タイ上院が財政健全化のため消費税(VAT)の引き上げを含む税制改革案を提示し、政府は気候変動リスクに備え5000億バーツ(約2兆5000億円)の緊急借入を計画しています。バンコクの米国大使館は一部のビザ申請者に対し、ソーシャルメディアプロフィールの公開を義務付ける新要件を発表しました。これらの動きは、The Thaigerが報じたタイの経済と社会の最新動向を反映しています。
タイ、債務圧力緩和へ税制改革案を提示
タイ上院委員会は、財政圧力と増加する公的債務を緩和するため、大規模な税制改革案を提案しました。主要な提案の一つは、付加価値税(VAT)を現在の7%から10%に引き上げるというものですが、同様の計画は今年初めに議員によって一度否決されています。委員会はまた、株式取引、金取引、Eコマース、および海外のデジタル企業に対する新たな課税も示唆しました。政府に対しては、2027年までに国際的な最低法人税率を導入するよう促しています。
その他の措置としては、未使用地への課税強化、看板税の拡大、そしてAIを活用した徴税効率の改善などが挙げられます。委員会は、これらの措置が10年間にわたる予算赤字と増大する債務リスクに対処するために不可欠であると説明しています。これは、タイが持続可能な経済成長を維持するための財政健全化への強い意志を示しています。
気候変動・エネルギーリスクに備え緊急借入計画
タイ政府は、財政準備を強化するため、5000億バーツ(約2兆5000億円)の緊急借入令を準備しています。当局は、スーパーエルニーニョ現象の可能性、世界的なエネルギー価格の高騰、および進行中の国際紛争によるリスクをその理由として挙げました。パコーン・ニルプラパート副首相は、現在の準備金では危機に迅速に対応する能力が限られていると述べ、この借入令が発令された後、下院に提出される予定です。
全額が使用されるわけではないかもしれませんが、この借入限度額を支えるために債務上限を引き上げる必要があるとされています。これは、将来的な不測の事態に備えるための重要な措置であり、タイ経済の安定化を目指すものです。日本エネルギー経済研究所の報告書にもあるように、エネルギー安定供給や気候変動対策は、世界経済の重要な課題となっています。
バンコクの米国大使館、ビザ申請者にSNS公開を要求
バンコクの米国大使館は、多くの非移民ビザ申請者に対し、ソーシャルメディアアカウントの公開を義務付ける新たな規則を直ちに施行しました。当局は、この変更が身元確認と審査手続きを支援するためであると説明しています。この要件に従わない申請者は、手続きの遅延に直面する可能性があります。この規則は、学生ビザ、交流訪問者ビザ、就労ビザ、婚約者ビザなど、いくつかの種類のビザに適用されます。大使館は4月21日に公式チャンネルを通じてこの更新を発表しました。バンコク在住の日本人やタイ人にとって、米国への渡航計画に影響を与える可能性があるため、注意が必要です。
ピッサヌロークで退屈しのぎに森林火災を起こした男を逮捕
ピッサヌローク県で、22歳の男が森林火災を起こしたとして警察に逮捕されました。男は退屈しのぎに火をつけたことを自白しました。チャットトラカーン滝国立公園のレンジャーが巡回中にライターを所持している男を発見。レンジャーは、この地域で繰り返し発生していた火災の報告を受けていました。男は「レンジャーが来て火を消すように火事を起こしたかった」と供述しています。当局は、タイ北部では森林火災が依然として広範囲にわたる問題であると指摘しており、世界銀行の報告書も天災と人災による惨事の予防策の重要性を強調しています。
バンコク近郊ラマ2世通りの建設、資材費高騰で再び延期
バンコク近郊のラマ2世通りの建設が再び延期され、完了は2027年半ばに設定されました。運輸省は、燃料および資材費の高騰をその理由として挙げています。当局は、アスファルト価格が2倍になったことで進捗が遅れていると述べました。この道路は数十年にわたり、遅延、渋滞、事故の問題に直面してきました。M82高速道路やラマ3世通り・ダーオカノン・バンコク西外環状道路高速道路などの主要プロジェクトに加え、小規模な改修も進行中です。住民は、タイで最も問題の多い道路の一つであるラマ2世通りの混乱を減らすため、より迅速な進捗を求めています。
ドンムアン空港での運賃トラブルとカンボジアでのYouTuber騒動
ドンムアン空港では、外国人乗客とバイクタクシー運転手の間で運賃を巡るトラブルが発生しました。運転手は、ナナからの乗車が配車アプリを通じて230バーツ(約1,150円)であったと主張。乗客は当初100バーツ(約500円)しか支払わず、財布をホテルに忘れたと主張して飛行機に間に合わせるため立ち去ろうとしました。最終的には空港職員が介入し、乗客が110バーツ(約550円)を支払い、職員が残りの130バーツ(約650円)を負担するという異例の結末となりました。
また、カンボジアのプノンペンにあるワット・ウンナロム寺院の外で、米国人YouTuberのタイラー・フォックス氏が地元住民と口論になる動画がタイで拡散しました。フォックス氏は道案内を求めただけだと主張していますが、状況はすぐにエスカレートしました。彼は後に、特に宗教施設での口論を後悔していると述べ、自己防衛だったと説明しています。
タイ上院による税制改革案と政府の緊急借入計画は、タイが直面する構造的な財政問題と、気候変動やエネルギー価格変動といった外部リスクへの脆弱性を浮き彫りにしています。ベトナムの事例のように厳格な支出抑制政策が財政健全化に寄与することもある一方で、タイでは長年の予算赤字と公的債務の増加が課題となっており、抜本的な対策が求められています。インフラ整備の遅延も、経済活動の効率性を阻害する要因となっています。
これらの動きは、タイ在住の日本人や日系企業にも直接的な影響を及ぼす可能性があります。VATの引き上げは物価上昇に繋がり、生活費や事業コストに影響を与えるでしょう。また、バンコクの米国ビザ申請におけるSNS公開義務化は、特にビジネス目的や長期滞在を計画する方々にとって、新たな手続き上のハードルとなる可能性があります。これらの経済的・社会的な変化は、今後のタイでの生活やビジネス戦略を検討する上で重要な考慮事項となります。


