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ホーチミンも影響か?Sun Group中核企業の利益が急減

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ベトナムの大手コングロマリット、Sun Groupの中核企業「タップ・ドアン・マット・チョイ」の2025年税引き後利益が、前年の5分の1に当たる1,780億ドン(約10.68億円)に大幅減少する見込みです。これは2022年の情報公開開始以来、最低水準の利益となり、ベトナム経済の動向に注目が集まっています。VnExpressが報じたところによると、同社の財務健全性は自己資本の増加により改善傾向にあるものの、収益性の課題が浮き彫りになりました。

ホーチミンでも進む大規模開発、Sun Groupの多角経営

Sun Groupは2007年に設立され、不動産、エンターテイメント、建設、航空など多岐にわたる事業を展開するベトナムを代表する企業グループです。特にリゾート開発やスピリチュアル関連の不動産プロジェクトに強みを持ち、ダナン、クアンニン、タイニン、フーコック、サパなど、ベトナム各地で存在感を示しています。近年では、ホーチミン市で約423ヘクタール、投資額約99兆ドン(約5,940億円)に上る「ビン・クオイ – タン・ダー新都市区」の開発が承認されるなど、大規模プロジェクトを積極的に推進しています。

利益急減も財務健全性は改善

「タップ・ドアン・マット・チョイ」の利益は急減したものの、同社の財務状況は全体的に改善の兆しを見せています。自己資本は2.5倍に増加し、33兆5,000億ドン(約2兆100億円)を超えました。これは、投資資本の増加と累積利益によるものです。総負債は25%増の37兆6,150億ドン(約2兆2,569億円)に達しましたが、自己資本の増加により、負債比率は2.25倍から1.12倍へと大幅に低下。これは不動産企業にとって安全な水準とされており、経営基盤の強化が進んでいることがうかがえます。

ドイモイ政策後のベトナム経済と民間企業の台頭

ベトナムは1986年のドイモイ(刷新)政策導入以降、市場経済化を推進し、特に2007年のWTO加盟後は経済成長が加速しました。この時期に、Sun Groupのような民間企業が急速に台頭し、国有企業改革が進む中で経済の重要な担い手となっていきました。かつて戦争の後遺症に苦しんだベトナムが、現在では周辺国を凌ぐ経済成長を遂げている背景には、こうした民間企業の活力が不可欠です。Sun Groupは、不動産開発だけでなく、航空事業「サン・フーコック・エアウェイズ」の設立を通じて、国内外からの観光客誘致にも力を入れ、ベトナムの観光・インフラ産業全体のエコシステム構築に貢献しています。

不動産市場の動向と今後の見通し

ホーチミンなどの大都市圏では、近年不動産価格が高騰しており、Sun Groupが手がける「ビン・クオイ – タン・ダー新都市区」のような大規模開発は、今後の都市開発や不動産市場に大きな影響を与えると考えられます。しかし、今回の利益急減は、市場の変動や競争激化、あるいは一時的な投資フェーズによるものと見られます。ベトナム経済全体としては、引き続き高い成長率を維持しており、国内外からの投資も活発です。日系企業にとっても、ベトナムの経済動向、特に大手企業の業績は、市場参入や事業拡大を検討する上で重要な指標となるでしょう。

今回のSun Group中核企業の利益急減は、ベトナム経済が急速な成長を遂げる中で、企業が直面する市場の厳しさや、事業ポートフォリオの再編期にあることを示唆しています。特に不動産開発は大規模な先行投資を伴うため、一時的に利益が圧縮されることは珍しくありません。ベトナムではドイモイ政策以降、市場経済への移行が進み、Sun Groupのような民間コングロマリットがインフラ整備や都市開発の主導的な役割を担うようになりました。しかし、それは同時に、市場の変動リスクをより直接的に受けることを意味します。

在住日本人や日系企業にとって、このニュースはベトナム経済の多面性を理解する上で重要です。経済全体が成長基調にある中でも、個別の企業やセクターでは収益性の課題に直面することがあり、これは市場の成熟化の一端とも言えます。大手企業の財務健全性改善はポジティブな要素ですが、利益の変動は今後の投資計画や事業戦略を策定する上で、より詳細な市場分析が求められることを示唆していると言えるでしょう。

AsiaPicks 編集部
AsiaPicks 編集部
タイ・ベトナム・インドネシアの最新ビジネスニュースを日本語で毎日配信。現地メディアの一次情報をもとに、日系企業・駐在員の意思決定に役立つニュースを厳選してお届けします。
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