、デトックス、アンチエイジングプログラムなど、健康増進、病気予防、健康回復を目的とした旅行全般を指します。

ウェルネス旅行者は一般旅行者より高額を消費

ウェルネスツーリズムは、ウェルネス経済の重要な一部であり、個人の全体的な幸福を促進することを目的とした多岐にわたる商品やサービスを提供する経済システムです。ウェルネス経済の中でウェルネスツーリズムは4番目に大きな市場規模を持ち、2023年には8,302億ドル(約26.5兆円)に達しました。これは総旅行支出の7.8%を占め、2022年の6,372億ドルから増加しています。

注目すべきは、ウェルネスツーリストの支出額です。国際的なウェルネスツーリストは、1回の旅行あたり平均1,668ドル(約53,243円)を費やし、これは一般の旅行者よりも36%も高い水準です。国内ウェルネスツーリストも平均673ドル(約21,482円)を消費し、一般の国内旅行者より163%高い傾向にあります。これは、ウェルネスツーリズムが経済に大きな貢献をもたらす可能性を示唆しています。

タイがアジアのウェルネスハブへ

GWIの2024年報告書によると、ウェルネス経済の総額が高い国は、強固な医療・観光インフラと成長を促進する政策を持っている傾向があります。2024年のウェルネス経済規模トップ10は、アメリカ、中国、ドイツ、日本、イギリス、フランス、インド、カナダ、オーストラリア、イタリアです。タイは427.1億ドル(約13.7兆円)で24位にランクインしています。

タイには、スパ、タイ古式マッサージ、伝統医療、ヘルシーフード、そして豊かな自然という強力な強みがあります。これらの要素は、世界中から観光客を惹きつける重要な要因となっており、タイがアジアの「ウェルネスハブ」として注目されている理由です。次期熱海市観光基本計画や那覇市進出可能産業調査事業に見られるように、国内でも観光地が医療ツーリズムやイノベーションハブを目指す動きがあり、タイの取り組みは日本の観光業界にとっても参考になるでしょう。

ウェルネスツーリストの6つの主要ターゲット層

この調査では、年齢、ライフスタイル、収入、動機、特定の目的など、複数の側面からウェルネスツーリストを6つの主要グループに分類しています。これにより、事業者は市場のニーズに応じたサービスや旅行体験を開発できます。

  1. 健康意識の高い個人(Health-Conscious Individuals): 定期的な運動、栄養、健康食品に関心があり、病気治療よりも予防を重視する層。
  2. 若者・現役世代(Working Adults & Millennials): 都市生活や仕事のストレスから逃れ、リフレッシュ体験を求める層。日本の若年層が「リチャージ」目的で旅行頻度を上げる傾向とも重なります。
  3. 高齢者・退職者(Older Adults & Retirees): 健康管理、身体回復、アンチエイジングを求め、静かで長期的なリハビリサービスを求める層。
  4. 「人生のリブート」を求める人々(Life Reboot Seekers): ストレスや燃え尽き症候群を経験し、心身の回復やリセットの時間を求める層。
  5. プレミアムウェルネス旅行者(High Spending Wellness Seekers): 品質と特別なサービスに費用を惜しまず、時間と健康を価格よりも重視する層。認定された、または評判の高い施設を選ぶ傾向があります。
  6. 外国人旅行者(International Travelers): レジャーと健康管理を組み合わせた旅行を好み、現地の文化、ハーブ、タイ伝統医学に関心がある層。

編集部の視点

タイがアジアのウェルネスハブとして急速に台頭している背景には、単なる観光資源の豊富さだけでなく、パンデミックを経て世界的に高まった健康志向と、タイが持つ医療・ホスピタリティ産業の質の高さが構造的に結びついています。古くからのタイ古式マッサージや伝統医療、そして新鮮な食材を使ったヘルシーフード文化は、まさに現代のウェルネスニーズに合致しており、持続可能な観光地域づくりを目指す日本のDMO(観光地域づくり法人)にとっても、その文化資源を活かした戦略は学ぶべき点が多いでしょう。

このウェルネスツーリズムの拡大は、在タイ日本人やタイを訪れる日本人旅行者にとっても、新しい旅の選択肢を広げるものです。単なる観光だけでなく、日頃の疲れを癒やし、心身をリフレッシュする目的で滞在を計画する機会が増えるかもしれません。特に、伝統的なタイ式マッサージやハーブ療法といった、現地の文化に根ざしたウェルネス体験は、日本とは異なるアプローチで健康増進を図る貴重な機会となるでしょう。

AsiaPicks 編集部
AsiaPicks 編集部
タイ・ベトナム・インドネシアの最新ビジネスニュースを日本語で毎日配信。現地メディアの一次情報をもとに、日系企業・駐在員の意思決定に役立つニュースを厳選してお届けします。
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