タイのブリーラム県で、人気インフルエンサーの父親である元地方行政評議会議員が、総額1000万バーツ(約5000万円)に上る借金詐欺と米の買い取り詐欺の疑いで告発されました。この詐欺事件は、地元住民や農民が土地を失い、深刻な経済的苦境に陥る事態を引き起こしており、Khaosodが報じました。
元議員による広範な詐欺行為
2026年6月4日、ブリーラム県ムアン郡、プラコンチャイ郡、プラッププラチャイ郡の3つの郡から、村長や請負業者、農民など10名以上の被害者が集まり、詐欺被害を訴えました。彼らは、プラコンチャイ郡の元地方行政評議会議員(S.OBT.)である「ナイ・トン」(仮名)が、総額1000万バーツ(約5000万円)もの金銭をだまし取ったとして、警察に告発しました。
ナイ・トンは、自身のインフルエンサーの父親という立場を悪用し、複数の手口で人々を欺いていました。被害者らは、ナイ・トンが事業への投資名目で、土地を抵当に入れさせたり、農業銀行(BAAC)から融資を受けさせたりしたと証言しています。
巧妙な手口で農民を欺く
ナイ・トンの手口の一つは、米の買い取り詐欺でした。彼は、自身の米買い取り所を設置し、他の精米所や買い取り所よりも高い価格、具体的には1キログラムあたり1〜2バーツ(約5〜10円)、または1トンあたり1000〜2000バーツ(約5000〜1万円)高く買い取ると持ちかけました。さらに、1〜2週間待てば米の価格がさらに1トンあたり1000〜2000バーツ上昇すると唆し、支払いを遅らせました。
多くの農民は、長年の苦労と高い生産コストを考えると、少しでも高く売れることを望み、ナイ・トンの言葉を信じて米を売却しました。しかし、約束の支払い日になっても、ナイ・トンは「資金がまだ来ていない」や「融資がまだ承認されていない」などと「資金がまだ来ていない」と弁解し、支払いを拒否しました。中には、癌を患う母親の治療費を稼ぐために米を売った農民もいましたが、母親が亡くなるまでお金を受け取ることができなかったという悲劇も報告されています。
被害者の悲痛な訴えと警察への要請
被害者たちは、2023年から警察に届け出ていましたが、これまでのところ捜査に進展はなく、ナイ・トンは依然として自由な生活を送っています。一方で、騙された人々は土地を差し押さえられたり、銀行から訴訟を起こされそうになったりするなど、深刻な経済的苦境に陥っています。
ある村長は、ナイ・トンが温厚な話し方で、地域活動にも積極的に参加していたため信頼していたと語りました。2023年7月に4トンの米を売却し、7万バーツ(約35万円)以上を受け取るはずでしたが、結局支払いはありませんでした。母親の治療費のために米を売ったアピニャさん(仮名)も、4万バーツ(約20万円)の支払いを受けられず、警察に対し迅速な捜査と犯人の逮捕、そして被害者への返金を強く求めています。
総額700万バーツの被害と今後の捜査
請負業者の一人は、ナイ・トンから米買い取り事業への共同投資を持ちかけられ、自身の農地33ライ(約5.2ヘクタール)を抵当に入れて130万バーツ(約650万円)を渡し、さらに別の農地6ライ2ンガーン(約1ヘクタール)を担保に540万バーツ(約2700万円)の融資を受けさせられたと証言しています。ナイ・トンは赤字を理由に返済をせず、結果として請負業者は農地を失い、合計で約700万バーツ(約3500万円)を失いました。
プラコンチャイ警察署では、この件で合計5件の被害届が提出されており、うち3件が受理済みです。警察は現在、証拠を収集し、ナイ・トンを召喚して事情聴取を行い、法的手続きを進める方針です。タイの治安当局は、このような詐欺事件の撲滅に努めています。


