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バンコク発!タイのキャラクターが経験経済時代のマーケティング兵器に

※画像はイメージです(AI生成)

タイの貿易政策戦略事務局(สนค.)は、キャラクターやマスコットが「経験経済」時代の強力なマーケティングツールとなり、タイビジネスの新たな機会を創出すると発表しました。消費者がブランドとの感情的なつながりや共有体験を重視する世界的トレンドを受け、これらのキャラクターはブランド認知度向上と知的財産(IP)としての価値創造に不可欠であると、現地メディアのKhaosodが報じています。

高まる「経験経済」の重要性

貿易政策戦略事務局(สนค.)による最新の調査で、世界のマーケティングトレンドは「経験経済(Experience Economy)」へと大きくシフトしていることが明らかになりました。これは、商品やサービスの価値が、単なる機能や価格だけでなく、消費者の感情や体験、そしてブランドとの共有体験によって決まる経済形態です。สนค.は、タイ経済の競争力向上において、この考え方が極めて重要であると強調しています。

市場調査会社Business Research Insightsのデータによると、2025年には世界の経験経済市場は538.3億ドルに達し、2026年から2035年にかけて年平均3.16%で成長すると予測されています。

キャラクターがブランドの「顔」に

สนค.のナントポン・ジララートポン局長は、「現在、キャラクターやマスコットは単にイベントを彩るだけでなく、象徴的なブランドアンバサダーとして機能している」と述べています。これらは、ブランド認知度(Brand Recall)を高め、消費者との感情的な結びつきを深める上で不可欠な存在となっています。特にソーシャルメディアやライブコマースといったデジタルプラットフォームでは、迅速かつ分かりやすいコミュニケーションを可能にし、ブランドと消費者の距離を縮める役割を担っています。

知的財産(IP)としてのキャラクター価値

キャラクター&マスコットマーケティングは、ブランド体験を具体化するための戦略的なツールとして注目されています。キャラクターは、単なる広告媒体に留まらず、長期的に知的財産(IP)として機能し、商品化やライセンス供与を通じて多角的な収益源を生み出す可能性を秘めています。

国際ライセンス業界団体Licensing Internationalが2024年に実施したGlobal Licensing Surveyによると、エンターテイメント&キャラクター関連商品が1498億ドルを記録し、ライセンス商品の世界市場全体の40.5%を占めるなど、その経済的価値の高さが示されています。

タイのキャラクター産業の現状と成長

タイのデジタル経済推進機関(depa)による2024年のデジタルコンテンツ産業報告書は、タイのキャラクター産業が前年比196%増という驚異的な成長を遂げ、総額72.32億バーツ(約361.6億円)に達したことを示しています。これは、タイ国内市場の急速な拡大と、タイ事業者の高い製造品質、そして海外市場への適応能力を反映したものです。

しかし、輸出収入のさらなる増加や、キャラクターを長期的な収益を生み出す戦略的資産として確立することには、まだ課題が残されていると指摘されています。

成功事例とバンコク発の「強み」

タイでは、商業的に成功しているキャラクターが既に複数存在します。例えば、人気焼肉レストラン「Bar B Q Plaza」のマスコットである「バービーゴン」、可愛らしいくまのキャラクター「ミーヌイ」、LINEスタンプなどで知られる「ポーカーサン」などが挙げられます。これらは、商品化やブランドコラボレーションを通じて人気を博し、タイのキャラクタービジネスの大きな可能性を示しています。

また、バンコクをはじめとするタイ国内では、多くの展示会や販促イベントが開催されており、キャラクターマーケティングの場が豊富です。さらに、ライブコマースやソーシャルコマースの成長により、キャラクターが消費者と継続的に交流できるオンライン環境が整っていることも、タイの大きな強みと言えるでしょう。

キャラクターを「戦略的資産」へ

ナントポン局長は、キャラクター&マスコットマーケティングを単なる短期的なキャンペーンに終わらせず、「経験からコマースへ」と繋がる「戦略的資産」として継続的に投資・開発することの重要性を強調しています。具体的な戦略として、キャラクターの独自性、ストーリー、明確な活用方針を策定し、知的財産として登録すること、そしてTikTokやFacebook、拡張現実(AR)などのデジタルプラットフォームで積極的に活用し、消費者との継続的な交流を促進することを推奨しています。

さらに、商品化(Merchandising)やライセンス販売による多角的な収益化、そしてブランドやパートナーとの連携も不可欠です。タイの事業者が、価格競争から創造性、感情的価値、消費者体験を重視する方向にシフトすることで、国際競争力を高め、タイの商品やサービスの付加価値向上と市場拡大に繋がると締めくくられています。

タイのキャラクター産業の急速な成長は、単なるトレンドではなく、タイ政府が長年推進してきた「ソフトパワー」戦略と「知的財産(IP)重視」政策の結実と見ることができます。JICAの分析ペーパーにもあるように、タイは「中所得国の罠」からの脱却を目指し、高付加価値産業への転換を図っており、キャラクターやマスコットは、まさにその知的財産を活用した高付加価値ビジネスの中核を担う存在として位置づけられていると言えるでしょう。

この動きは、在タイ日本人にとっても興味深いビジネスチャンスや新しい体験を生み出す可能性があります。例えば、タイのローカル企業が開発したユニークなキャラクターが、日本の人気キャラクターとコラボレーションしたり、タイ国内のイベントで日本のコンテンツが出展されたりする機会が増えるかもしれません。また、タイの多様な文化や歴史を背景にした魅力的なキャラクターが生まれることで、新たな観光資源やタイ土産が開発される可能性も秘めています。日本のクリエイターや企業がタイ市場でキャラクタービジネスを展開する上でも、現地の文化や消費者の感情に寄り添う戦略がこれまで以上に重要となるでしょう。

AsiaPicks 編集部
AsiaPicks 編集部
タイ・ベトナム・インドネシアの最新ビジネスニュースを日本語で毎日配信。現地メディアの一次情報をもとに、日系企業・駐在員の意思決定に役立つニュースを厳選してお届けします。
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