ベトナムの税務当局が、オンラインビジネスや海外からの収入を持つ個人に対し、高額な追徴課税を強化しています。多くの市民が突然の多額な請求に直面し、税制の複雑さに困惑している状況です。Tuoi Treが報じたところによると、特にデジタル経済の急速な発展に伴い、政府は税収確保に乗り出しています。
ホーチミンで高額な追徴課税の実態
ベトナムでは、インターネットを介したビジネスや海外からの収入がある個人に対し、税務当局が過去数年分の税金を遡って徴収する動きを強めています。例えば、ホーチミン在住のH氏(女性)は、Googleからの広告収入(AdSenseやYouTube)があったことを理由に、2020年から2023年までの期間で約2億5,000万ドン(約150万円)もの追徴課税を請求されました。彼女は、このような収入が課税対象であることや、具体的な申告義務について十分に認識していなかったと語っています。
また、別のケースでは、海外の企業から収入を得ていた個人が、2022年から2023年の期間で約1億6,000万ドン(約96万円)の追徴課税を命じられています。これらの事例は、多くの納税者が、自身の収入源が税務上の義務を伴うことを認識しておらず、突然の多額の請求に衝撃を受けている現状を浮き彫りにしています。
デジタル経済への課税強化と法整備
税務当局は、今回の追徴課税の根拠として、個人事業主やオンラインビジネスを行う個人に対する税務に関する通達40号(Circular 40/2021/TT-BTC)を挙げています。この通達により、オンライン活動を含む事業所得には個人所得税(PIT)と付加価値税(VAT)が課せられます。また、海外の組織や個人がベトナム国内の個人に所得を支払う場合、源泉徴収義務が発生しますが、それがなされない場合は、所得を受け取った個人が自ら申告・納税する必要があります。
政府は、銀行や決済代行業者、さらには電気通信事業者などから得られるデータを活用し、個人の収入源、特に国境を越えたプラットフォームやEコマースを通じた収入を徹底的に調査しています。これにより、これまで捕捉が難しかったデジタル経済における収入の透明性を高め、税収の公平性を確保する狙いがあります。
納税者の困惑と当局の対応
税務当局の厳格な姿勢に対し、多くの市民は困惑を隠しきれません。特に、複数のオンラインプラットフォームから不定期に収入を得ている人々は、自身の税務状況を正確に把握することの難しさを訴えています。税務当局は、脱税は深刻な問題であり、全ての納税者が公平に納税義務を果たすべきであるとの立場を強調しています。その一方で、自主的な申告と納税を推奨し、税制に関する疑問や不明点については、各地域の税務署で相談に応じていると発表しました。
この動きは、ベトナムが経済発展と都市化の進展に伴い、税収基盤の多様化と強化を図る中で、デジタル経済への課税を本格化させていることを示しています。納税者には、自身の収入源と税務義務を再確認し、適切な対応を取ることが求められています。


