タイ商工会議所は、タイと米国間の経済バランス構築を目指す「チーム・タイランド・プラス」の米国ミッションが成功裏に完了したと発表しました。今年の8月にはタイで「Thailand–U.S. Trade & Investment Forum 2026」の開催も予定されており、Khaosodが報じたところによると、両国間の経済協力がさらに強化される見通しです。
「チーム・タイランド・プラス」の米国ミッション成果
タイ商工会議所およびタイ商工会議所連合会のポト・アラムワッタナナノン会長は、米国で開催された「セレクトUSA投資サミット2026」に参加したタイ民間セクター代表団のミッションが成功裏に完了したことを発表しました。このミッションは、商業省、外務省、在ワシントンDCタイ大使館、そしてタイ民間セクターが一体となって「チーム・タイランド・プラス」として推進され、具体的な成果を上げたと報告されています。
官民連携による経済推進
今回の米国訪問には、副首相兼商業大臣のスパジー・スタムパン氏と、副首相兼外務大臣顧問のパンプリー・パヒッタヌコーン氏が同行しました。これは、タイの官民が緊密に連携し、国際舞台での経済および投資を推進する姿勢を明確に示しています。タイ代表団は、米国政府、民間セクター、投資家、および主要なビジネス団体と多岐にわたる協議を行い、貿易、投資、テクノロジー、現代のサプライチェーンなど、様々な側面で連携を強化することで合意しました。
貿易バランスとサプライチェーンの強化
ポト会長は、タイ民間セクターが両国間の経済および貿易バランスの構築に貢献する強い意向を持っていると述べました。輸出だけでなく、投資協力の拡大や、米国からの農産物・原材料の輸入促進も視野に入れています。特に、トウモロコシの購入に関する両国民間セクター間の協力覚書への署名は、タイの畜産飼料原料の安定供給に繋がり、タイの輸出商品の付加価値を高め、生産部門の競争力強化に貢献すると期待されています。
この取り組みは、貿易収支の改善だけでなく、持続可能な環境基準を満たし、トレーサビリティシステムを備えた飼料サプライチェーンの安定化にも寄与します。これにより、高品質な原材料の選択肢が増え、国際基準に準拠した供給が可能となります。
セレクトUSA投資サミット2026の重要性
今年のセレクトUSA投資サミット2026は、米国最大級の投資イベントであり、100カ国以上から5,500人を超える参加者、2,700人以上の外国人投資家、そして米国の全55州・地域の投資促進機関が活発に参加しました。これは、世界の投資誘致競争とサプライチェーン再編の激化を反映しています。米国商業省によると、このイベントでは560億ドル(約10兆円)以上の投資コミットメントが創出され、米国が世界の投資、テクノロジー、未来産業の中心地としての役割を再確認する結果となりました。
バンコクでの貿易・投資フォーラム開催へ
ポト会長は、タイ民間セクターが米国のパートナーと貿易、投資、テクノロジー、未来産業の分野で協力を加速し、競争力を維持し、現代のグローバルサプライチェーンに効率的に接続する必要があると強調しました。これを受け、タイ商工会議所およびタイ商工会議所連合会は、米国商工会議所(USCC)および在タイ米国商工会議所(AMCHAM)と協力し、2026年8月17日にタイ・バンコクで「Thailand–U.S. Trade & Investment Forum 2026」を開催する準備を進めています。このフォーラムは、セレクトUSAでの成果をさらに深め、タイと米国の貿易、投資、経済協力に関する議論をより詳細なレベルで進めるための場となるでしょう。
ポト会長は、「今回のセレクトUSA 2026への参加は、新たなビジネス機会を創出するだけでなく、急速に変化する世界経済の中でタイ経済の信頼性を構築し、推進するために、すべてのセクターが一体となって機能する『チーム・タイランド・プラス』の力を明確に示している」と締めくくりました。
今回のタイ商工会議所による米国ミッションの成功は、単なる貿易促進活動に留まらず、タイ政府が推進する経済安全保障戦略の一環と捉えることができます。世界的なサプライチェーンの再編が進む中で、「チャイナ+1」戦略が加速しており、タイは米国との連携を強化することで、サプライチェーンの多様化と強靭化を図ろうとしています。これは、中国への過度な依存を避け、より安定した経済基盤を構築するための重要なステップと言えるでしょう。
この動きは、在タイの日系企業にとっても無視できない影響をもたらす可能性があります。米タイ間の貿易・投資関係が深まることで、新たなビジネスチャンスが生まれる一方で、サプライチェーンの再編に伴う調達先の変更や、米国の基準に合わせた事業戦略の見直しが求められる場面も出てくるかもしれません。今後、タイ国内で開催される「Thailand–U.S. Trade & Investment Forum」は、このような変化の方向性を探る上で重要な情報源となるでしょう。


