ホーチミン証券取引所(HoSE)のVNインデックスが史上最高値を更新し、終値で1,925ポイントを超える歴史的な水準を記録しました。午前の取引で一時下落したものの、午後には勢いを盛り返し、ベトナム経済の堅調な回復を示唆しています。VnExpressが報じました。
市場の歴史的快挙と背景
ベトナムのVNインデックスは、寄り付きで軟調に推移し、一時14ポイント以上下落する局面も見られましたが、午前10時過ぎには上昇に転じ、昼休み前には1,920ポイントを突破しました。午後に入ってからも一時的な調整局面はあったものの、指数はさらに上昇し、史上最高値となる1,928ポイント近くを記録しました。その後、利益確定売り圧力がかかり、市場は1,920ポイント付近で推移しましたが、引け間際には回復し、終値は1,925ポイントを超え、ベトナム株式市場の歴史上最高水準となりました。これは4月8日の記録的な上昇以来、最も大幅な改善です。
今回の記録更新は、セッション中の最高値、終値のいずれで見ても新たなベンチマークを設定したことを意味します。ホーチミン証券取引所全体の銘柄では、上昇が165銘柄、下落が128銘柄と、上昇銘柄数が優勢ではあるものの、その差は小さく、市場全体でのコンセンサス形成が低いことを示唆しています。買いはテクノロジーと不動産セクターに集中した一方で、化学セクターは軟調な動きを見せました。
主要銘柄の牽引と市場の動向
個別銘柄では、ベトナムを代表するコングロマリットであるビングループ(Vingroup)のVIC株が、VNインデックスの上昇に14.5ポイント以上貢献し、市場全体に最も好影響を与えました。VIC株は終値で4%上昇し、229,800ドン(約1,380円)を付けました。取引中には一時、232,000ドン(約1,390円)の史上最高値に達する場面もありました。取引高も市場で3番目に高く、約8,440億ドン(約506億4千万円)に達し、その55%以上が積極的な買い注文によるものでした。
また、VHM、VCB、BID、FPTといった銘柄も指数全体を支えました。特にFPT株は、1年ぶりの安値を付けた後に3営業日連続で反発し、この日はさらに4.5%上昇して73,900ドン(約440円)となりました。FPTの取引高は約1兆5,890億ドン(約953億4千万円)と市場で最も高く、64%以上が買い注文によるもので、資金流入の積極性を示しています。
外国人投資家の買い越しと今後の見通し
VNインデックスが史上最高値を記録した日にもかかわらず、ホーチミン証券取引所の取引高は前日比で25%以上減少し、総取引額は約22兆1,000億ドン(約1兆3,260億円)にとどまりました。しかし、明るい材料として、外国人投資家が売り越しを止め、約2,610億ドン(約156億6千万円)の買い越しに転じたことが挙げられます。買いはVIC株とMSN株に集中しましたが、VHM株とTCB株は1,000億ドン以上の売り越しとなりました。
ベトコムバンク証券(VCBS)は、前日の取引終盤から買い注文の改善シグナルを捉えていました。しかし、テクニカル分析によると、VNインデックスが1,880~1,900ポイントのレンジで安定するまでは、今後も上昇と下落が交互に繰り返される変動が続く可能性を指摘しています。VCBSは、投資家に対して資金の流れの循環に注目し、セクター全体のモメンタムに乗っていて、まだ底値から大きく上昇していない銘柄を選択するよう推奨しています。また、市場の調整局面を利用して、短期的な利益を狙った投資を検討することも可能だとしています。
ベトナム経済は近年、急速な成長を遂げており、その勢いはホーチミン株式市場の記録的な高値にも表れています。今回のVNインデックスの急騰は、一部の大型株、特にビングループのようなコングロマリットの動向に大きく依存している側面も見て取れます。新興国市場においては、特定のセクターや大企業の業績が指数全体を牽引する傾向が強く、市場全体の健全性や持続可能性を評価する際には、より広範な銘柄への資金流入が重要となります。
このような市場の活況は、ベトナム在住の日本人投資家や日系企業にとっても注目すべき動きです。特に外国人投資家が買い越しに転じたことは、今後のベトナム経済に対する国際的な信頼の回復を示す兆候と捉えられます。ただし、短期的な利益確定売りによる市場の変動も予想されるため、投資判断においては、個別の企業業績やセクターの成長性、そして政府の経済政策を慎重に見極める必要があります。


