ホームベトナムホーチミン近郊ロンタイン空港建設担うCC1、5年ぶり低水準利益に

ホーチミン近郊ロンタイン空港建設担うCC1、5年ぶり低水準利益に

※画像はイメージです(AI生成)

ベトナムの大手建設会社CC1(総公社建設1)が、過去最高の連結売上高を記録したにもかかわらず、2023年の税引後利益が過去5年間で最低水準に落ち込んだことが明らかになりました。同社の売上高は前年比16%増の約11兆8200億ドン(約709億円)に達しましたが、税引後利益は約1900億ドン(約11億4000万円)で、前年比で17%減少しています。この状況は、VnExpressの報道により詳細が伝えられています。

記録的な売上高と利益の乖離

CC1は2023年に、連結売上高で創業以来最高となる約11兆8200億ドン(約709億円)を達成しました。この売上高の大部分は、約9兆1600億ドン(約550億円)を占める建設・設置事業によるものです。残りは商品販売、サービス提供、不動産事業から得られています。

しかし、売上高の増加とは裏腹に、利益は大幅に減少しました。税引前利益は2700億ドン(約16億2000万円)で8%減、税引後利益は1900億ドン(約11億4000万円)で17%減となり、これは過去5年間で最低の水準です。純利益率は前年の2.2%から1.6%に低下しました。この利益減少の主な要因としては、借入金利息や企業管理費用などの主要な費用が大幅に増加したことが挙げられます。

監査報告による利益下方修正と取引制限

CC1の監査済み税引後利益は、同社が当初作成した財務報告書よりも約370億ドン(約2億2200万円)低い数値となりました。これについて経営陣は、子会社や関連会社の利益調整、金融投資引当金、不良債権の計上などが監査法人によって行われたためと説明しています。

また、ハノイ証券取引所は今月初めから、監査済み財務報告書の提出が45日以上遅延したことを理由に、CC1の株式(UPCoM市場で取引)を取引制限銘柄に指定しました。これにより、同社株は週に一度、金曜日のみ取引が可能となっています。CC1の経営陣は、2023年は監査法人との協力初年度であり、全国に広がる大規模かつ複雑な多数のプロジェクトからのデータを統合した結果、売上高が二桁成長した時期と重なったと説明しています。監査法人との一部業務内容に関する見解の不一致が、報告書完成に時間を要した原因であるとしています。

ベトナムのインフラ投資とCC1の将来展望

CC1は1979年に設立され、土木、産業、インフラ、エネルギー分野の建設・設置工事を専門としています。現在、ホーチミン近郊のロンタイン空港旅客ターミナル建設には、CC1も参加するヴィエトゥー(Vietur)共同事業体が携わっており、2025年12月の完成を目指しています。

ベトナム経済は安定した高成長を続けていますが、インフラ整備がそのスピードに追いついていないという課題があり、政府はインフラ投資を加速させています。CC1は、この動きを追い風に2024年の目標として、連結売上高をさらに記録的な18兆6070億ドン(約1116億円)、税引前利益を4920億ドン(約29億5200万円)に設定しています。経営陣は、カットライ橋、ロンフン橋、首都圏環状4号線などの大規模プロジェクトが今後、収益と利益に貢献し始めると見ています。さらに、メトロプロジェクトへの参加は、都市インフラ投資が強化される中で、伝統的な建設セグメントへの依存度を減らし、収益を多様化させる重要な戦略と位置づけています。

今回のCC1の事例は、ベトナム経済が国営企業偏重から民間セクター重視へと転換する中で、企業経営の透明性と効率性がより厳しく問われている現状を象徴しています。特に、インフラ整備が急務とされる中で、大規模プロジェクトを担う企業には高いガバナンスが求められ、監査報告の遅延や利益の下方修正は、投資家や市場からの信頼に直結します。これは、ベトナム政府が目指す経済政策の一貫性と、国際的なビジネス慣行への適合性を示す重要な局面と言えるでしょう。

一方で、CC1がメトロプロジェクトなど新たな分野への参入を目指す動きは、ベトナムの都市インフラ投資の加速と多様化を背景としています。これは、日本の建設関連企業やコンサルティング企業にとって、ベトナム市場における新たなビジネスチャンスを示唆しています。長期的な視点で見れば、一時的な利益減少や取引制限があっても、インフラ投資の拡大はベトナム経済全体の成長を促し、関連する日系企業にとってもプラスの影響をもたらす可能性を秘めています。特に、ホーチミンやハノイといった大都市圏の交通インフラ整備は、人々の生活の質向上だけでなく、物流効率化や不動産価値向上にも繋がるため、在住日本人や日系企業の事業展開にも恩恵をもたらすでしょう。

AsiaPicks 編集部
AsiaPicks 編集部
タイ・ベトナム・インドネシアの最新ビジネスニュースを日本語で毎日配信。現地メディアの一次情報をもとに、日系企業・駐在員の意思決定に役立つニュースを厳選してお届けします。
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