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タイ・バンコクでエビ農家が抗議、価格暴落とマレーシア禁輸で政府に支援要求

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タイ全国のエビ養殖業者がバンコクで抗議活動を実施し、政府に緊急支援を求めています。マレーシアによるタイ産エビの輸入禁止措置と歴史的な価格暴落に直面し、生産コストを下回る深刻な状況が背景にあるとカオソッドが報じています。

エビ価格の歴史的暴落とマレーシア禁輸の打撃

タイ南部トラン県の元水産養殖協同組合代表であるマニット・インタートンパン氏は、今年のエビ養殖業者が過去に例を見ないほどの苦境に立たされていると述べました。以前は価格が低くても買い手はいたものの、現在は養殖はできても買い手が見つからず、この状況が約2ヶ月続いています。

特に深刻なのが、マレーシアが6月1日からタイ産エビ5種類の輸入を禁止したことです。これにより、トラン県、サトゥーン県、ソンクラー県などタイ南部地域のエビ養殖業者は壊滅的な打撃を受けています。南部地域のエビは主にマレーシア市場に輸出されており、年間約8,000トン、金額にして約20億バーツ(約100億円)の市場が失われたことになります。

この禁輸措置により、タイのエビ販売は事実上ゼロとなり、養殖業者だけでなく、シャコエビなども含まれるため、海洋漁業者にも影響が及んでいます。この事態を受け、政府に対し緊急かつ迅速な問題解決を強く訴えています。

生産コスト割れの現状と全国への影響

現在のエビ価格は、例えば50匹/kgで130バーツ(約650円)と、昨年の150バーツ(約750円)から大幅に下落しており、生産コストの150バーツ(約750円)を大きく下回っています。さらに、70匹/kgではわずか100バーツ(約500円)、60匹/kgでも125バーツ(約625円)となっており、しかも買い手が見つからない状況です。この価格下落は、長期的にはタイ南部上部、中部、そして全国のエビ養殖業者に波及し、システム全体に影響を及ぼすことが懸念されています。

政府への具体的な要求と政治的背景

タイのエビ養殖業者ネットワークと連盟は、5月31日に首相に対し嘆願書を提出しました。そして、6月4日には全国のエビ養殖業者ネットワークが水産局長と面会し、農業協同組合大臣に宛てた嘆願書を提出する予定です。

彼らが政府に求める短期的な支援策としては、国内でのエビ消費促進キャンペーンや、エビ1kgあたり20バーツ(約100円)の補助金があります。この補助金は過去にも実施され、効果があった実績があります。

また、長期的には、稚エビの価格、電気代、調理用ガス代などの生産コストや生産要素、そして明確な市場確保を含む、エビ養殖システム全体の構造改革を求めています。

現在の農業協同組合大臣がプアタイ党出身であることに対し、特に南部の農民からはアクセスしにくいとの不満が上がっています。南部地域にプアタイ党の国会議員がいないため、政府が地域の課題に「ニュートラルな姿勢」を取り、農民の問題にあまり関心を払っていないと感じているようです。これは、どのグループの農民も容易にアクセスでき、頻繁に現場を訪問していたタマナット・プロムパオ元農業大臣の時代とは対照的だと指摘されています。

プアタイ党に対し、これは政治問題ではなく、農民の生活に直結する食料問題であり、南部やエビ養殖業者だけの問題ではなく、国家レベルの課題であると訴えています。かつてタイは世界一のエビ輸出国でしたが、現在は6位に転落しており、経済的損失は甚大です。農業協同組合大臣に対し、問題がさらに拡大する前に迅速な解決策を講じるよう強く要求しています。

タイのエビ産業が直面する今回の危機は、国際市場の変動と国内の農業政策の脆弱性を浮き彫りにしています。タイ経済は製造業や観光業の発展により多様化が進み、農業がGDPに占める割合は1割未満ですが、多くの地方住民の生活の基盤であり続けています。特にエビのような輸出依存度の高い農産物の場合、主要な貿易相手国の方針転換や国際的な競争力低下が、サプライチェーン全体、ひいては地方経済に甚大な影響を及ぼす構造的問題を抱えています。

このエビ価格暴落と輸出停止の問題は、在住日本人や日系企業にとっても無関係ではありません。タイ国内の主要産業の不安定化は、物価上昇圧力や消費市場の縮小につながる可能性があり、タイ経済全体の健全性に影響を与えます。また、政府の農業政策の対応や、地域間の政治的配慮の有無は、今後のタイの経済運営におけるリスク要因として捉えるべきでしょう。安定した経済環境を維持するためには、農業部門の持続可能性を確保する政策が不可欠です。

AsiaPicks 編集部
AsiaPicks 編集部
タイ・ベトナム・インドネシアの最新ビジネスニュースを日本語で毎日配信。現地メディアの一次情報をもとに、日系企業・駐在員の意思決定に役立つニュースを厳選してお届けします。
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