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20世紀前半のハノイ、紅河沿いの変遷を辿る

出典:元記事

20世紀前半、ベトナムの首都ハノイを流れる紅河(ホンハ)沿いの風景は、フランス植民地時代における都市の変貌と人々の暮らしを鮮やかに映し出しています。当時の紅河は交通の要衝であり、多くの船が行き交う活気ある場所でした。この貴重な歴史的写真の数々をVnExpressが紹介しています。

20世紀初頭のハノイと紅河の変貌

20世紀初頭、紅河のほとりは現在のトランニャットズアット通りに隣接し、多くの船着き場が設けられていました。当時のハノイはフランス植民地時代にあり、都市インフラの近代化が進む一方で、紅河は依然として物流と人々の生活を支える大動脈としての役割を担っていました。

1902年の紅河のほとり、現在のホンハー区では、その年にロンビエン橋が完成。この橋は当時、インドシナ半島で最初の、そして最長の鋼鉄製橋梁であり、ハノイと北部諸省、そしてハイフォンを結び、交通の様相を一変させる画期的な出来事でした。これにより、ハノイの経済と都市開発はさらに加速しました。

紅河沿いの村、コーサーの歴史と変遷

1903年頃のコーサー村は、紅河のほとりに点在する数少ない集落の一つでした。かつてアンサーと呼ばれていたこの地域は、1132年にリータン・トン帝の時代にコーサーへと改名され、紅河沿いの砂州であるコーサー砂州と深く結びついていました。

その後、紅河の流路の変化により、コーサー村はいくつかの集落に分かれました。現在のコーサー・バクビエンはロンビエン区のゴックトゥイ地域に、コーサー・ナムサーはハイバーチュン区のバクダン地域に属しています。また、コーサー・チュンチャウは紅河の中央に位置しています。

1906年の写真からは、コーサー村を除いて紅河沿いには家屋がほとんどなく、広大な未開発の土地が広がっていたことが見て取れます。この時代の紅河沿いは、都市化が進むハノイの中心部とは対照的に、自然豊かな風景が広がっていたことが伺えます。

激しい洪水の脅威と人々の暮らし

1904年頃の紅河の船着き場は、現在のトランニャットズアット通りとなっています。また、1911年には、ドゥーメ橋(後のロンビエン橋)を背景に、紅河のほとりで働く労働者たちの姿が記録されています。これらの写真からは、当時の紅河がハノイの重要な交通・物流拠点であったことが伺えます。

1926年の紅河沿い、歴史博物館向かいの堤防付近には、まだ道路や家屋は見られませんでした。しかし、紅河は豊かな恵みをもたらす一方で、洪水という脅威も抱えていました。特に1926年と1929年には大規模な洪水が発生し、人々の生活に甚大な影響を与えたことが記録されています。

紅河が育むハノイの経済と文化

1920年代から1930年代にかけて、紅河の船着き場では木材の集積が行われ、活発な商業活動が展開されていました。フランスの写真家シャルル・ペイリンが撮影した写真には、当時の紅河沿いの活気ある様子が捉えられています。また、1930年頃の紅河沿いの風景は、植民地時代のハノイの都市景観を色濃く反映しています。

1940年代の河川敷や、1951年に撮影されたロンビエン橋の足元に広がる紅河と中州の様子は、時代とともに変化するハノイの姿を物語っています。紅河は、ハノイの歴史と人々の生活に深く根ざした、まさに「母なる川」と言えるでしょう。その雄大な流れは、今も昔もハノイの発展を見守り続けています。

20世紀前半のハノイ、紅河沿いの風景は、フランス植民地化という大きな時代の波の中で、ベトナム社会がどのように変容していったかを如実に示しています。ロンビエン橋の建設は、単なるインフラ整備に留まらず、ハノイが近代的な都市へと発展していく上で不可欠な要素であり、経済活動の活発化を促しました。これは、当時のベトナムが国際的な貿易ルートに組み込まれていく過程を象徴する出来事と言えるでしょう。

これらの歴史的な写真は、現在のハノイに暮らす人々、特に旅行者や在住日本人にとって、都市のルーツを理解する貴重な手がかりとなります。当時の紅河が生活の中心であり、物流の要であったことを知ることで、現在のハノイの喧騒の中にも残る歴史の息吹を感じられるはずです。過去を遡ることで、現代のハノイが持つ魅力や課題をより深く洞察する機会となるでしょう。

AsiaPicks 編集部
AsiaPicks 編集部
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