ホームタイバンコク含むASEAN茶・コーヒー市場99億ドル超、タイの茶市場は38%成長で急伸

バンコク含むASEAN茶・コーヒー市場99億ドル超、タイの茶市場は38%成長で急伸

出典:元記事

東南アジア諸国連合(ASEAN)の茶とコーヒー市場が急速に拡大し、2025年には総額99億ドル(約1兆5千億円)規模に達する見込みです。特にタイの茶市場は地域最速となる38%という驚異的な成長率を記録しており、市場競争は激化の一途を辿っています。タイの経済情報サイトPrachachatが、ビジネスコンサルティング会社Momentum Worksのデータを引用して報じました。

ASEAN茶・コーヒー市場、2025年に99億ドル規模へ

Momentum Worksの調査によると、ASEAN地域のカフェおよび茶・コーヒー市場は、2021年の65億ドル(約9,750億円)から2025年には99億ドル(約1兆5千億円)へと急拡大する見通しです。この成長は、東南アジアにおける経済発展と中間層の増加が背景にあり、消費市場としての魅力が飛躍的に高まっていることを示しています。市場規模ではインドネシアが最大で、タイ、ベトナムがそれに続きます。

タイの茶市場が驚異の成長率38%を記録

特に注目すべきは、タイの茶市場が地域で最も速いペースで成長している点です。2025年には市場価値が13億1,400万ドル(約1,971億円)に達し、成長率は驚異的な38%に上ると予測されています。これは消費者の行動様式の変化と、フードデリバリープラットフォームの普及が大きく影響しており、タイのデジタル経済の浸透が市場拡大を後押ししていると言えるでしょう。一方、タイのコーヒー市場も17%の成長が見込まれています。

競争の激化:システムとデジタルの戦い

ASEANの茶・コーヒー市場における競争は、単なる味やブランドイメージ、店舗の雰囲気だけでなく、「バックエンドシステム」の優位性へとシフトしています。サプライチェーン管理、デジタル注文インフラ、店舗運営の効率化といった、目に見えない運用システムの強さが勝敗を分ける重要な要素となっています。また、業界全体がデジタル技術と自動化を取り入れ、生産能力を飛躍的に向上させる「産業化」の波に乗り、一日あたりの販売杯数を大幅に増やしています。

中国ブランドの戦略が市場を再構築

中国発の飲料ブランドがASEAN市場、特にタイに急速に進出し、新たな競争基準を打ち立てています。Mixue(ミーシュエ)、Chagee(チャージー)、Bingxue(ビンスエ)、ChaPanda(チャパンダ)、Wedrink(ウィードリンク)といったブランドは、効率的な運営システムとデジタルファースト戦略を武器に、現地のプレーヤーに大きな影響を与えています。これにより、タイの既存ブランドは競争力を維持するために、中国ブランドの先進的なアプローチを学び、適応する必要に迫られています。これは、中国がASEAN経済圏において、消費行動とサプライチェーンの両面で主導的な役割を果たしていることを明確に示しています。

タイ国内の市場動向:ガソリンスタンド系が優位

タイ国内のコーヒー市場では、ガソリンスタンド併設型カフェが圧倒的な強さを見せています。カフェ・アマゾン(Café Amazon)は4,400店以上と地域最多の店舗数を誇り、インタニン(Inthanin)が1,300店以上、パンタイ・コーヒー(Punthai Coffee)が1,200店以上と続き、これら3ブランドはASEAN地域のトップ7にランクインしています。これらのブランドは、移動中の消費者ニーズを捉え、広範なネットワークを通じて市場を牽引しています。興味深いことに、ASEAN地域のコーヒーブランド上位7社の中に中国系ブランドはまだ入っておらず、タイの地元ブランドが強固な地位を築いていることがうかがえます。

デリバリーが成長の原動力に

タイにおける茶市場の急速な成長を支える最大の要因は、フードデリバリーサービスの普及です。タイのフードデリバリープラットフォームでは、飲料単独の注文が全体の約30%近くを占めており、これが茶市場の成長を強力に後押ししています。オンラインチャネルは今や不可欠なインフラとなっており、小規模ブランドはデリバリーアプリを新規顧客獲得に活用し、大規模ブランドは顧客の囲い込みと長期的な収益性向上のため、自社アプリの開発に力を入れています。デジタル注文システムは、店舗の運営ロジックや出店戦略さえも変革し、迅速な店舗展開を可能にしています。

今回のタイを含むASEANの茶・コーヒー市場の急成長は、単なる消費トレンドの変化に留まらず、タイ経済のデジタルトランスフォーメーションが加速している構造的変化を浮き彫りにしています。フードデリバリーの普及は、特にバンコクなどの都市部で、飲食店のビジネスモデルやサプライチェーンに革命をもたらしており、これは、2020年代に「世界初の即時デリバリー実現の可能性」が指摘されたタイのデジタライゼーションの進展と符合します。

在住日本人や日系企業にとっては、この市場の変化が新たなビジネスチャンスと同時に、既存ビジネスへの脅威となり得ます。例えば、飲食業ではデリバリー対応やデジタルシステムへの投資が必須となり、小売業では中国系ブランドの競争力と効率的な運営戦略を分析し、自社の戦略にどう組み込むかが問われるでしょう。また、ガソリンスタンド系カフェの強さは、タイの広範な交通インフラと消費者の移動習慣に根ざしており、異業種連携の可能性も示唆しています。

AsiaPicks 編集部
AsiaPicks 編集部
タイ・ベトナム・インドネシアの最新ビジネスニュースを日本語で毎日配信。現地メディアの一次情報をもとに、日系企業・駐在員の意思決定に役立つニュースを厳選してお届けします。
RELATED ARTICLES
- Advertisment -
Google search engine

Most Popular

Recent Comments