ホーチミン市の歴史的建造物「ホーチミン博物館 – ベンニャーロン」の改修プロジェクトが開始されました。1.4ヘクタールの敷地で行われるこの大規模な改修は、ベトナムの独立記念日である9月2日の完成を目指しています。地元メディアVnExpressが報じたところによると、これは20兆ドン(約1,200億円)規模の港湾整備プロジェクトの一環です。
ホーチミン市の歴史を刻むベンニャーロンの改修
ホーチミン博物館 – ベンニャーロンは、フランス植民地時代の1863年に建設され、ベトナムの英雄ホー・チ・ミン主席が1911年に救国の道を求めて旅立った場所として知られています。かつてはサイゴン(現在のホーチミン市)の賑やかな海上貿易の玄関口として栄え、その歴史的価値から現在は博物館として活用されています。
この改修プロジェクトは、建物の歴史的価値を尊重しつつ、現代的な展示機能を強化することを目的としています。特に、フランス植民地時代の建築様式を維持しつつ、新たな観光名所としての魅力を高めることが期待されています。
東西文化が融合したユニークな建築様式
ベンニャーロンの建物は、長方形の平面を持ち、サイゴン川とベンゲー運河の合流点に位置しています。厚いレンガの壁と傾斜した瓦屋根が特徴の2階建てで、熱帯気候に適した構造です。当初、屋根には「双龍が月を拝む」モチーフの青い釉薬を施したテラコッタ製の龍の装飾があり、これが「ニャーロン(龍の家)」という名前の由来となりました。
1871年には、この龍の装飾がフランスの海運会社メサジェリー・マリタイムのシンボルに置き換えられましたが、1955年以降には再び新しい龍が設置され、現在に至るまでその美しい建築様式をほぼ維持しています。アーチ型の窓や長い廊下など、西洋建築の影響が色濃く残るデザインは、多くの観光客を魅了しています。
ホー・チ・ミン主席の生涯を伝える博物館
博物館内部は、ホー・チ・ミン主席の生涯と革命活動に関するテーマ別の展示室に改装されていますが、建物の基本的な構造は建設当初のまま保持されています。ここには、数百点に及ぶ遺物や写真、資料が保管されており、訪問者はベトナムの独立運動の歴史を深く学ぶことができます。
特に、アミラル・ラトゥーシュ・トレヴィル号の模型や、かつてのベンニャーロン港の大きな写真などが展示されており、その歴史的な瞬間を追体験することができます。博物館は、毎年4月30日(南部解放記念日)や独立記念日などの祝祭日には、特に多くの来館者で賑わいます。
周辺の歴史スポットと観光への期待
ベンニャーロンの対岸には、1865年に建設されたトゥーグー旗竿があります。高さ約40メートルで、かつては水上交通の信号として利用されていました。この旗竿もまた、歴史的建築物として保存されており、サイゴンのかつての貿易港としての記憶を今に伝えています。改修後のベンニャーロンは、より多くの国内外の観光客を呼び込み、ホーチミン市の主要な観光名所としての地位をさらに高めることが期待されています。
ホーチミン市におけるベンニャーロンの改修は、単なる建築物の修繕以上の意味を持っています。フランス植民地時代の建築様式を保ちながら、ベトナムの独立とホー・チ・ミン主席の功績を伝える重要な役割を担うこの施設は、国のアイデンティティを象徴する存在です。歴史的建造物の保存と活用は、単なる観光資源としてだけでなく、市民の愛国心や文化意識を育む上でも不可欠であり、ベトナム政府が力を入れていることが伺えます。
ホーチミン在住の日本人や観光客にとって、この改修は街の魅力を再発見する絶好の機会となるでしょう。新しくなった博物館は、より洗練された展示と快適な空間を提供し、ベトナムの歴史と文化に触れる貴重な体験を提供してくれます。また、サイゴン川沿いの美しい夜景とともに、歴史的な雰囲気を楽しめるホーチミンのおすすめ観光スポットとして、さらに人気を集めること間違いなしです。
- ホーチミン博物館 – ベンニャーロン(Bến Nhà Rồng): 歴史と建築美が融合した、ホーチミン観光の必訪スポットです。
- トゥーグー旗竿(Cột cờ Thủ Ngữ): ベンニャーロンの対岸に位置し、サイゴン港の歴史を感じさせるランドマークです。
- サイゴン川クルーズ: 夜にはライトアップされたベンニャーロンやトゥーグー旗竿を川から眺めることができ、ロマンチックなひとときを過ごせます。


