バンコクのオンヌット-ラートクラバン高架道路の第一期工事が、5月末までに部分開通する見込みです。バンコク都副知事ウィサヌ・サブソンポン氏がラートクラバン地区での現場視察後に発表したもので、長期にわたる遅延と過去の事故を乗り越え、東バンコクの交通渋滞緩和が期待されています。Bangkok Postが報じています。
東バンコクの交通緩和に期待、高架道路の進捗状況
バンコクのオンヌット-ラートクラバン高架道路は、現在90%の建設が完了し、来月にも第一期部分が開通する予定です。ウィサヌ副バンコク都知事は、金曜日にラートクラバン地区で行われた現場視察後、この長期にわたり遅延していたプロジェクトが5月末までに部分的な運用を開始する見込みだと述べました。構造建設は既に完了しており、残りの作業は最終的な構造と表面の仕上げに集中しています。副知事は、「プロジェクトは計画通りに進んでおり、5月末までに少なくとも片方向の交通を開放できると見込んでいます」と語りました。
アスファルト舗装には10〜15日かかると見られ、さらに構造の熱膨張に対応するための伸縮継手が200メートルごとに設置されます。ウィサヌ副知事は、「これらの継手はひび割れを防ぎ、長期的な耐久性を確保するために不可欠です」と強調しました。電気照明システムは完成しており、遮音壁も細部の仕上げを残すのみとなっています。2026年5月下旬にはフアタケー-ルアンペーン通り方面への片側交通が開通し、2026年6月上旬には全方向での全面運用を目指しています。
悲劇を乗り越え、安全性への配慮
この1.9kmのプロジェクトは、総工費19億3830万バーツ(約97億円)を要し、2023年7月10日には悲劇的な崩落事故が発生し、2名が死亡、13名が負傷しました。この事故では、車両、電柱、周辺の建物にも損害が出ました。タイでは、都市間高速道路の建設など大規模インフラプロジェクトがPPP(官民連携)事業やインフラファンドで進められることが多く、安全管理の重要性が指摘されています。今回のプロジェクトでは、建設作業における労働安全・衛生・環境面の運営および管理標準が厳格に適用され、同様の事故再発防止が図られています。
地域経済への影響と今後の監視
ウィサヌ副知事は、高架道路下のスペース管理について警察と調整していると述べています。これには、フアタケー市場近くでの商品積み下ろし用の一時駐車場ゾーンの設置も含まれます。「我々は、工事が地元住民や企業に与える影響を考慮しなければなりません」と彼は語りました。また、今後7日間に熱帯性暴風雨が20%の地域に降雨をもたらす可能性があるため、天候の影響を監視する追加の検査が実施される予定です。このオンヌット-ラートクラバン高架道路の開通は、東バンコクの交通流を大幅に改善し、この地域の経済活動を活性化させると期待されています。
今回のオンヌット-ラートクラバン高架道路の部分開通は、バンコクの慢性的な交通渋滞という構造的な課題に対するタイ政府の継続的な取り組みを示すものです。タイでは経済成長に伴い、都市部での交通量増加とそれに伴う大気汚染が深刻化しており、国土交通省インフラシステム海外展開行動計画などでもその解決に向けたインフラ整備の重要性が強調されています。特に、既存の道路網の拡張や高架化は、都市部の限られた空間で交通容量を増やすための現実的な解決策として進められていますが、過去の崩落事故が示すように、建設における安全管理の徹底と、その後の維持管理体制の強化が不可欠です。
この高架道路の開通は、東バンコクに居住する日本人や日系企業にとって、通勤時間の短縮や物流効率の向上といった具体的なメリットをもたらすでしょう。特に、ラートクラバン地区はスワンナプーム国際空港に近く、工業団地も集積しているため、この地域の交通インフラ改善はビジネス活動に直結します。また、アクセスの改善は周辺地域の不動産価値にも影響を与え、新たな開発や商業活動を促進する可能性もあります。しかし、熱帯性暴風雨による工事への影響監視の継続や、高架下スペースの有効活用における地元住民との調整など、開通後も解決すべき課題は残されており、長期的な視点での運用が求められます。


