カンボジアでオンライン詐欺に関与した疑いのあるタイ人635人が、タイ・サケーオ県の国境検問所を通じて送還されました。タイ当局は、帰還者一人ひとりを対象に、被害者と加害者の選別を厳格に行う方針です。この大規模な送還は、バンコクポストが報じたところによると、両国間の犯罪対策協力の一環として実施されました。
カンボジアからの大規模送還、サケーオ県に到着
タイ・サケーオ県のアランヤプラテート地区にあるクローンルック国境検問所には、カンボジアからオンライン詐欺に関与したとされるタイ人635人が送還されました。全員が国境に面したロンクルア市場の向かいにある、13階建ての双子ビル「ビルディングF」で働いていたとされています。
送還されたタイ人のうち592人はパスポートを所持していましたが、残りの人々はビザ延長のためにパスポートを提出していたとのことです。
当局による厳格な選別と捜査の開始
タイ当局は、帰還者全員に対し、詐欺の被害者であったのか、それともオンライン詐欺に積極的に加担していたのかを判断するためのスクリーニングを実施します。この選別プロセスは広範囲にわたり、一人あたり70〜80の質問に答えることが求められます。
また、当局は各帰還者の犯罪歴のチェックを行い、未解決の容疑がないかを確認します。これにより、国境を越えた詐欺ネットワークの全容解明と、適切な法的措置が目指されます。
タイ・カンボジア間の協力と遅延
この送還作戦は、タイとカンボジアが2025年12月27日に締結した共同声明に基づくものです。この声明は、両国間の信頼と協力を強化し、オンライン詐欺や人身取引などの国境を越えた犯罪対策に特に焦点を当てています。
しかし、送還プロセスはカンボジア側の遅延に見舞われました。当初の午前中の引き渡し予定にもかかわらず、タイ当局は最終的に7時間半以上も待機した後、午後にようやく完了しました。
遅延の原因と国境警備隊の対応
カンボジア当局は、前夜にコールセンター詐欺グループに対する大規模な取り締まりがあり、多数の中国人容疑者がバスでシェムリアップへ輸送されたため、タイ人をポイペトから移動させる車両が不足したことを遅延の原因と説明しました。さらに、バンテアイミエンチェイ県からの追加バス要請も遅延を招いたとされています。
タイ陸軍第1方面軍傘下のブーラパ方面軍司令官ベンチャポン・デチャートウォン・ナ・アユタヤ少将は、カンボジア側の対応を前向きに評価し、その誠実さの表れである可能性を示唆しました。
国境での引き渡しと今後の対応
午後4時半頃、タイ人乗客を乗せた複数の緑色のミニバスがカンボジア側の検問所に到着し、カンボジアの入国手続きを完了しました。その後、両国間の国境ゲートが開放され、タイ人たちはタイ側へと渡りました。
タイ側では、移民警察、社会開発・人間安全保障省の職員、公衆衛生担当者、兵士など多数の当局者が待機し、詐欺被害者支援のための国民照会メカニズム(NRM)スクリーニングに備えました。


