ベトナム中部のビンロク区で、早朝運動中の住民3名が犬に襲われ、うち2名が病院に搬送された。この事件は地域社会に大きな不安をもたらしており、当局は襲撃した犬の捜索と狂犬病の有無の確認を急いでいる。VnExpressの報道によると、ベトナムでは狂犬病による死亡例が毎年多数報告されており、公衆衛生上の深刻な課題となっている。
早朝の犬による襲撃事件、住民に広がる不安
4月14日午前5時頃、ビンロク区ミーハ地区のチャン・チュン・クアン通りで、グエン・ティ・ヌイさんが運動中に体重約10kgの犬に襲われた。ヌイさんは噛まれ、突き倒されて頭を路面に打ち付けた。その数分後、同じくウォーキング中だったリーさんとマイさんもこの犬に襲われ、リーさんは足を噛まれ、マイさんはお尻と胸に負傷した。幸いにも、近くを自転車で通りかかった男性が棒で犬を追い払い、事なきを得た。
襲撃されたヌイさんとリーさんは、複数箇所を負傷し入院。縫合手術を受け、容態は安定しているものの、精神的なショックは大きいという。この事件を受け、周辺住民の間には不安が広がり、多くの人が早朝の運動を一時的に中断したり、護身用に棒を持って外出したりする事態となっている。これに対し、ビンロク区の指導部は、住民の安全確保に向けた調査と関係機関との連携を表明した。
狂犬病の脅威とベトナムの現状
ベトナムでは、犬による人への襲撃事件が近年相次いでいる。直近では4月3日、ハティン省で83歳のダン・フー・クエットさんが犬に餌やり中に襲われ、残念ながら死亡する事故が発生した。保健省によると、ベトナムでは毎年約70~90人が狂犬病で死亡しており、特に農村部や山間部での発生が多いとされている。狂犬病は、発病するとほぼ100%の致死率を示す非常に危険な感染症であるが、早期のワクチン接種によって予防が可能である。
公衆衛生と動物管理の課題
今回の事件は、ベトナムにおける公衆衛生と動物管理の課題を浮き彫りにしている。犬などの動物から人に感染する「動物由来感染症」は、適切な飼養管理や衛生対策が不十分な開発途上国において、特に深刻なリスクとなる。農林水産省や神戸市保健事業概要など、各国の公衆衛生機関が感染症予防の重要性を指摘しているように、ベトナムでも狂犬病予防や適切な動物の取り扱いを徹底することが急務となっている。


