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ハノイ市、バスの4割超がグリーン化達成へ

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ベトナム・ハノイ市で公共交通機関のグリーン化が急速に進展しており、バスの4割以上が電気自動車(EV)やCNG車に転換する見込みです。これは、ハノイ市人民評議会都市委員会が発表した調査結果に基づくもので、環境負荷の低減と持続可能な都市交通の実現に向けた取り組みが加速しています。VnExpressが詳細を報じました。

ハノイの公共交通、グリーン化が加速

ハノイ市人民評議会都市委員会(バン・ドーティ)が発表した調査結果によると、ハノイ市では公共交通機関のグリーン化が予想を上回るペースで進んでいます。現在のバス路線は129本、運行車両数は1,946台ですが、2026年末までには、そのうちの857台、実に45.2%がクリーンエネルギー車に転換する見込みです。これは市が当初掲げていた目標である20~23%を大幅に上回る達成率となります。

この動きは、ベトナムの大都市が直面する深刻な環境問題、特に交通渋滞と排気ガスによる大気汚染への対応として喫緊の課題とされています。持続可能な交通インフラの開発は、経済的繁栄と環境的持続可能性、そして社会的公正を実現する「グリーン成長」戦略の一環として推進されています。

各交通手段におけるグリーン化の進捗状況

バス部門では、2025年末までに364台の電気バスと139台のCNGバスが導入され、クリーンエネルギー車の割合は全体の26.5%(503台)に達する予定です。さらに今年4月上旬に追加の電気バスが導入されたことで、既に合計618台(31.8%)がグリーン車両となっています。2026年4月末には電気バスが203台追加され、クリーンエネルギー車の総数は822台(42.1%)に増加する見込みです。

他の公共交通機関でもグリーン化は進んでいます。タクシーでは、稼働中の1万4,375台のうち、60.47%にあたる8,692台が電気自動車です。また、8人乗り以下のライドシェア車両では、5万2,180台のうち、2万3,819台が電気自動車、105台がハイブリッド車であり、全体の45.2%がグリーン車両となっています。特に、5年未満の電気自動車が、登録更新・新規登録車両の約70%を占めており、実質的な転換が加速していることが伺えます。一方で、バイクタクシーのグリーン化は遅れており、12万6,526台のうち、電気バイクは1万3,311台に留まり、わずか10.52%となっています。

資金調達とインフラ整備が最大の課題

ハノイ市は、2030年までに全てのバスとタクシーをクリーンエネルギー車に転換するという野心的な目標を掲げていますが、現状ではまだ大きな隔たりがあります。最大の課題は資金調達であり、バスのグリーン化には総額9兆9,650億ドン(約5979億円)もの膨大な資金が必要と見積もられています。特に2026年から2030年の期間だけで5兆3,310億ドン(約3198.6億円)が必要です。

しかし、ハノイ投資開発基金の自己資本は現在3兆8,200億ドン(約229.2億円)しかなく、必要な資金を大幅に下回っています。さらに、一部の事業者では、プロジェクトに参加するために必要な自己資金(総投資額の最低20%)を確保できないという問題も浮上しています。

政府への提言と今後の見通し

バン・ドーティは、ハノイ市人民委員会に対し、公共交通インフラへの投資や電気バスの購入に対する金利補助の規定を早期に制定するよう提言しています。また、充電ステーションやバッテリー交換ステーションの統一技術基準を検討・提案し、複数の事業者が共有できるインフラ整備を進めることで、無計画な投資や無駄を避けるよう求めています。ハノイ市では、低排出ゾーンの導入も予定されており、スマートシティ化と交通インフラのデジタル変革(DX)を連動させることで、持続可能な都市開発を目指しています。

ベトナムの急速な都市化と経済成長は、交通渋滞や大気汚染といった深刻な環境問題を引き起こしており、政府にとってグリーン化は喫緊の課題です。ハノイ市が公共交通のグリーン化に先行的に取り組む背景には、国際的な環境支援やスマートシティ化の潮流に乗り、都市の国際競争力を高めようとする強い意図が見られます。これは、ASEAN全体で持続可能な交通インフラ開発が重視される中、そのリーダーシップを発揮しようとする姿勢の表れとも言えるでしょう。

このグリーン化の動きは、ハノイ在住の日本人や日系企業にも直接的な影響を与える可能性があります。公共交通機関の利便性向上は、通勤や移動のストレス軽減、コスト削減に繋がり、駐在員の生活の質向上に寄与するでしょう。また、大規模な資金需要は、日本のODAや民間投資の新たな機会を示唆しており、ベトナム市場への参入を検討する企業にとっては、環境関連技術やインフラ整備分野でのビジネスチャンスが拡大する重要な視点となります。

AsiaPicks 編集部
AsiaPicks 編集部
タイ・ベトナム・インドネシアの最新ビジネスニュースを日本語で毎日配信。現地メディアの一次情報をもとに、日系企業・駐在員の意思決定に役立つニュースを厳選してお届けします。
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