ベトナムの首都ハノイで、4月30日と5月1日の大型連休初日に、多くの市民が「ステイケーション」を選択し、地元での休暇を楽しんでいます。主要な観光地や行楽地への移動を避け、自宅や近郊でリラックスする過ごし方が人気を集めていると、現地メディアが報じました。Tuoitre.vnによると、この傾向は経済的な側面だけでなく、混雑回避や新たな地元の魅力再発見への意識の高まりも背景にあるとのことです。
ハノイ市民に人気のステイケーションスポット
今年の大型連休は、多くのハノイ市民が遠出をせず、市内の公園や湖畔、カフェなどで時間を過ごしています。特にホアンキエム湖周辺や西湖エリアは、美しい景色と豊かな緑に囲まれ、家族連れや友人同士でピクニックを楽しむ姿が多く見られました。また、市内のショッピングモールやエンターテイメント施設も、連休を楽しむ人々で賑わいを見せています。
経済的メリットと混雑回避が主な理由
ステイケーションを選ぶ背景には、経済的な理由が大きいとされています。旅行費用を抑え、普段は忙しくて行けない地元のスポットを訪れることで、新たな発見やリフレッシュを求める声が聞かれます。また、国内の主要観光地では連休中に大規模な交通渋滞や宿泊施設の高騰が予想されるため、それを避ける目的でステイケーションを選ぶ家族も少なくありません。
変化するベトナムの旅行トレンド
近年、ベトナムでは国内旅行の需要が高まる一方で、より身近な場所で休暇を過ごす「マイクロツーリズム」や「ステイケーション」といった新しい旅行のスタイルが注目されています。これは、都市生活者のストレス軽減や、地域経済への貢献といった側面からも肯定的に捉えられています。特に、ハノイ市内の歴史的な建造物や隠れた名店を巡るなど、「新たな地元の魅力」を発見するツアーも人気を集めています。
家族で楽しむ文化施設とレジャー
連休中、ハノイ市内の博物館や美術館、科学館などの文化施設も多くの訪問者で賑わっています。特に子供向けのイベントやワークショップが開催される施設では、事前の予約が必須となるほどの人気ぶりを見せています。また、ウォーターパークや遊園地といったレジャー施設も、都市部での手軽なレクリエーションとして、家族連れにとって魅力的な選択肢となっています。
今回のハノイにおけるステイケーション人気の背景には、東南アジア諸国で共通して見られる経済発展と社会構造の変化が挙げられます。タイの「足るを知る経済」といった価値観が示すように、経済成長の一方で、物質的な豊かさだけでなく、身近な環境での心の充足や持続可能な生活を重視する傾向が強まっています。これは、遠方への旅行よりも、地元で質の高い時間を過ごすステイケーションという選択に繋がっていると言えるでしょう。
また、タイの地方自治体が地域経済の活性化や住民参加を重視する動きがあるように、ベトナムでも地方政府が観光振興に力を入れる中で、都市住民が地元を再発見し、その魅力を享受する機会が増えています。かつては海外や国内の有名観光地へ向かうのが主流だった連休の過ごし方も、交通の混雑や物価高騰を避ける実用的な選択として、都市内での文化体験やレジャーが市民生活に深く根付いてきています。これは、持続可能な地域社会の発展にも寄与する可能性を秘めています。
- ホアンキエム湖周辺散策 (Hồ Hoàn Kiếm): ハノイの中心部に位置する歴史的な湖。周辺には玉山祠や旧市街があり、散策に最適。
- 西湖 (Hồ Tây) エリア: ハノイ最大の湖。湖畔にはカフェやレストランが多く、夕日も美しい。
- ベトナム民族学博物館 (Bảo tàng Dân tộc học Việt Nam): ベトナムの多様な民族文化を紹介する博物館。家族で楽しめる体験型展示も豊富。


