バンコク首都圏警察は、新学期開始に伴う都心の学校周辺の交通渋滞対策を強化しました。バンコククリスチャンカレッジ前では、警察と学校が連携し、公共交通機関の利用促進や送迎ルール徹底を呼びかけ、カオソッド紙が報じています。
バンコク新学期、交通渋滞対策を強化
タイの首都バンコクでは、新学期の開始と共に学校周辺の交通渋滞が深刻化しています。5月14日、バンコク首都圏警察副司令官タワット・ウォンサガ氏が、バンコククリスチャンカレッジ(Bangkok Christian College)周辺の交通状況を視察し、渋滞緩和に向けた対策を指示しました。この地域は、経済発展と都市化に伴うモータリゼーションの進展により、慢性的な交通渋滞が常態化しており、特に新学期は深刻な状況となります。視察には、首都圏警察第6方面の司令官やヤンナワー警察署の幹部も同行し、学校関係者や交通警察官と協力して交通整理にあたりました。
「3つの準備と1つの禁止」でスムーズな送迎を
バンコク首都圏警察は、交通渋滞緩和のために「4つの主要対策」を打ち出しました。その中でも特に注目されるのが、保護者向けの「3つの準備と1つの禁止」という協力要請です。
- 準備1:持ち物 – 停車場所に着く前に、生徒の学習用具やカバンを準備しておく。
- 準備2:降車準備 – 車が停車したら、生徒はすぐに降りられるように準備しておく。
- 準備3:待ち合わせ場所 – 夕方の迎え時には「子どもが車を待つ、車は子どもを待たない」を徹底し、後続車の流れを妨げないようにする。
- 禁止1:駐車 – 二重駐車や路上での長時間の待機を禁止し、保護者が車から降りて子どもを送迎することも控える。
これらの対策は、送迎時間の短縮と交通の流れをスムーズにすることを目的としています。タイの都市部では、公共交通機関の供給不足が指摘されており、多くの家庭が自家用車に依存せざるを得ない状況が交通渋滞の一因となっています。
公共交通機関の利用促進とスカイウォークの役割
タワット副司令官は、バンコククリスチャンカレッジがBTS(スカイトレイン)駅に近い立地であることを強調し、保護者に対して自家用車ではなく、公共交通機関の利用を強く推奨しました。学校もこの方針に協力し、BTS駅から学校へ直接アクセスできるスカイウォーク(歩道橋)の建設をバンコク都に要請。これにより、生徒たちは安全に学校に通学できるようになり、雨季でも濡れずに移動できる利便性も確保されました。学校の担当者によると、このスカイウォークの導入後、親が子どもの安全を確信し、公共交通機関を利用して通学させるケースが増加しているとのことです。特に高学年の生徒を中心にBTS利用が顕著で、初等科の生徒にも徐々に広がりつつあります。
学校と警察の連携で渋滞緩和へ
バンコククリスチャンカレッジの理事であるオラワン・ポーキンワランコーン氏は、新学期開始前からヤンナワー警察署と連携し、交通整理や信号機のタイミング調整について密に協議してきたと述べました。保護者に対しても、子どもが降車する準備を事前に促すなど、協力を呼びかけています。昨年の対策では、周辺からの苦情がなかったことから、今年の対策も同様に成功すると期待されています。この取り組みは、バンコクの交通インフラが都市化の進展に追いついていないという課題に対し、官民が連携して解決策を模索する好例と言えるでしょう。
今回のバンコククリスチャンカレッジにおける交通渋滞対策は、タイの都市部が抱える構造的な交通問題の一端を浮き彫りにしています。経済発展と急速な都市化に伴うモータリゼーションの進展に対して、道路インフラや公共交通機関の整備が追いついていない現状が、慢性的な渋滞を引き起こしています。特に、学校周辺での送迎は、タイの生活・文化に深く根ざした自家用車依存の傾向と相まって、一朝一夕には解決しがたい課題となっています。
在バンコク日本人や日系企業にとっても、この交通渋滞は通勤や物流、さらにはビジネス活動に大きな影響を与えます。今回の対策は特定の学校周辺に限定されますが、バンコク全体で同様の課題が存在し、公共交通機関の利用促進は、個人の生活コスト(ガソリン代や駐車料金など)削減だけでなく、都市全体の生産性向上にも寄与する可能性があります。今後、他の地域や学校でも同様の連携と対策が求められるでしょう。


