タイ南部パッタルン県で、脳に問題を抱える20歳の男性が、警察官に誘われて違法なサイコロ賭博「ハイロー」に参加し、金銭と金製のネックレスを合わせて10万バーツ以上(約50万円)を失う事件が発生しました。母親がこの状況を動画で記録し、カオソッド紙が報じたところによると、この警察官は過去にも同様の手口で住民を騙していた疑いが持たれています。
パッタルンで起きた事件の概要
パッタルン県に住むユパポーンさん(46歳)とタナサックさん(53歳)夫妻は、メディアに対し、息子ピーラサックさん(20歳)が警察官に騙されて多額の金銭と金製のネックレスを失ったと訴えました。ピーラサックさんは脳に持病があり、継続的な服薬が必要な状態です。夫妻によると、この警察官は第9管区警察署捜査班に所属し、パッタルン県に異動してきた人物で、自らが胴元となって賭博に誘い込み、家族から金品を巻き上げようとした疑いが持たれています。
母親が目撃した出来事
事件の夜、ピーラサックさんから母親のユパポーンさんに電話があり、「ハイローで負けてお金がない。警察官の胴元に金製のネックレス2バーツ分(約10万円)を取られた。助けに来てほしい」と伝えられました。ピーラサックさんは、警察官の家で賭博をしている様子を撮影した動画も送ってきました。驚いたユパポーンさんが現場に駆けつけると、警察官はネックレスの返還に5万バーツ(約25万円)を提示しても応じず、借りた10万バーツ(約50万円)を全額支払うよう要求。警察官の親族はピーラサックさんを嘲笑し、助けられないと言い放ちました。
父親の介入と警察の対応
父親のタナサックさんが現場に到着しましたが、交渉は決裂。警察官は「気に入らないなら通報すればいい。自分も警察官だから何もできない」と繰り返し主張し、脅迫的な態度を見せました。家族は仕方なく、口座にあった4万9,000バーツ(約24万5,000円)を警察官の親族の口座に振り込み、残りは分割で支払うよう言われました。その後、タナサックさんが警察に通報すると、警察官は慌てて親族に賭博道具を片付けるよう指示。駆けつけたパトロール隊に対し、警察官は「ただの喧嘩で賭博はしていない」と主張しましたが、ユパポーンさんが息子から送られた動画を証拠として提示すると、警察官は沈黙。最終的にパトロール隊は「訴えるなら警察署に届け出てほしい」と助言し、現場を去りました。
被害男性の証言と手口
ピーラサックさんの証言によると、この警察官は以前から頻繁に自宅でハイローに誘っており、これまでは少額の負けで済んでいたとのことです。事件当日、警察官から20回近く電話がかかってきて誘われ、ピーラサックさんは2万バーツ(約10万円)を持って参加しましたが、すぐに全額を失いました。その後、警察官はピーラサックさんに1万バーツ(約5万円)を貸し付け、これも失うと、「ネックレスを担保にすれば10万バーツ(約50万円)貸す」と持ちかけました。ピーラサックさんは負けを取り戻そうと応じましたが、その10万バーツもわずか15分で失ってしまいました。後に、賭博に参加していたのが警察官の母親、兄、叔母といった親族ばかりだったことが判明しました。
警察官の身元と過去の悪行
被害者家族は、この警察官がピーラサックさんを騙したのと同様の手口で近隣住民を誘い込み、過去にも多くの金銭を失わせていたと証言しています。しかし、被害が少額だったため、誰も声を上げることができませんでした。捜査により、この警察官は第9管区警察署捜査班所属の巡査部長であることが判明しました。本来はサトゥーン県での捜査を担当していましたが、パッタルン県への異動を申請し、この地域で職務に当たっていました。


