タイのパガン島で、アヌティン首相が違法建設されたプール付きヴィラを視察し、外国人による名義貸し(ノミニー)を通じた土地不法所有疑惑に対し、資金ルートの徹底調査を指示しました。首相は、外国人の株式保有は49%までと改めて強調し、最近発表されたビジネス許可申請手続きの簡素化に関する誤解を招く報道について謝罪しました。この件は、プラチャーチャート・ネットが報じました。
パガン島で違法ヴィラを視察、ノミニー問題にメス
アヌティン・チャーンウィーラクーン首相兼内務大臣は、スラタニ県パガン島を訪問し、違法に建設されたプール付きヴィラを視察しました。このヴィラはバーン・チョーロクラムに位置する「テーラー・ヴィラ」社が所有しており、イスラエル人がタイ人を名義人(ノミニー)として土地を不法に所有している疑いが浮上しています。
副国家警察長官のサムラーン・ヌアンマーは、この違法プールのヴィラ建設について報告。首相は、外国人がタイ国内の土地を所有することは原則として認められておらず、ノミニーを利用してタイ企業を装う行為は法律の精神に反すると指摘しました。
外国人の土地所有と株式保有に関する厳格な規制
タイでは外国人が直接土地を所有することはできません。また、会社を設立する場合でも、外国人の株式保有率は49%までと厳しく制限されています。しかし、今回のパガン島のケースでは、複数の会社を複雑に絡ませることで、実質的に外国人が100%会社を支配し、タイ国籍を偽装している状況が確認されました。
アヌティン首相は、このような行為は「外国人が黒いカツラをかぶってタイ人のふりをしているようなものだ」と述べ、法律の意図するところに反すると強く非難。外国人がタイの法律をすり抜けて土地を支配する行為に対し、断固として対処する姿勢を示しました。
資金の流れを徹底調査、組織的犯罪の可能性
首相は、問題の企業の資金ルートを徹底的に調査するよう指示しました。これは、ノミニー問題が単なる土地所有の違反に留まらず、マネーロンダリングなどの組織的な犯罪に関与している可能性も視野に入れているためです。
タイの法律では、会社の設立には7人以上のタイ人発起人が必要で、タイ人資本が51%以上を占める必要があります。しかし、実際には一人の外国人が200以上の会社を所有しているケースもあり、これは法律を悪用して外国人にビジネスの「殻」を販売していると首相は指摘しています。
ビジネス許可申請手続きの簡素化、誤解を招いた報道
閣議で承認された外国人投資家向けビジネス許可申請手続きの簡素化についても、首相は誤解を招いたことについて謝罪しました。首相府副報道官が「外国人がタイで事業を行う際に許可が不要になる」と発表したことで、混乱が生じました。
首相は、この措置は重複する申請手続きをなくすためのものであり、商業省での申請が不要になるだけで、他の関連省庁(例えば公共事業・都市計画局、工業省、内務省など)からの許可は引き続き必要であると明確にしました。これは、ビジネス環境の改善とワンストップサービスの提供を目指すものであり、外国人による無許可での事業開始を認めるものではないと強調しました。


