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ベトナム産果物価格暴落、カントー農家も

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ベトナムでは輸出が好調な品目もある一方で、バナナやマンゴーなど多くの果物の国内価格が大幅に下落しています。VnExpressが報じたところによると、特にカントーなどメコンデルタ地域の農家は供給過剰と需要低迷により苦境に立たされています。

ベトナム果物輸出の明暗:好調と低迷

税関のデータによると、今年第1四半期のベトナムの野菜・果物輸出額は約13億ドル(約1950億円)に達し、前年同期比で27%以上の大幅な増加を記録しました。特にドリアン(サウリエン)はほぼ128%増と引き続き輸出を牽引する好調ぶりを見せており、ココナッツ(ズア)やブンブイ(グレープフルーツの一種)もそれぞれ約26%増、約29%増と伸びています。

しかし、この増加傾向はすべての果物に均等に波及しているわけではありません。バナナ(チュオイ)は20%近く減少し、マンゴー(ソアイ)は15%以上、スイカ(ズアハウ)は約12%減となりました。また、ジャックフルーツ(ミット)は7%減、レモン(チャン)は9%以上減となり、国内市場での価格を下げる要因となっています。これらの果物は伝統的な市場への依存度が高く、需要の減退や輸入規制の変更によって影響を受けやすい傾向にあります。

国内市場での価格暴落

輸出の停滞や国内消費の不安定さが、多くの農産物を国内市場に滞留させ、供給過剰による価格暴落を引き起こしています。実際に多くの農産物が非常に低い水準まで価格が落ち込んでおり、一部の栽培地域ではスイカが1kgあたりわずか1,000〜5,000ドン(約6〜30円)で取引され、サインチオレンジも農園で1kgあたり1,000〜3,000ドン(約6〜18円)にまで下落しました。

輸出向けジャックフルーツも1kgあたり5,000〜8,000ドン(約30〜48円)に留まっています。かつては高値で取引されていたホアロックマンゴーでさえ、テト(旧正月)前に比べて大幅に下落し、現在は1kgあたり9,000〜15,000ドン(約54〜90円)となっています。これは、多くの農家が収益性の低下に苦しんでいる現状を示しています。

ドリアンも例外なく価格下落

価格下落の傾向は、消費が難しいとされる果物だけでなく、これまで輸出を牽引してきた人気品目にも波及しています。特に、人気品種であるリーサオドリアン(サウリエンリーサオ)の価格は、多くの栽培地域で1kgあたりわずか20,000〜35,000ドン(約120〜210円)にまで下落しました。これは数年来の最低水準であり、年初から見ても大幅な下落です。

この動きは、供給が急速に増加する一方で、輸入市場からの需要が弱まり、より慎重な姿勢に転じていることを示唆しています。ベトナムのドリアンは日本のベトナムグルメ愛好家にも人気で、この価格下落は一時的かもしれませんが、市場の動向に注目が集まります。

価格下落の背景:中国市場と物流

ベトナム青果物協会事務総長のダン・フック・グエン氏によると、農産物価格の大幅な下落は複数の要因が複合的に影響しているとのことです。まず、ベトナム産果物の主要な消費地である中国市場が、検疫や品質基準をより厳格化していることが挙げられます。ドリアンに関しては、タイ産が旬を迎えており、ベトナム産との間で激しい競争が発生しています。

さらに、中東紛争による燃料価格と運送費の高騰も、物流コストを押し上げています。これにより、EUや米国への果物輸出が昨年同期より遅延しています。実際、多くの企業は、輸送活動が安定するまで、リスクを避けるためにこれらの地域への輸出を一時的に停止せざるを得ない状況にあります。

新規制と今後の見通し

市場は現在、6月1日から全面適用される議定書および命令280に基づく、トレーサビリティと栽培地域コードに関する新しい要件への移行期間にあります。このため、買い付け業者は国境での返品リスクを避けるため、非常に慎重な姿勢を取り、買い付けを控える傾向にあります。

これは、ベトナム産農産物の品質管理や安全基準を国際水準に合わせるための過渡期とも言えます。将来的には、これらの新しい基準がベトナム産農産物の国際競争力を高め、より安定した輸出市場を確立する可能性があります。

ベトナムの農業は、輸出市場、特に中国への高い依存度という構造的課題に直面しています。国際的な検疫基準の強化や周辺国との競争激化は、国内の需給バランスを大きく揺るがす要因となり、農産物価格の不安定化を招いています。持続可能な農業発展のためには、サプライチェーン全体でのトレーサビリティ確保や品質向上、そして輸出先の多様化が不可欠です。

この果物価格の下落は、ベトナム在住の日本人にとっては、新鮮な旬の果物をこれまで以上に手軽に楽しめるチャンスと言えるでしょう。特にドリアンなどの高級果物も、一時的ではありますが、お得な価格で手に入る可能性があります。ただし、品質管理が厳しくなる過渡期でもあるため、信頼できる市場や店舗を選んで購入することをおすすめします。

  • カイラン水上マーケット(カントー):メコンデルタの豊かな恵みを体感できる、活気ある水上マーケット。
  • ベンタイン市場(ホーチミン):新鮮な果物からお土産まで揃う、ホーチミン最大の市場。
  • タイビン市場(ホーチミン):地元の人々に愛される、日常使いの市場で旬の果物を探すのもおすすめです。
AsiaPicks 編集部
AsiaPicks 編集部
タイ・ベトナム・インドネシアの最新ビジネスニュースを日本語で毎日配信。現地メディアの一次情報をもとに、日系企業・駐在員の意思決定に役立つニュースを厳選してお届けします。
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