タイ東北部のナコーンラーチャシーマー県で4月16日、季節の嵐が猛威を振るい、パクタムチャイ郡で20軒以上の住宅が損壊し、クラブリ郡の病院も被害を受けました。この嵐は同日午後3時頃に発生し、甚大な被害をもたらしたものの、幸いにも人命に関わる負傷者はありませんでした。地元メディアKhaosodが報じています。
ナコーンラーチャシーマー県を襲った嵐
4月16日午後3時頃、ナコーンラーチャシーマー県パクタムチャイ郡を中心に季節の嵐が襲来しました。これにより、20軒以上の家屋が屋根を吹き飛ばされるなどの甚大な被害を受けました。特にタムボン・ボーパートーンのムアン7では、チャン・ヤンチンプリーさん(56歳)の家屋が全壊しました。
ノン・スーン・チャルームプラキアット郡の僧侶であるクルー・ウィルーン・タンマタット師は、被害状況を知り現地を訪れ、被災者に対して必要な物資があれば支援を申し出ました。関連当局もすでに現地に入り、被害状況の調査を開始し、今後の支援に向けて情報収集を行っています。
住民の証言と農業への影響
タムボン・スックカセームに住むター・リアムプロムラートさん(60歳)の家屋も同様に屋根が損壊する被害を受けました。ターさんは「60年以上生きてきて、これほど強力な嵐は初めてだ」と語り、霧のような巨大な風の塊が急速に押し寄せ、屋根を完全に吹き飛ばしたと証言しています。家族は、被害を受けなかった近隣の親戚の家に避難しました。
当局による調査は行われましたが、現時点では補償に関する詳細は未定とのことです。また、約2〜3ライ(約3200〜4800平方メートル)のバナナ園も壊滅的な被害を受け、バナナの木がすべて倒壊。これにより、農家は予期せぬ損失を被ることになりました。タイでは気候変動の影響で、洪水や干ばつ、熱波などの自然災害が増加傾向にあり、特に農村地域は脆弱性が高いとされています。
クラブリ病院への被害
ナコーンラーチャシーマー県クラブリ郡にあるクラブリ病院でも被害が発生しました。シャラウット・ホンイム病院長は、ルアン・プー・ニン・イッサリコー病棟の被害状況を調査。樹齢数百年の巨大な木の枝が折れ、建物の屋根を突き破りました。被害を受けたのは、慢性病患者の薬の調剤・配布場所と医師の休憩室の3部屋でした。
幸いにも、発生当日はソンクラーン休暇中で患者や職員がいなかったため、負傷者は出ませんでした。この病棟は通常、毎日70〜80人の患者が診察に訪れる場所であり、職員の休憩室も併設されています。
病院の復旧と今後の対策
シャラウット病院長は、「ソンクラーン休暇中だったのが不幸中の幸い」と述べ、人命に関わる被害がなかったことを強調しました。病院は、破損した屋根や天井、そして一部損壊した家具などの迅速な修復を計画しており、できるだけ早く通常業務に戻せるよう努めるとのことです。
また、病院はナコーンラーチャシーマー県地方行政機構(OrBorJor)に連絡し、病院敷地内の木の枝の剪定を依頼しました。再発防止策を講じる方針で、今後同様の事故が起きないよう安全対策を強化するとしています。
災害対策と注意喚起
地元当局は引き続き追加の被害調査を進め、被災者への緊急支援を準備しています。ナコーンラーチャシーマー県では、今後も季節の嵐が発生する可能性があるため、住民に対し気象予報に注意を払い、安全対策を徹底するよう呼びかけています。タイの治安や旅行時の安全を考慮する上で、このような自然災害への備えは重要です。防災・減災への取り組みが地域社会のレジリエンス(強じん性)を高めることにつながります。


