ホームタイタイ金相場が大幅下落、米イラン情勢が影響

タイ金相場が大幅下落、米イラン情勢が影響

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2026年5月28日、タイの金価格が前日比1,250バーツ(約6,250円)もの大幅な下落を記録しました。宝飾用金は1バーツあたり68,800バーツ(約344,000円)となり、世界的な地政学的リスクと米連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策が市場に影響を与えていると、タイ金商協会が発表しました。

タイ金相場の急落:背景と現状

タイの金価格は、2026年5月28日に前日比1,250バーツ(約6,250円)の急落を見せました。この動きは、世界的な金価格が9週間ぶりの安値に達したことを反映しています。タイ金商協会(Gold Traders Association)の発表によると、宝飾用金の売り出し価格は1バーツあたり68,800バーツ(約344,000円)、金塊の売り出し価格は68,000バーツ(約340,000円)となりました。

ドル高とFRBの金融政策が金価格を圧迫

金価格下落の主要因の一つは、ドル指数(DXY)の継続的な上昇です。ドル高は、ドル建てで取引される金の魅力を相対的に低下させます。また、米連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策も市場に大きな影響を与えています。

ミネアポリス連銀総裁は、利上げの時期を予測するのは時期尚早としながらも、インフレリスクの抑制に注力する必要があると指摘。これにより、市場ではFRBがインフレ抑制のために金利を引き上げる可能性が意識され、金価格への下押し圧力が強まりました。一般的に、金利上昇は金利を生まない金投資の機会費用を高めるため、金価格にはマイナスに作用します。

米イラン情勢の緊張が市場に影を落とす

地政学的リスクも金価格の変動要因として挙げられます。特に米国とイラン間の緊張が再び高まっていることが、市場の不確実性を増幅させています。ホワイトハウスが、米イラン間の秘密の覚書(MOU)に関するイランメディアの報道を全面的に否定したことで、両国間の関係改善への期待が後退しました。

この報道は、イランがホルムズ海峡の封鎖を解除する代わりに、米国がイラン近郊からの軍撤退や海上封鎖の解除を行うという内容でしたが、米国側はこれを「でっち上げ」と断じました。このような地政学的リスクの長期化は、通常、安全資産とされる金にとってはプラス要因となることもありますが、今回はFRBの金融引き締め懸念がより強く作用し、下落につながっています。

専門家による市場分析と今後の見通し

タイの金取引大手ホアセンヘン(Hua Seng Heng)は、ドル指数の上昇と米イラン情勢の不確実性が金価格の重荷になっていると分析しています。また、MTSゴールド(MTS Gold)も、世界的な金価格が4,400ドル台に下落し、タイ国内の金価格も68,400バーツ(約342,000円)まで下がったと報告。FRBの利上げ懸念が続く中、市場の不安定な状況はしばらく続くとの見方が示されています。

世界の金ETFであるSPDRゴールドファンドの保有量は、直近で大きな変化はなく、1,034.85トンを維持しています。しかし、今年に入ってからは累計で37.13トンを売却しており、投資家の金に対するスタンスが変化している可能性も示唆されます。

タイ国内の金価格詳細

2026年5月28日のタイ金商協会の発表(25回目)によると、タイ国内の金価格は以下の通りです。

  • 金塊:買い取り価格 67,800バーツ(約339,000円)、売り出し価格 68,000バーツ(約340,000円)
  • 宝飾用金:買い取り価格 66,446.28バーツ(約332,231円)、売り出し価格 68,800バーツ(約344,000円)

この日のうちに複数回の価格改定が行われ、市場の変動性の高さが浮き彫りになりました。

この金価格の変動は、タイ経済の不安定性を示す一つの指標と捉えられます。在住日本人や日系企業にとっては、資産運用や事業計画において為替変動リスクだけでなく、国際情勢に起因する貴金属価格の変動も考慮に入れる必要性が高まっています。特に、タイバーツと金価格の連動性や、ドル建て資産との比較検討は、資産保全の観点から重要性を増すでしょう。

過去のアジア通貨危機(1997年)がタイ経済に与えた影響を鑑みると、現在の国際金融市場の不安定要素は看過できません。当時は投資の急速な減速を招きましたが、現在もFRBの金融政策や地政学的リスクが金価格に影響を与えることは、タイ経済全体への潜在的なリスクとなり得ます。通貨の安定性やインフレ動向を注視し、多角的な視点から経済状況を把握することが求められます。

AsiaPicks 編集部
AsiaPicks 編集部
タイ・ベトナム・インドネシアの最新ビジネスニュースを日本語で毎日配信。現地メディアの一次情報をもとに、日系企業・駐在員の意思決定に役立つニュースを厳選してお届けします。
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