ベトナムのクアンニン省で、総投資額180億ドル(約2兆7,000億円)にも上る超巨大都市「グローバル・ゲート・ハロン」の開発計画が発表された。このプロジェクトは、ベトナム初の高速鉄道となるハノイ-クアンニン間の高速鉄道の駅に隣接し、地域の交通インフラと経済成長に大きく貢献すると期待されている。VnExpressが報じたところによると、居住者向けの高速鉄道運賃も初めて公表され、市場の注目を集めている。
ベトナム初の高速鉄道駅に隣接する巨大都市「グローバル・ゲート・ハロン」
ベトナム北部クアンニン省に計画されている「グローバル・ゲート・ハロン」は、6,200ヘクタールを超える広大な敷地を持つ超巨大都市プロジェクトだ。総投資額は456兆6,390億ドン(約2兆7,000億円)に達し、クアンニン省、ハイフォン市、ハノイ市を結ぶ主要高速道路軸に隣接する戦略的な立地を誇る。さらに、このプロジェクトは、4月12日に着工したばかりのハノイ-クアンニン高速鉄道のデポ駅(車両基地駅)に面しており、今後の交通の要衝となることが見込まれている。
ビンホームズ(Vinhomes)のCEO、グエン・トゥー・ハン(Nguyen Thu Hang)氏によると、グローバル・ゲート・ハロンの最初の居住者向け高速鉄道運賃は、月額約500万ドン(約3万円)と発表された。これは日額に換算すると約16万5,000ドン(約990円)に相当する。高速鉄道プロジェクトの運賃が公表されるのはベトナムで初めてであり、今後の同様のインフラ開発における価格設定の基準となる可能性があり、市場関係者から大きな注目を集めている。
ハノイ-クアンニン高速鉄道:2028年開通で移動時間大幅短縮
ハノイ-クアンニン高速鉄道は、全長120km、設計速度350km/hを誇る最新鋭の路線だ。コー・ロア、ザー・ビン、ニン・サー、イエン・トゥー、ハロン・サンという5つの駅が設置され、2028年の完成が予定されている。この高速鉄道の開通により、首都ハノイとクアンニン省間の移動時間は、現在の道路利用で2時間から2.5時間かかるところを、わずか約23分にまで短縮される見込みだ。
この劇的な移動時間短縮は、両地域間のビジネス活動や観光交流を飛躍的に活性化させる可能性を秘めている。ベトナム政府は、社会経済開発5ヵ年計画(2005-2010)以降、ドイモイ(刷新)政策の下でインフラ整備を国家戦略の柱としており、こうした大規模プロジェクトを通じて、国内外からの投資を積極的に誘致し、経済成長を加速させている。
ビンホームズが手掛ける大規模開発:多機能複合都市の全貌
グローバル・ゲート・ハロンは、ビンホームズが現在開発を進めているプロジェクトの中でも最大規模であり、ホーチミン市のカン・ゾー(Can Gio)のグリーン・パラダイス(Green Paradise)の2倍以上、ハイフォン市のヴー・イエン(Vu Yen)島のプロジェクトの6倍もの面積を誇る。計画によると、この巨大都市は5万5,000戸以上のアパート、コンドテル、ショップハウス、ヴィラ、ホテルなどの多様な住宅・商業施設を提供し、24万4,000人以上の人口を収容する予定だ。
住宅エリアに加え、この沿岸の超巨大都市は、多種多様なサービスエコシステムを擁する。海を望む6万人以上の収容能力を持つ屋外ステージ、3,000席の劇場、大規模な会議センターなどが計画されており、国際的なイベントや観光客を呼び込む拠点となるだろう。また、ベトナムの著名な実業家ファム・ニャット・ブオン(Pham Nhat Vuong)氏の企業は、このプロジェクト内にホテル、リゾート、カジノ、そして950ヘクタールに及ぶ12のゴルフコース群を建設する計画も進めている。
さらに、中心業務地区(CBD)には、30階から45階建ての超高層ビル群が建設され、約200万平方メートルものオフィススペースを提供する予定だ。これは、多国籍企業や国際的な専門家コミュニティを誘致し、ベトナム北部地域の新たな経済ハブとして機能することを目指している。「社会主義志向の市場経済」へと移行し、国際統合を推進するベトナムにとって、このような大規模な複合都市開発は、国内外からの投資を呼び込み、持続的な経済成長を支える重要な要素となっている。
今回の「グローバル・ゲート・ハロン」プロジェクトは、ベトナムが国家主導で大規模なインフラ整備を進め、それを民間企業の巨大コングロマリットが担うという、ベトナム特有の経済発展モデルを象徴している。高速鉄道と一体化した都市開発は、交通インフラの改善だけでなく、新たな経済圏の創出を目指す政府の強い意向が反映されており、ドイモイ政策以降の経済成長をさらに加速させる狙いがある。
この超巨大都市が完成すれば、首都ハノイと観光地ハロン湾のあるクアンニン省間のアクセスが劇的に改善されるため、在住日本人や日系企業にとっては、ビジネス出張やレジャーでの移動が格段に便利になる。また、高速鉄道駅に直結するこの新都市は、観光客やビジネスパーソンの誘致を加速させ、周辺地域の不動産価値や経済活動に大きな影響を与えることが予想され、投資機会としても注目されるだろう。


