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ベトナム政府、免税基準を柔軟化へ

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ベトナム政府は、個人事業主に対する所得税・VAT免税の基準を、法律で固定せず政府が柔軟に決定する方針を打ち出しました。これは、経済状況の変動に対応し、特に中小規模の事業者を支援するための重要な政策変更となります。VnExpressの報道によると、この柔軟な免税基準は、今後政府が経済情勢に応じて調整可能となる見込みです。

経済変動への対応と中小企業支援

昨年、ベトナム国会は個人事業主の所得税および付加価値税(VAT)の免税基準を年間5億ドン(約300万円)に引き上げることに合意していました。しかし、財務省は、この免税基準を「法律で固定せず、政府が規定する」という修正案を提出しました。

財務省がこの変更を提案する理由として、昨年後半に規定が制定された時点と比較して、国内経済状況が大きく変動していることを挙げています。具体的には、今年初めからの投入コスト増加、購買力の低下、そして個人事業主の事業活動における多くの困難を指摘しています。

そのため、財務省は、納税者の負担能力を考慮し、科学的かつ適切な政策を確保するため、個人事業主に対する税制政策の調整が不可欠であると強調しています。

免税基準の柔軟化がもたらす影響

財務省は、免税基準を調整することで、中小規模の個人事業主、特に利益率が低くコスト変動の影響を受けやすい業種を支援し、事業継続を後押しすると説明しています。ベトナムでは、2025年末までに300万〜400万の個人事業主が存在し、そのうち200万以上が安定して納税しています。

昨年、個人および個人事業主からの税収は32兆8400億ドン(約1970億円)に達し、前年比37.5%増加しました。これは国家予算総収入の約2%を占めています。

法人税免税基準の導入と公平性

個人事業主だけでなく、財務省は中小企業および超小規模企業に対する法人所得税の免税基準も提案しています。この基準も法律で固定せず、政府が規定する方針で、2026年の課税期間から適用される見込みです。

現在、ベトナムには約90万の活動中の企業があり、その約94%が中小企業・超小規模企業です。財務省は、国際的な経験からも、これらの企業グループは、低税率や免税といった税制優遇措置によって支援される傾向にあると指摘しています。

既存の優遇措置(個人事業主から企業への転換企業に対する2年間の法人所得税免除や、小規模企業に対する15〜17%の税率適用)はあるものの、個人事業主と同様の免税基準を法人にも導入することで、中小企業との公平性を確保し、個人事業主の法人化を促進する狙いがあるとされています。

迅速な法改正への動き

財務省は、国会に対し、迅速な手続きで法案を提出し、4月6日から24日まで開催される第1回国会で可決されるよう提案しています。この迅速な対応は、現在のベトナム経済状況への緊急性を反映していると言えるでしょう。

このベトナム政府の税制柔軟化の動きは、現地でビジネスを展開する日系企業や個人事業主にとって、事業計画の策定において重要な意味を持つでしょう。特に、ベトナム経済の変動が激しい時期においては、固定された税制よりも、政府が経済状況に応じて柔軟に対応できる仕組みの方が、予期せぬ経済的打撃を緩和し、事業の持続可能性を高める可能性があります。

この政策は、ベトナム経済の重要な部分を占める非公式経済、特に中小零細企業の支援に焦点を当てている点で注目されます。JICAの資料が示すように、ASEAN各国は中小企業支援を重視しており、ベトナムもまた、経済成長を支える基盤として、これらの事業者の安定化と成長を促進しようとしています。免税基準の柔軟化は、景気後退時における中小企業の資金繰り悪化を防ぎ、失業率の増加を抑制する効果が期待される一方、税収計画の不確実性を高める可能性も秘めています。

AsiaPicks 編集部
AsiaPicks 編集部
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