タイの天然資源環境大臣が記者と激しい口論の末、謝罪しました。これは、同省の汚染管理局が国内で最も高い平均賄賂額を記録したとする汚職調査の結果を巡るものでした。バンコク・ポストによると、政府機関の透明性と説明責任が改めて問われる事態となっています。
汚職調査結果と大臣の反応
タイの天然資源環境大臣であるスチャート・チョムクリン氏は、汚職に関する調査結果について記者との間で激しいやり取りがあった後、謝罪しました。この調査は、公共行政における透明性を重視する「ゼロ・コラプション作業部会」によって実施されたもので、同省の汚染管理局(PCD)が、州機関の中で最も高い平均賄賂額を記録したと結論付けていました。
スチャート大臣は、汚染管理局が国内で最も高い平均賄賂額、具体的には1件あたり102,160バーツ(約510,800円)を記録したという調査結果について質問された際、明らかに苛立っている様子でした。タイ政府は近年、行政の効率化、透明性、説明責任の向上に努めていますが、今回の事態はこれらの取り組みに課題を突きつける形となりました。
激論の経緯と大臣の弁明
閣議前の政府庁舎でのやり取り中、記者は、天然資源環境省が世論調査の信頼性を公に否定するのではなく、なぜ直ちに正式な調査を開始しなかったのかと繰り返しスチャート大臣に迫りました。大臣は汚染管理局を擁護し、同機関は主に技術的な役割を担っており、許可証の発行や工場運営の直接的な承認権限がないと主張しました。
質問が激しくなるにつれて、スチャート大臣は状況を「証拠のない告発から自分の子供を守る」ことに例えました。これに対し記者は、調査を行う前に部下を保護することは、説明責任のメカニズムに対する信頼性を損なうと反論しました。同じ記者が、同省が実際に内部調査を開始したのかと尋ねると、スチャート大臣は、省の事務次官に世論調査の主催者を召喚し、裏付けとなる証拠を要求するよう指示したと主張しました。
和解と今後の課題
やり取りが終わった後、スチャート大臣は記者のもとへ歩み寄り、通り過ぎる際に肩をぶつけました。記者が抗議すると、大臣は「誰を相手にしているか分かっていない」と記者に告げました。しかし、閣議後、スチャート大臣は報道室に出向き、自ら謝罪しました。大臣は不適切な発言を認め、記者が誠意をもって問題を提起しようとしていたことを理解していると述べました。
記者は謝罪を受け入れ、個人的な問題はないと語りました。今回の出来事は、タイの政治における透明性と説明責任の確保、そしてメディアとの健全な関係構築の重要性を改めて浮き彫りにしています。政府機関による汚職の抑制は、経済発展と国民の信頼を得る上で不可欠な課題です。


