タイ北部チェンライ県で、国境を越えた採掘活動による河川汚染が深刻化しており、現地の河川保護ネットワークが中国大使に対し、現地視察を要請しました。このネットワークは、タイのアヌティン・チャーンウィーラクーン首相に対しても、この問題を国家の優先事項として扱い、より強力な政府の対応を求める書簡を提出したとBangkok Postが報じています。
チェンライの深刻な河川汚染問題
タイ北部チェンライ県では、ミャンマーやラオスとの国境沿いの河川で、劣悪な規制下にある採掘活動に起因する重金属汚染が大きな懸念となっています。地域住民は、これらの採掘活動が飲料水源や生活に不可欠な河川に、ヒ素、鉛、カドミウムなどの有害物質を流出させていると非難しています。
中国大使への訪問要請とタイ政府への訴え
「メーコック、メーサイ、ルアック、メコン、サラウィン河川保護のための地域コミュニティネットワーク」は、世界環境デーに合わせて、中国の張建偉(ジャン・ジエンウェイ)大使にチェンライへの訪問を要請しました。これは、大使館が汚染された河川の水質が安全基準内にあると示唆した発言を受けてのものです。また、アヌティン首相に対しては、この問題を国家優先事項とし、ミャンマーやラオスとの共有河川における汚染対策を強化するよう求める書簡が提出されました。
汚染源と環境への影響
ネットワークによると、ミャンマーとラオスで行われている採掘活動は、タイに流れ込む国境を越える河川に有害物質が蓄積される原因となっています。これらの地域では、環境規制が不十分なまま採掘が行われていることが、住民の健康や生態系に深刻な影響を与えています。特に、水中の重金属汚染は、住民の健康問題や、地域経済を支える漁業、観光業にも悪影響を及ぼしています。
具体的な要求事項と今後の課題
ネットワークはアヌティン首相への書簡の中で、汚染された河川への対応を監督する国家委員会の設置を求めました。さらに、ミャンマー、中国、および採掘貿易に関わる自治地域とのより強力な連携を要求しています。また、ミャンマーからタイを経由して中国へ輸送されるレアアースなどの産業鉱物の輸送停止も提案されました。その他の提案には、影響を受けるコミュニティへの代替の清潔な水の提供、水や河川堆積物中の重金属汚染に対する監視の強化、水生食品の安全性への懸念により事業に影響を受けている水上レストラン事業者への補償が含まれています。タイ国内の安全な水資源確保は、国民生活の基盤であり、喫緊の課題となっています。


