タイ国政府観光庁(TAT)は、クラビ県で「Amazing Green Experience in Thailand」プロジェクトの一環として、持続可能な観光を推進するための大規模な商談会とネットワーキングランチを開催しました。ASEAN、南アジア、南太平洋地域のバイヤーやメディアを招き、タイ南部からの環境に配慮した観光事業者と連携を強化。これは、国際市場向けにタイの責任ある観光商品を拡大し、地域経済の活性化を目指すTATの戦略的取り組みです。
クラビで開催!「Amazing Green Experience」プロジェクト始動
タイ国政府観光庁(TAT)は2026年5月8日、クラビ県のソフィテル・クラビ・フォーキートラ・ゴルフ&スパリゾートにて、「Amazing Green Experience in Thailand」プロジェクトの一環として、商談会とネットワーキングランチを開催しました。このイベントは、タイが責任ある観光地としての地位を確立し、国際市場向けに市場対応型の持続可能な旅行商品を拡大するというコミットメントを強化するものです。
オーバーツーリズム対策と地域経済活性化への道
TATのASEAN、南アジア、南太平洋地域担当エグゼクティブディレクターであるパッシー・パームウォンセニー氏は、「このプロジェクトは、国際的な旅行業界パートナーやメディアと現地の事業者をつなぐことで、持続可能な観光商品がグローバル市場に届く具体的な機会を創出します」と述べました。これは、近年問題となっている主要観光地への観光客集中(オーバーツーリズム)に伴う課題や経済的格差の解消にも寄与すると期待されています。TATは、タイの責任ある観光商品をより多くの市場に紹介し、貿易やメディアとの連携を深め、タイ南部地域の地元事業者にとって測定可能なビジネス価値を創出することを目指しています。
タイ南部から22事業者が参加!国際バイヤー・メディアと交流
今回の商談会には、クラビ、パンガー、スラートターニーの3県から22の観光事業者が参加しました。参加者には、タイ観光アワード2025の受賞者、CFホテルプログラムの参加事業者、TAT STAR認定企業、そして責任ある観光を実践する観光提供者が含まれています。インド、ベトナム、シンガポール、マレーシア、インドネシア、オーストラリアから19の海外旅行パートナーと16のメディア代表者(コンテンツクリエイター、ブロガー、KOL、インフルエンサーを含む)が参加し、ビジネス交渉や商品開発の機会を得ました。彼らはタイの責任ある観光商品を体験し、世界中の視聴者にその魅力を伝える役割を担います。
自然と文化に触れる!クラビ、パンガー、プーケットの魅力を体験
商談会は、市場動向や旅行者のインサイトを共有するTAT海外ディレクターによる説明会から始まり、タイ南部に関する商品説明、B2Bセッション、そしてネットワーキングランチへと続きました。さらに、5月6日から13日にかけては、バイヤーとメディア向けの視察プログラムも実施され、クラビ、パンガー、スラートターニー、プーケットの選定ルートを巡りました。これにより、参加者は商談会前後で現地の観光商品を実際に体験し、より深い理解を得ることができました。
特に注目された体験には、バン・ナイ・ナン観光コミュニティ、プリンスビル・スパ、パンソーク・エコストア&ティールーム、マウント・トゥ・マウント・ホームステッド&ガーデン、ワリーラック・ホットスプリング&ウェルネス、トゥン・イー・ペン・エコツーリズムコミュニティ、バン・サム・チョン・ヌア・コミュニティ企業などが挙げられます。これらは、コミュニティ観光、ウェルネス、環境負荷の低い地元企業、自然ベースのアクティビティなど、タイが提供する責任ある旅行体験の多様性を示しています。
タイが目指す「グリーンな旅」の可能性
タイは、観光客の増加が観光地、地域コミュニティ、環境に与える影響を強く意識し、持続可能な観光政策の推進に力を入れています。今回のプロジェクトは、単なる観光客誘致に留まらず、地域経済の活性化と環境保全を両立させることを目指しています。特に、地方への観光客誘致は、経済的格差の解消にも繋がり、タイ全体の持続可能性を高める重要な要素です。エコ評価の導入や観光資源開発への投資を通じて、タイは訪問者、コミュニティ、そして環境に真の価値を提供する責任ある観光のあり方を追求しています。
タイの観光戦略は、アフターコロナを見据え、単なる観光客数の回復だけでなく、その質と持続可能性に重点を移していることが今回のニュースから読み取れます。主要観光地への集中によるオーバーツーリズム問題は世界的な課題であり、タイも例外ではありません。この「Amazing Green Experience」プロジェクトは、地方の魅力を発掘し、地域コミュニティと連携することで、観光客の分散と地域経済の活性化を図るという、構造的な課題解決へのアプローチと言えるでしょう。
在タイ日本人にとって、こうした持続可能な観光の動きは、これまでの定番スポット以外の新たな旅行先の選択肢が増えることを意味します。環境に配慮したエコツーリズムや地域密着型の体験は、タイの多様な文化や自然をより深く理解する機会を提供し、単なる消費ではない、より豊かな旅の体験を可能にします。特に、バンコクなどの都市部から少し足を延ばすことで、これまで知らなかったタイの魅力を発見できるかもしれません。
- ワリーラック・ホットスプリング&ウェルネス(クラビ県):自然の中でリラックスできる温泉とウェルネス体験。
- バン・ナイ・ナン観光コミュニティ(クラビ県):地元の暮らしや文化に触れられるコミュニティツーリズム。
- パンソーク・エコストア&ティールーム(パンガー県):環境に優しい商品や地元の食材を楽しめるカフェ。


