ベトナム・ホーチミン市で金価格が急落し、国際価格との差が大幅に縮小しています。6月5日朝、サイゴン宝石金銀会社(SJC)は金価格を複数回調整し、他の主要な金取引会社もこれに追随しました。VnExpressが報じたところによると、国内の金価格は世界市場の価格変動に比べてより大きな下落幅を記録しています。
ホーチミン市で金価格が大幅下落、投資家の警戒感高まる
6月5日午前11時、SJCの金地金価格は1タエルあたり1億5,080万ドンから1億5,380万ドン(約90.5万円~92.3万円)で取引され、前日終値から220万ドン(約1.3万円)もの下落となりました。また、SJCのプレーンリング金も1タエルあたり1億5,060万ドンから1億5,360万ドン(約90.4万円~92.2万円)に下がり、こちらも200万ドン(約1.2万円)以上の値下がりを記録しています。
PNJやDOJIといった他の大手金取引会社も同様に価格を調整。DOJIはプレーンリング金を1タエルあたり1億5,080万ドンから1億5,380万ドンで提示しました。この一連の価格下落により、年初からの金価格の上昇分はほぼ相殺され、金地金価格は年初と比較して200万ドン以上安くなっています。ベトナムでは、自国通貨への信頼の低さから、米ドルや金資産を保有する志向が強く、金価格の変動は投資家の間で特に注目されています。
国際市場との価格差が急速に縮小、政府介入の兆候か
国内の金価格は国際市場よりも大幅な下落を見せており、これにより両市場間の価格差は急速に縮まっています。過去24時間で国際金価格は1オンスあたり35ドル下落し、約4,440ドルで取引されています。ベトコムバンクの為替レートで換算すると、ベトナム国内の金価格は現在、国際価格よりも1,300万ドン(約7.8万円)未満の差にまで縮小しました。
これは、わずか2ヶ月前にはその差が3,000万ドン(約18万円)近くに達していたことを考えると、劇的な変化と言えます。ベトナム国家銀行は、国内金価格と国際価格の乖離が大きくなった場合、市場に介入することで知られており、今回の急速な価格差の縮小は、政府による政策転換や市場介入の可能性を示唆しています。国際価格との大きな乖離は、投資家にとって「安全資産」としての金の魅力を損ない、多くのリスクを伴うため、この縮小は市場の安定化に寄与するかもしれません。
銀価格も軟調、ベトナム国内の貴金属市場の動向
金だけでなく、銀の価格も軟調な動きを見せています。フー・クイ金投資株式会社とDOJIは、銀地金価格を1タエルあたり約275万ドンから284万ドン(約1.65万円~1.7万円)で提示しており、これは1キログラムあたり7,340万ドンから7,570万ドンに相当します。サコムバンク-SBJも同様に、1タエルあたり277万ドンから285万ドンで取引価格を設定しました。貴金属市場全体が変動する中で、投資家は慎重な姿勢を保っています。
ベトナムの金市場は、自国通貨への信頼不足から投資家が金に傾倒する傾向が強く、政府がその価格差を積極的に管理しようとしている構造的な特徴があります。今回の価格下落と国際価格との差の縮小は、ベトナム国家銀行が市場介入を通じて価格の安定化を図っている可能性を示唆しており、過去の介入事例とも合致します。
在ベトナム日本人や日系企業にとっては、ベトナムの金価格の変動は直接的な影響は少ないかもしれませんが、ベトナム経済全体の信頼性や通貨政策の方向性を測る指標となります。特に、大規模な金価格の変動は、国内のインフレ期待や消費者の購買力に影響を与え、結果的にビジネス環境にも間接的な影響を及ぼす可能性があるため、今後の経済動向には注意が必要だと言えるでしょう。


