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アジアニュース 2026/4/20

出典:元記事

ベトナムの個人事業主に対する所得税・VATの免税基準が、現行の5億ドンから20億ドン(約1200万円)に大幅に引き上げられる可能性が出てきました。これは、国家経済財政委員会が2024年4月20日の国会常務委員会で税法改正案について意見を表明したもので、中小企業の経済活動を支援する狙いがあります。VnExpressが報じたところによると、政府は世界経済の変動に対応するため、より柔軟な税制運用を目指しています。

課税基準の柔軟化と引き上げ提案

政府は、個人事業主の所得税およびVATの免税基準について、現行のような「固定された」金額を法律で定めるのではなく、柔軟に調整できる方針を提案しています。現在の免税基準は5億ドン(約300万円)で、今年初めから適用されています。これに対し、経済財政委員会のファン・バン・マイ委員長は、多くの意見がこの5億ドンという基準を「低すぎる」と指摘していると述べました。特に、中小企業協会は30億ドン(約1800万円)への引き上げを提案しており、委員会としては最低でも20億ドン(約1200万円)程度とすることを提案。これにより、人道的な配慮と現実的な経済状況への適合を目指します。

中小企業支援の重要性と経済への貢献

ファン・バン・マイ委員長は、税制は「実質的な支援」を目指すべきであり、「小規模かつ断片的な調整」を避けるべきだと強調しました。中小企業は、単に国家予算に貢献するだけでなく、雇用創出、社会保障の確保、そして経済の活力を維持する上で非常に大きな役割を担っています。ベトナムでは、零細農家や中小企業への低利融資といった政府支援が中長期的な経済安定に不可欠とされており、今回の税制見直しも、こうしたセクターの成長を後押しする重要な政策の一つと位置付けられます。

経済変動への迅速な政策対応

ベトナム財務省のゴー・バン・トゥアン大臣は、税収基準を政府が規定することで、運営の柔軟性が確保されると説明しました。今年に入ってからの世界経済の変動、特に燃料価格の高騰は、国内の生産コストを押し上げ、購買力の低下を招き、個人事業主は多くの困難に直面しています。このような予測不能な国際情勢、特にエネルギー価格の変動や供給網の途絶リスクがある中で、政府が臨機応変に政策を決定できる体制は、より迅速かつ実情に即した対応を可能にします。柔軟な税制調整メカニズムがなければ、経済成長とマクロ経済の安定化という二つの目標を達成することは困難であると、トゥアン大臣は強調しました。

今後の見通しと国会の審議

会議の最後に、グエン・ティ・ホン国会副議長は、政府に対し、国会常務委員会および審査機関の意見を吸収し、法案を完成させて国会に提出するよう求めました。この税法改正案は、現在開催中の第16期国会の第1回会期に、審議プログラムに追加される予定です。ベトナム政府は、中小企業支援を通じて経済全体の安定化を図る方針であり、この法案の行方は国内外の投資家や在住日本人にとっても注目すべき点となるでしょう。

今回のベトナムにおける個人事業主の課税基準引き上げ提案は、政府が中小企業セクターを経済成長の重要な原動力と見なし、その支援に積極的であることを示しています。背景データが示すように、ベトナム経済は安定性維持のために零細農家や中小企業への支援を重視しており、今回の税制柔軟化もその一環です。変動の激しい世界経済の中で、硬直的な税制ではなく、政府が機動的に対応できる余地を確保しようとする姿勢が伺えます。

この動きは、ベトナムで事業を営む日系企業や個人事業主にとって、特に小規模な事業を立ち上げる際の税負担軽減という明確なメリットをもたらす可能性があります。しかし、一方で、政府の裁量による税制変更は、予見可能性の低下という側面も持ち合わせています。政策の柔軟性は経済危機対応に有効ですが、長期的な事業計画を立てる上では、今後の税制動向を常に注視する必要があるでしょう。

AsiaPicks 編集部
AsiaPicks 編集部
タイ・ベトナム・インドネシアの最新ビジネスニュースを日本語で毎日配信。現地メディアの一次情報をもとに、日系企業・駐在員の意思決定に役立つニュースを厳選してお届けします。
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