ホームタイナラティワート、1.77億バーツの放置スタジアム問題が政治的争点に

ナラティワート、1.77億バーツの放置スタジアム問題が政治的争点に

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ナラティワート県の1億7,700万バーツ(約8億8,500万円)を投じたサッカー場建設プロジェクトが長年放棄されている問題に対し、タウィー・ソートソン下院議員が現地を視察し、観光・スポーツ大臣に迅速な対応を促しました。このプロジェクトは請負業者の放棄と行政機関間の紛争により停滞しており、Khaosodが報じたところによると、地域住民は標準的な競技場の完成を強く望んでいます。

ナラティワートの放置された1.77億バーツのサッカー場

2026年5月31日、下院法務・司法・人権委員会顧問でありプラチャーチャート党党首でもあるタウィー・ソートソン下院議員は、ナラティワート県を訪問しました。同氏は、最近タイリーグ2への昇格を果たした地元サッカーチーム「ナラ・ユナイテッド」の功績を称え、地元住民と共に祝福の意を表しました。

その後、タウィー議員は長らく放置されているナラティワート県行政機構(PAO)のサッカー場建設現場を視察しました。このプロジェクトは1億7,700万バーツ(約8億8,500万円)もの予算が投じられながら、請負業者の放棄と行政機関間の紛争により、長期間にわたり未完成のまま放置されています。

長期化する建設中止と行政間の紛争

このプロジェクトは、タイスポーツ庁(SAT)が推進する「一県一スポーツ施設」構想の一環として、2010年に開始されました。しかし、2012年から2015年にかけて実施された第2フェーズの建設において、運輸省高速道路局が請け負っていた部分で問題が発生しました。請負業者が途中で工事を放棄したため、プロジェクトは中断。その後、関係機関間で訴訟が提起され、事態は長期化しました。最終的に、タイスポーツ庁は2024年8月22日に高速道路局との覚書(MOU)を解除しました。

この種の公共事業における請負業者の放棄や行政機関間の紛争は、タイのインフラ整備においてしばしば見られる課題です。特に地方のプロジェクトでは、中央政府と地方政府、あるいは異なる省庁間での調整不足や責任の所在が不明確になることで、計画が遅延・中止に至るケースが指摘されています。

標準的な競技場不足と地域住民の期待

タウィー議員は、南部3県(パッターニー、ナラティワート、ヤラー)のサッカーチームが近年目覚ましい活躍を見せ、上位リーグに昇格しているにもかかわらず、「標準的なサッカー場が圧倒的に不足している」と指摘しました。同議員は、このスタジアムが完成すれば、地域経済の活性化と住民の結束に繋がるとして、その重要性を強調しました。

このスタジアム建設は、かつてバンハン・シラパアーチャ元首相が提唱し、グーセン・ヤーウォーハサンPAO会長が引き継いだもので、多額の予算が投入されています。タウィー議員によると、PAOが担当するトラック、フィールド、一部の観客席は完成しているものの、残りの観客席は高速道路局ランプーン建設センターが担当しており、この部分の工事が停滞しているとのことです。

問題解決への政治的働きかけ

タウィー議員は、これまでに多くの閣僚が解決を約束してきたにもかかわらず、法的な問題や訴訟が障害となっている現状を打開するため、カモンサック・リーワーマ下院議員(プラチャーチャート党、ナラティワート選出)と共に、この問題を下院委員会に付託することを表明しました。これにより、関係する全ての機関を招集し、迅速な解決策を見出す方針です。

特に、9月の新シーズンに間に合わせることを目指し、残りの工事に必要とされる追加予算がそれほど多くないことを強調しました。

さらにタウィー議員は、6月12日にナラティワート県を訪問する観光・スポーツ大臣に対し、ワッチャラ・ヤーウォーハサン下院議員(ナラティワート選出)を通じて、この問題を最優先課題として取り組むよう要請しました。同議員は、「サッカーは経済と観光を活性化させ、何よりも仏教徒、イスラム教徒、あらゆる宗教の住民が同じチームを応援することで、政治的イデオロギーの違いを超えて地域社会の結束を深める」と述べ、このプロジェクトが住民の心を掴む大きな機会であると訴えました。

昨日の試合には数万人の観客が訪れましたが、スタジアムの不備により数千人が入場できなかったといい、タウィー議員は「残りの工事を完了させれば、莫大な住民の支持を得られる。予算は既にあり、残された障害を取り除くだけだ」と結びました。

タイの公共事業、特に地方におけるインフラプロジェクトは、今回のような請負業者の放棄や関係機関間の調整不足により、長期にわたって停滞することが少なくありません。これは、中央集権的な行政システムにおける縦割り行政の弊害や、プロジェクトの企画・実施段階におけるガバナンスの欠如、さらには汚職や不正が背景にある可能性も指摘されています。多額の予算が投じられながらも完成しない施設は、税金の無駄遣いであるだけでなく、地域住民の期待を裏切り、開発の機会を奪うことになります。

このナラティワート県の事例は、地方開発における課題を浮き彫りにしています。標準的なスポーツ施設の不足は、地域住民の生活の質を低下させるだけでなく、若者の健全な育成機会を奪うことにも繋がりかねません。在住日本人や日系企業がタイの地方に進出する際も、インフラ整備の状況や公共事業の進捗には注意を払う必要があります。サッカーを通じた地域活性化は、政治的・宗教的対立が根深い南部地域において、住民の融和と結束を促す重要な手段となり得るため、政府には迅速かつ透明性のある対応が求められます。

AsiaPicks 編集部
AsiaPicks 編集部
タイ・ベトナム・インドネシアの最新ビジネスニュースを日本語で毎日配信。現地メディアの一次情報をもとに、日系企業・駐在員の意思決定に役立つニュースを厳選してお届けします。
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