ベトナム中部のダクラク省が、通信大手モビフォンと包括的なデジタル変革推進で合意しました。この提携は、デジタル政府、デジタルインフラ、デジタル経済、デジタル社会の四つの柱を中心に、同省の持続的な経済・社会発展を加速させることを目指します。ベトナムの主要ニュースメディアVnExpressが報じ、モビフォンは今後5年間でダクラク省のデジタル化を全面的に支援する計画です。
ダクラク省、モビフォンと包括的デジタル変革で合意
ダクラク省とモビフォンは、今後5年間で地方の持続可能な発展を目標に、最先端の技術リソースを動員する新たな協力関係を築きました。両者は、科学技術の応用とイノベーションが、ダクラク省の競争力向上への最短ルートであると認識しています。この提携は、政府の「2020 Go Digital Vision」のようなデジタル化戦略計画のロードマップに沿ったもので、ベトナム全体のデジタル政府ランキング向上にも寄与するでしょう。
電子政府システムとスマート運用センターの構築
モビフォンは、ダクラク省の電子政府エコシステム構築、行政手続き解決システムのアップグレード、およびスマート運用センター(IOC)の運営において、地方自治体と協力することを約束しました。これにより、効率的な行政サービス提供が可能となり、在住日本人や日系企業にとっても行政手続きの利便性向上が期待されます。また、モビフォンは、共有データベースの効率的な活用を支援し、国家および専門分野のデータシステムとの相互接続性を確保します。
ダクラク省トップが語るデジタル化への期待
ダクラク省人民委員会のドー・フー・フイ委員長は、式典でデジタル変革が成長の原動力となる重要な任務であると強調しました。同氏は、モビフォンのような大手テクノロジー企業の参加が、政治局決議57号および人口データに関する計画06号に掲げられた目標の実現に役立つと期待しています。省は、第4次産業革命からのリソース動員を、より迅速かつ持続可能な発展のための機会と捉えています。
モビフォン会長が強調する技術と国防の融合
モビフォンのチュオン・ソン・ラム会長は、同社が従来のネットワーク事業者から通信・テクノロジー企業へと大きく転換していることを説明しました。公安省直属の国防・安全保障企業として、モビフォンはダクラク省のデジタル政府開発、ブロードバンド通信インフラの構築、5Gカバレッジ拡大、データセンターおよびクラウドコンピューティングの整備に優先的にリソースを投入します。同時に、デジタル変革プロセスにおける情報セキュリティと安全保障を確保しつつ、管理、運営、経済・社会発展のためのデジタルソリューションを展開します。
5億ドン相当のデータガバナンス支援パッケージ
このイベントで、モビフォンはダクラク省に対し、「データアーキテクチャフレームワーク、データガバナンスおよび管理フレームワーク」構築のためのコンサルティングパッケージ(約5億ドン、約30万円相当)を贈呈しました。これは、地方自治体のデータ管理を標準化し、将来の技術応用の強固な基盤を築くための具体的な一歩です。このコンサルティングパッケージは、各部署間の情報分断を防ぎ、共通データウェアハウス構築の明確なロードマップを策定するのに役立ちます。
2026-2030年の展望:西原地域のデジタルインフラ刷新へ
ダクラク省とモビフォンの2026年から2030年にかけての協力は、西原(タイグエン)地域のデジタルインフラの様相を一変させることが期待されています。デジタルソリューションは、行政管理のレベルに留まらず、市民や企業にも波及し、行政手続きの簡素化と新たなビジネス機会の創出を可能にします。この契約締結は、ダクラク省がテクノロジーを積極的に活用し、他の大都市との発展格差を縮めようとする強い決意を示すものです。
今回のダクラク省とモビフォンの提携は、ベトナム政府が推進する包括的なデジタル化戦略の一環として注目されます。ベトナムでは、中央政府主導でデジタル化のロードマップが示されており、地方政府が国営通信大手と連携してインフラ整備からサービス構築まで一貫して進めるのは、この国のデジタル戦略の典型的なアプローチです。これは、ASEAN地域全体で各国がデジタル化を国家戦略の柱と位置付けている流れとも合致しており、特に地方におけるデジタル格差の解消と経済成長の加速を目指すものです。
この動きは、ベトナムに在住する日本人や進出している日系企業にとっても重要な意味を持ちます。行政手続きのデジタル化が進めば、企業登録や各種申請がオンラインで完結するなど、業務効率が大幅に改善される可能性があります。また、地方におけるデジタルインフラの強化は、新たなビジネス機会を生み出す土壌ともなり得ます。例えば、スマート農業や観光DXなど、ダクラク省の地域特性を活かした分野でのデジタルソリューション導入は、日系企業の新たな市場開拓に繋がる可能性も秘めています。


