ホームタイタイ:Google海底ケーブル計画承認、デジタル経済を加速

タイ:Google海底ケーブル計画承認、デジタル経済を加速

※画像はイメージです(AI生成)

タイの電気通信規制委員会NBTCは、Google関連の新たな海底ケーブルプロジェクトに関する申請を承認しました。この「タレイリンク」と呼ばれるプロジェクトは、タイとオーストラリアを結び、アジア太平洋地域全体のデジタル接続性を大幅に強化する見込みであると、カオソッド・イングリッシュが報じています。

タイのデジタルインフラを支える新海底ケーブル

2026年4月27日、タイの電気通信規制委員会(NBTC)は、国際ゲートウェイ社(International Gateway Co.)が提出した電気通信法第39条に基づく海底ケーブル敷設権の行使申請を承認しました。このプロジェクトは、国際ゼネラルカンパニー(IGC)とGoogleの親会社であるアルファベット社との共同事業であり、タイの領海内に300キロメートルを超える海底ケーブル導管を敷設し、11本のケーブルラインを通す計画です。

タイにおける海底ケーブルネットワークは、同国のインターネットインフラの基幹を形成しています。現在、タイには約10〜12のシステムが存在し、そのうち少なくとも9つが稼働中です。しかし、タイインターネット・クラウドサービスプロバイダー協会(Thai Internet and Cloud Service Provider Association)のデータによると、タイの国際接続性の約70%が、シンガポールのデータ・インターネットハブへの陸上回線に依存している現状があります。

Googleの地域投資とタイのデジタル化

今回承認されたプロジェクトは、Google Cloudの「タレイリンク」構想の一部であり、タイとオーストラリアを結ぶ新たな海底ケーブルルートを通じて、アジア太平洋地域および世界規模でのデジタル接続性を強化することを目的としています。これは、以前発表されたタイにおける地域クラウドインフラへの300億バーツ(約1,500億円)の投資の第一歩となります。

また、「タレイリンク」は「オーストラリア・コネクト」構想の一環でもあり、オーストラリアを太平洋諸島諸国とインド洋諸国を結ぶハブとして位置づけています。このネットワークは、昨年発表されたGoogleの10億ドル規模の投資計画に含まれる、タイに開設予定のクラウドリージョンにも接続され、将来のデータセンター統合とGoogleのグローバルクラウドネットワークとの連携を可能にします。

Googleは、地域需要をサポートするため、西オーストラリア州マンジュラおよびタイ南部における新たな接続ハブの計画も発表しています。このネットワークが完成すれば、オーストラリア、アフリカ、東南アジア全体の回復力が向上し、タイのデジタル経済への移行、特にAI導入と広範なデジタル包摂を支援することが期待されています。

ASEAN地域のデジタル経済とタイの戦略的役割

ジェトロの報告書によると、ASEAN地域ではデジタル経済の成長が著しく、各国がデジタルインフラへの投資を加速させています。特にタイ、シンガポール、マレーシアなどは、経済発展のためにデジタルトランスフォーメーションを積極的に推進しており、強固なデータインフラへの需要が急増しています。

今回のGoogle関連海底ケーブルの承認は、タイがASEAN地域におけるデジタルハブとしての地位を確立するための重要な一歩となります。陸上回線への依存度が高かった国際接続性を多様化することで、データ通信の安定性と速度が向上し、日系企業を含む多くの企業にとってビジネス環境の改善が期待されます。また、経済産業省の資料が示すように、データセンターの誘致は、知識集約型経済への移行を目指すタイにとって不可欠な要素です。

今回のGoogle関連海底ケーブルプロジェクト承認は、タイがASEAN地域におけるデジタル経済の要衝としての地位を確立しようとする構造的背景を強く示しています。現状、国際通信の多くをシンガポールへの陸上回線に依存しているという課題に対し、海底ケーブルという物理的なインフラを多様化することで、通信の安定性とセキュリティを大幅に向上させることが狙いです。これは、デジタル化の進展に伴うデータ量の爆発的な増加に対応するため、国家レベルで不可欠な戦略と言えるでしょう。

在住日本人や日系企業にとっては、このインフラ強化はビジネス環境の改善に直結します。特に、クラウドサービスの利用や国際的なデータ連携が不可欠な企業にとっては、より高速で安定したインターネット接続は生産性の向上に寄与するでしょう。また、タイ政府が推進するデジタル経済戦略やAI導入支援とも連動しており、今後、タイでの新たなデジタルサービスやビジネスチャンスが拡大する可能性を秘めています。

AsiaPicks 編集部
AsiaPicks 編集部
タイ・ベトナム・インドネシアの最新ビジネスニュースを日本語で毎日配信。現地メディアの一次情報をもとに、日系企業・駐在員の意思決定に役立つニュースを厳選してお届けします。
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