タイ中部パトゥムターニー県の寺院で、約8年前に信者から寄進された金製の仏像の頭部が、鑑定の結果ほとんど真鍮であることが判明し、大きな波紋を呼んでいます。ワット・ブンチュンチューの住職プラクルー・パトゥムプンヨーパートパイターン氏と寄進者のナコーン・カンタウリス氏が警察に民事・刑事両面での告訴を行い、地元メディアKhaosodが報じました。
偽物にすり替えられた金仏像頭部
2016年3月中旬、ワット・ブンチュンチューでは仏像の頭部と鐘の鋳造イベントが開催されました。この際、主要な寄進者であるナコーン・カンタウリス氏は、金45バーツ(約225グラム、約112万5千円)を寄付し、これが仏像の頭部に使用されることになっていました。鋳造作業は「タンヤミット・サンカパン」という業者に委託されましたが、同社はさらに別のチームに作業を下請けに出していたことが判明しています。
しかし、約8年後の2026年4月、寺院の土地拡張のための資金を捻出するため、この仏像の頭部を売却することが検討され、サラブリー県の宝石店で鑑定が行われました。その結果、仏像の頭部には金の含有率がわずか2.39%しかなく、ほとんどが真鍮でできていることが発覚。約50バーツ(約250グラム、約125万円)相当の金が、偽物とすり替えられていたという衝撃的な事実が明らかになりました。
事件発覚と警察への告訴
この事態を受け、ワット・ブンチュンチューの住職プラクルー・パトゥムプンヨーパートパイターン氏と寄進者のナコーン氏は、パクロンランシット警察署を訪れ、民事・刑事両面での告訴状を提出しました。警察は事件の報告を受け、証拠として記録。今後、関係者から事情聴取を行い、金の紛失時期や実際の犯人を特定するための捜査を本格化させる方針です。
住職は、仏像の頭部が鋳造後に自身の僧坊に保管され、鍵も自分しか持っていなかったと証言しており、内部犯行の可能性も視野に入れられています。この事件は、タイの寺院における献金や寄付の管理体制に対する信頼問題として、タイ社会に一石を投じています。
寄進者の証言と今後の捜査
寄進者のナコーン氏は、自身が寄付した金45バーツは、バンコクのヤワラート地区にある金店とランシット地区のデパートにある金店で購入したものであることを警察に証言しました。警察は、鋳造を請け負ったタンヤミット・サンカパン社や、実際に作業を行った下請けチームのメンバーなど、全ての関係者から徹底的に事情を聞き、事件の全容解明を目指します。タイにおけるこのような詐欺事件は、特に観光客も訪れる寺院での献金において、今後のタイの治安や安全に関する懸念材料となる可能性もあります。


