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ナコンパトム県で約1200年前の古代船発見、新事実が判明

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タイのナコンパトム県で約1200年前の古代船の残骸が発見され、ワット・パイローム王室寺院に引き渡されました。これは同県で初めて見つかったタワラワディー王国の交易ネットワークと繁栄を示す新発見として、考古学界から大きな注目を集めています。The Thaigerが報じたところによると、日本の京都大学もこの歴史的発見に関心を寄せ、連携して調査を進めているとのことです。

約1200年前の古代船、ナコンパトム県で発見

2026年4月8日、タイの歴史に新たなページが加わりました。ナコンパトム県プララチャワン・サナムチャン・キャンパスにあるシラパコーン大学は、約1200年前の重要な古代船の残骸をワット・パイローム王室寺院に引き渡しました。この古代船はナコンパトム県で初めて発見されたものであり、その歴史的価値の高さから関係者の間で大きな話題となっています。

この発見は、故パイブーン・プアンサムリー氏(元シー・タワラワディー・グループ会長、ナコンパトムの歴史探検家)の功績を称えるもので、タワラワディー王国の千年にわたる繁栄の物語を再確認し、新たな歴史的証拠を明らかにするための重要な一歩とされています。将来的には一般公開され、タイの豊かな歴史を学ぶ機会が提供される予定です。

シラパコーン大学からワット・パイロームへ引き渡し

引き渡し式典は、ワット・パイロームの「ルアンポー・プーン堂」で厳かに執り行われました。シラパコーン大学のラピーパン・ケーオオーン副学長が大学を代表し、ワット・パイロームの代理住職であるルアンピー・ナムフォン師に古代船の残骸を手渡しました。多くの関係者が立ち会う中、この歴史的な瞬間が共有されました。

この古代船の残骸は、タイル片、土器、道具、動物の骨など、様々な貴重な歴史的遺物と共に発見されました。これらには、インド、中国、アラブ起源のものも含まれており、タワラワディー王国時代の国際的な交易活動の活発さを物語っています。

タワラワディー王国の繁栄を物語る遺物

これらの遺物は、ナコンパトム県ムアン郡タムサラ地区バーン・サラーオーのブン・クム・ブン・バーンチャン地域で水中に沈んでいたものです。パイブーン氏が2015年6月に初めて発見して以来、その重要性から考古学者や美術局の関心を集めてきました。特に、この古代船は、スラートターニー県のバーン・クロン・ユアン古代船と同様に、アウストロネシア人が半島と南の島々を横断する航海で使っていた造船技術で作られたものであることが判明しています。

シュリーヴィジャヤ王国とタワラワディー文化の繁栄期に、半島から出発した小型の貨物船(約9〜12メートル)で、東南アジア地域内の半島と島々の間で重要な商品を売買するために使われたと推測されています。仏暦14〜15世紀(西暦9〜10世紀頃)のもので、ナコンパトム県まで航海してきた船としては初めての発見であり、地域の考古学界に新たな歴史のページを開くものとして注目されています。

日本の京都大学も関心寄せる歴史的大発見

この歴史的な発見は、タイ国内だけでなく、国際的な学術機関からも注目されています。特に、日本の京都大学とも連携し、この古代船がナコンパトム県で初めて発見されたという新しい歴史的ページを共同で研究しています。この事実は、古代船がナコンパトム市中心部まで来ており、プラパトムチェーディーから数キロしか離れていない場所で、活発な交易が行われ、多くの王国と結びつく偉大な王国であったことを示唆しています。これまでこれほど明確な証拠はなかったため、今回の発見は極めて貴重なものとされています。

ワット・パイロームでの展示と未来の学習拠点化

ワット・パイロームのルアンピー・ナムフォン師によると、ワット・パイロームは元々プラパトムチェーディーと関連があり、モン族が住む竹林だったという歴史があります。ラマ4世時代にはプラパトムチェーディーの修復に協力し、タワラワディー時代まで遡る歴史がある可能性があるとのこと。この古代船の残骸をワット・パイロームが管理することで、ルアンポー・プーン師の入滅20周年記念行事(2026年5月22日〜31日)で展示される予定です。

将来的には、この古代船の発見をきっかけに、地域住民が地元のルーツを学び、若者や一般市民が地元の歴史に関心を持つようになる学習センターとして発展させる計画です。これにより、タイの豊かな文化遺産への理解と誇りを育むことが期待されています。

アウストロネシア人の航海技術が示す交易ルート

今回発見された古代船は、その造船技術からアウストロネシア人によるものと推測されています。アウストロネシア人は、東南アジアの島嶼部や太平洋地域に広く分布する民族集団であり、その優れた航海技術で知られています。この船がナコンパトムまで到達したという事実は、当時のタイが広範な海上交易ネットワークの中心地であった可能性を強く示唆しています。陸路だけでなく、水路を通じた文化や経済の交流が、タワラワディー王国の繁栄を支えていたことが、この船を通じて明らかになるでしょう。

今回のナコンパトムでの古代船発見は、タイの歴史、特にタワラワディー王国の研究に大きな転換点をもたらすものです。これまで断片的にしか知られていなかった古代交易ルートや、地域間の文化交流の実態が、この具体的な証拠によってより鮮明に描き出されることになります。日本の研究機関が関与している点も、国際的な視点からタイの歴史的価値が再評価されるきっかけとなるでしょう。

在タイ日本人にとっても、この発見は単なるニュース以上の意味を持ちます。ナコンパトムはバンコクからもアクセスしやすいエリアであり、プラパトムチェーディーなどの観光スポットも豊富です。今回の古代船の展示が始まれば、タイの奥深い歴史と文化に触れる貴重な機会となるでしょう。タイの古都がかつて国際的な交易拠点であったという事実は、現代の多様なタイ文化のルーツを理解する上で、新たな視点を提供してくれます。

  • ワット・パイローム: ナコンパトム県に位置する王室寺院で、ルアンポー・プーン師の遺産を祀る。古代船の展示が予定されている。
  • プラパトムチェーディー: ナコンパトム県にあるタイで最も高い仏塔。タイ仏教の歴史において重要な役割を果たす。
AsiaPicks 編集部
AsiaPicks 編集部
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