ベトナムのホーチミン市とロンタイン空港を結ぶ移動時間が、2027年までに30分に短縮される見通し。これは、複数の高速道路や環状道路の整備が完了することによるもので、建設省幹部が国会の監視会議で言及しました。VnExpressが報じています。
ホーチミン・ロンタイン間の交通渋滞が深刻化
ベトナム政府建設省のレ・アイン・トゥアン次官は5月14日の国会監視会議で、ホーチミン市とロンタイン空港間の交通接続プロジェクトについて報告しました。国内最大級のロンタイン空港は年内に一部運用を開始する予定ですが、空港とホーチミン市間の交通接続が最大の課題となっています。
現在、両地域間の移動は主にホーチミン-ロンタイン高速道路、国道1号線、51号線を利用していますが、交通渋滞が頻繁に発生し、移動に多くの時間を要している点が深刻な問題です。経済成長と都市化が急速に進むホーチミン市では、交通渋滞が激しく、インフラ整備が急務とされています。
複数の高速道路プロジェクトが2027年までに完了
トゥアン次官によると、この交通問題は複数の主要インフラプロジェクトの完了によって大きく改善される見込みです。例えば、ビエンホア-ブンタウ高速道路は、ロンタインジャンクションからブンタウまでの区間がすでに暫定開通しており、5月中には全線開通する予定です。
さらに、ホーチミン市環状3号線は6月までにほぼ完成し、供用開始される見込みです。ベンルック-ロンタイン高速道路も9月までの全線開通に向けて建設が加速しています。そして、現在4車線から8〜10車線への拡張工事が進められているホーチミン-ロンタイン-ザウザイ高速道路は、2027年6月までに完了する予定です。
トゥアン次官は、「これら一連のプロジェクトが完了すれば、ホーチミン市中心部からロンタイン空港への接続時間は約30分にまで短縮されるだろう」と述べ、ホーチミン市とドンナイ省を結ぶこれらの路線が、空港利用客の約75%の移動を担う鍵となると強調しました。
ロンタイン空港の建設進捗と課題
ロンタイン空港は2021年初頭に着工され、総投資額は約160億米ドル(約2兆5600億円)に上ります。ベトナム空港公社の提案によれば、2027年までに空港はホーチミン市周辺の国際線利用客の大部分を受け入れる計画です。
ロンタイン空港プロジェクト管理委員会のブー・ファム・グエン・アン所長は、主要な工事パッケージは2026年末までの完了を目指して工程が再調整されたと説明しました。輸入設備の約95%がすでに現場に搬入されており、そのうち80%が設置済みです。
しかし、旅客ターミナル建設では約3,000人の技術者と作業員が従事しているものの、必要な人材の約40%が不足しているとされており、今後の進捗に影響を与える可能性も指摘されています。
ホーチミンとドンナイを結ぶ鉄道計画も進行中
道路網の整備に加え、ロンタイン空港と周辺地域を結ぶ鉄道プロジェクトも進められています。トゥーティエム-ロンタイン線やスイティエン-ビエンホア-ロンタイン線などの鉄道投資手続きが、各地方政府によって推進されています。
ホーチミン市からロンタイン空港まで30分で接続するという目標は、今年2月に開催されたホーチミン市での会合で、トー・ラム共産党書記長兼国家主席が関連部署に指示した重要な課題です。ベトナムでは高い経済成長に伴う都市化が進んでおり、ハノイやホーチミンなどの主要都市圏での交通インフラ整備は国家経済戦略の中心に据えられています。
今回のニュースは、ベトナム政府がホーチミン市を国際的な経済ハブとしてさらに強化しようとする強い意志の表れと解釈できます。ロンタイン空港を新たな玄関口とし、そのアクセス性を飛躍的に向上させることは、貿易や投資の効率化、ひいてはベトナム全体の経済成長に直結する戦略です。JICAなどの支援も受けて進められているホーチミン都市鉄道計画など、同国のインフラ整備の積極的な姿勢と整合しています。
在住日本人や日系企業にとっては、ロンタイン空港へのアクセス改善は、ビジネスにおける移動時間の短縮や物流コストの削減に繋がり、大きなメリットをもたらすでしょう。しかし、旅客ターミナル建設における人材不足の報道は、今後のプロジェクト進捗における潜在的なリスクを示唆しており、予定通りの開港・運用開始に向けては、引き続き注視が必要です。ベトナムの建設業におけるBIM導入加速など、効率化への取り組みも進んでいますが、労働力確保は依然として課題と言えます。


