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ハノイ、戦略的投資誘致に苦戦 – FDIトップ5から後退

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ハノイ市が戦略的外国投資家(FDI)の誘致に苦戦しており、2025年同期比で約45%減の8億1500万ドル(約1222億円)に留まっていることが明らかになりました。この結果、ハノイは国内のFDI誘致ランキングでトップ5から後退し、VnExpressがその原因と今後の対策について報じています。

ハノイのFDI誘致、大幅減でトップ5から転落

ベトナムの首都ハノイ市が、今年最初の4ヶ月間で新規登録された外国直接投資(FDI)が約8億1500万ドル(約1222億円)に減少し、前年同期比で約45%の大幅減となりました。この結果、ハノイはこれまで国内でFDI誘致を牽引してきたトップ5の座から後退しました。一方、タイグエン(60億ドル)、ホーチミン(39億ドル)、ゲアン(22億ドル)、バクニン(14億ドル)といった他の主要地域は、数十億ドル規模の投資を順調に誘致しています。

戦略的投資誘致策「決議17」の成果と課題

ハノイ市人民評議会は、2025年7月から戦略的投資家を誘致するための「決議17」を発令し、取り組みを強化してきました。この決議では、都市鉄道などの交通インフラ、衛星都市開発、半導体チップ製造、クリーンエネルギーなど、6つの分野を優先投資対象としています。しかし、ハノイ市財政局の最新報告によると、決議発効から9ヶ月が経過した現在でも、優先分野における戦略的投資家の誘致は「まだ達成されていない」と認識されており、目標達成には課題が残されています。

行政手続きの煩雑さと投資条件の不透明さが障壁に

ハノイ市財政局は、企業が優先分野への投資をためらう複数の原因を挙げています。その一つが、依然として煩雑な行政手続きであり、戦略的投資家にとって必ずしも有利な環境が整っていないと指摘されています。サムスンやNVIDIAといった大手テクノロジー企業は、通常、政府との直接交渉メカニズムを望みますが、現在の規制では投資方針の承認や投資家としての同時承認には厳格なプロセスが求められます。

「首都法2024」によって権限が強化されたものの、投資家選定プロセスは入札または承認に関する厳格な手順に従う必要があります。また、戦略的投資家への条件が不明確で、現行法規に適合していない点も課題です。さらに、優先誘致分野も、新時代における首都の発展要件に対して不十分であるとの見解が示されています。

専門家「大規模プロジェクトには時間が必要」と指摘

エコノミカ・ベトナムのレ・ズイ・ビン所長は、9ヶ月間で戦略的投資家を誘致できなかったことが、首都の投資環境を「否定的に反映するものではない」と指摘します。実際、昨年ハノイは、約43億6000万ドル(約6540億円)のFDIを誘致し、国内トップ5に入っていました。所長によると、首都法に基づく戦略的投資プロジェクトは、25兆ドン(約1500億円)以上の莫大な資金を必要とし、高度な技術や知識を要する大規模なものです。ハイテク工業団地や都市鉄道のようなプロジェクトは、慎重な準備と政府との綿密な協議が必要であり、「6〜9ヶ月で大規模なハイテクプロジェクトが実施されることは稀」であるため、忍耐強く待つ必要があると説明しています。多くの投資家は水面下で準備を進めており、適切な時期にこれらの戦略的プロジェクトが発表されるだろうと予測しています。

ハノイ市、投資誘致の条件緩和と分野拡大を提案

ハノイ市は、戦略的投資家に関する人民評議会の意見聴取草案で、誘致対象を17の分野に拡大し、企業への条件をさらに緩和することを提案しています。これは、7月1日に発効する改正首都法との整合性を図るものでもあります。

インフラおよび新経済分野では、自由経済区、自由貿易区、国際金融センター、そしてハノイの喫緊の課題である浸水対策のための排水インフラなどを追加。テクノロジー分野では、半導体やクリーンエネルギーに加え、人工知能(AI)、ロボット・自動化技術、航空宇宙分野への戦略的投資家誘致を目指しています。また、文化・社会産業も初めて誘致対象となり、スポーツ複合施設、文化産業センター、最低5つ星基準のリゾート&エンターテイメント複合施設への投資を呼びかけています。

これらの目標を実現するため、ハノイ市は投資経験に関する条件を軽減し、新たなテクノロジー企業や財務基盤の強い投資ファンドにも機会を提供することを提案しています。また、資本金の要件も厳格に規定せず、プロジェクトの規模や実際の資金調達能力に基づいて決定する方針です。プロジェクトの性質に応じて、土地や水面の使用料の免除または減額も検討されています。ただし、戦略的投資家との長期的な関係を確保するため、資金使途の期間規定や、その期間中のプロジェクト譲渡禁止といった規定の追加も提案されています。

2045年を見据えたハノイの野心的な経済成長目標

レ・ズイ・ビン所長は、ハノイが投資家への優遇策をより明確かつ魅力的に規定し、広報活動や投資促進活動にも注力すべきだと提言しています。企業が来るのを待つだけでなく、国内外の戦略的投資家に積極的にアプローチするべきだと助言しました。ハノイは2045年までに年平均11%以上の経済成長、一人当たりGRDP約4万5000ドル(約675万円)を達成するという野心的な目標を掲げています。

2035年までに総社会投資額として1京4500兆ドン(約87兆円)を動員し、そのうち民間からのインフラ投資を約2京6800兆ドン(約160兆円)と計画。さらに2036年から2045年までの期間には、総投資額を5京300兆ドン(約300兆円)にまで引き上げる壮大な計画を打ち出しています。

ベトナム経済は長年にわたり外国直接投資(FDI)を成長の重要な原動力としてきましたが、ハノイ市が戦略的投資誘致に苦戦している現状は、その構造的な課題を浮き彫りにしています。特に大規模なハイテク投資を呼び込むには、政府と投資家の直接交渉が不可欠であるにもかかわらず、既存の法規制や行政手続きの煩雑さが足かせとなっているのは、ベトナムが投資誘致の「量」から「質」へと移行する上での新たな挑戦と言えるでしょう。

この状況は、ベトナムへの進出を検討する日系企業にとっても重要な意味を持ちます。ハノイ市が提案している規制緩和や新たな優遇策の動向を注視し、行政との密なコミュニケーションを通じて、今後の投資環境の変化に対応していくことが求められます。一方で、投資家との長期的な関係を確保するための新たな規制(資金使途期間やプロジェクト譲渡禁止など)も導入される可能性があるため、契約締結時にはその内容を慎重に確認し、将来のリスクを適切に管理する視点が不可欠となるでしょう。

AsiaPicks 編集部
AsiaPicks 編集部
タイ・ベトナム・インドネシアの最新ビジネスニュースを日本語で毎日配信。現地メディアの一次情報をもとに、日系企業・駐在員の意思決定に役立つニュースを厳選してお届けします。
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