タイ東北部スリン県にある12世紀のプラサート・タークワイ寺院が、2000万バーツ(約1億円)を投じて2年間で大規模修復されることが決定しました。かつてタイ・カンボジア国境紛争の拠点だったこの歴史的寺院の保存計画を、タイ芸術局が発表したとBangkok Postが報じています。
国境紛争の歴史を刻む寺院の大規模修復計画
タイ芸術局のプノムブートラ・チャンドラジョーティ局長は、スリン県パノムドンラック地区に位置するプラサート・タークワイ寺院の修復計画を月曜日に発表しました。この修復プロジェクトは、文化大臣と国防大臣の協議を経て決定されたもので、2027会計年度に開始され、2年間で2000万バーツ(約1億円)を上限とする予算が割り当てられます。この寺院は、かつてタイとカンボジアの国境紛争における重要な拠点の一つとして知られ、タイの歴史的遺産としてその重要性が改めて認識されています。周辺には世界遺産プレアビヒア寺院もあり、この地域の文化財保護はタイの外交上も注目されています。
段階的な修復作業と考古学的調査
すでに予備的な損傷評価は2回の現地調査を通じて実施されており、総合的な修復計画は最終決定されています。第1フェーズでは、周辺地域の詳細な調査、追加の歴史的証拠を発見するための考古学的発掘、そして寺院の構造基礎の強化が含まれます。損傷したレンガや石は慎重に解体され、目録化されます。2028年には第2フェーズが開始され、構造の再構築に重点が置かれる予定です。プノムブートラ局長によると、初期調査では元のレンガの40〜50%がそのまま残っており、残りの部分は新しい材料で補完されます。このプロジェクトは、第10地域芸術局が監督します。
国家遺産登録と文化財保護の推進
さらに、芸術局は東北地方南部国境沿いの考古学的遺跡を国家遺産として登録する計画も明らかにしました。タイでは、上座部仏教が社会の各層に深く根付いており、寺院は単なる宗教施設にとどまらず、地域の歴史や文化の中心としての役割を担っています。今回のプラサート・タークワイ寺院の修復は、タイの豊かな文化遺産を未来に継承するための重要な一歩となります。タイ旅行を計画する際には、このような歴史的背景を持つ場所を訪れるのもおすすめです。


